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ママとビキニと、かわいい英雄  作者: 身から出た鯖
第2章 ルシアママは、エルフの魔法騎士
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070 アマーリエさん……メッチャ揺れるぅ!?

「それでルシアさま? 特務の依頼とは」

「ああ、【悪霊】と【6体の魔物】の討伐もしくは封印。それが正式に我らに依頼として発生した。しかも領主と冒険者ギルド、街の連名でな」

「すごい!」

「だが、それこそ初めのうちは先ほど話したように、」


『そちらが襲われたのだから、責任持って討伐すべきだ』


「などという意見も出たのだが、さすがにそれはこじつけというものだろう」

「で、ですよねぇ?」

「ええ、そもそもルシアの身体を狙うのは、その【強さ】を得る為。もしその力が、魔族側に回ったら」

「ああ、それを聞いて皆、青くなっていたぞw」

「ですよねー」


 そもそも悪霊が魔王軍の一員である以上、人族の街を襲うのは当然のこと。

 それをルシアママのせいにされちゃあ、ねぇ?


「そしてそうと知ってしまえば、連中も受け身ではいられない。結果、『なんとかしてくれ』と、特務依頼が発生したわけだ」

「なるほど~」

「だが悪霊が街に潜み、人族や亜人になりすましている以上、見つけることはかなり困難だろうな」

「うぅ、そうですよね」


 ぼくの【万物真理(ステータス)】さんのレーダーでも、あの悪霊は人族としてしか反応しないんだ。

 マーキングをしたとしても、その後にカラダを入れ替えられたら意味がないし?


「ああ、そしてアイナにも指名で依頼が発生した」

「なんでしょうか?」

「冒険者ギルドや神殿、そして街の守備隊などに『何者かに身体を入れ替えられた』そう申し出てくる者が、何人かいるそうだ」

「まぁ」

「その対処に困っていたようなのでな? アイナを推薦しておいた」

「ええ、承知しました」


 アプリルさんと入れ替わった後、そのまま逃げたメイドさん。

 そのカラダで、ゆうべの神官さんに入れ替わった?

 いや、もしかしたら途中で何人かと入れ替わってるかも?


「ルシアさま? そのひとたちは、なぜ殺されずに済んだのでしょう? 私やクリスくんのときのように、その直前に自刃するカタチで」

「ふむ、悪霊も相手が重要人物でない場合は、そのあたりの手間を省くのかもしれんな」

「手間を、はぶく」

「それに入れ替わられた者は皆、その際に気を失っている様なのでな。故に、いまの所はそうした不審死は出ていないそうだ」

「なるほど」


 よかった。じゃああのメイドさんは、助けられるかも?


「で、そうした者達は集められ、事情聴取を受けているそうだ。それである程度整理がついたらアイナに頼みたい」

「ですがその場合、ひとり残らず揃っていないと、完全には──」

「そうだろうな。ただ、ある程度は元に戻せる。それで納得するしかないだろう」

「そう、ですね」


 んー、殺されるよりはマシ、と考えるしかないかなぁ

 何人かは、例の【元高官】さんみたいに、別の人生を送らないといけないけど。


「ともあれ、こちらが領主たちに出した条件はこうだ。参加するのは私とアイナ、そしてクリス」

「ルシア? 貴女は──」

「ああ、わかっている。だが私が不参加では連中も納得しないのでな。入れ替りを警戒する為に最前列には出ないが、後詰めとして参加すると伝えた」

「そういうことでしたら」


 ルシアママ、ホントは参加したくてうずうずしてますね?


「さらにエルフの【姫巫女】であるアプリル。そしてその従者となったアルタムもその面子に加わるが、後者の2名はその神託の装備により【英雄級】の力を誇る、そう報告してある」

「がんばります!」

「ハイっ もちろんワタシも」

「ああ、頼りにしているぞ?」


 ルシアママにそういわれて、うれしそうなアプリるさん。

 ぼくのカラダのアプリルさんも、すごくニコニコしてる。


「そして今回は特務として、いくつか権限が与えられた」

「権限、ですか?」

「ああ、まずはその行動に関してはいっさいの制限を受けない。つまりギルドや守備隊の指示を受けず、自由に行動して良いということだ」

「おぉう」

「そもそも今回の敵が悪霊である以上、作戦を秘匿する必要があるからな。故に我らだけで独自で動く方が、都合が良いというわけだ」

「ああ、なるほど」


 悪霊だったら、どこにでも潜り込めちゃいそうだし?

 作戦なんかは筒抜けになっちゃうよねぇ?


「そして関係各位からの情報を、無制限で受けられることになった」

「情報、ですか?」

「あぁ、今この街で起きている不可解な事件や事故、そういったものの情報は逐一集められ、我々に伝えられる──そんな運びだ」

「ああ、それは助かりますね」

「そうですね、悪霊の居所の手がかりになりそうです」


 この世界にはネットもSNSもないから、そういう情報がすごく大事!


「さらにその必要経費は、自由に使って良いそうだ」

「すごい!」

「とはいえ、防具や武器でなんとかなる相手ではないからな。主には街での宿泊費や、滞在費などになるだろう」

「ですよねー」


 さすがに関係ないものを買うわけにもいかないよねぇ


「ともあれ、今日は皆、徹夜だったからな。今日はいったん家に引き上げて、今夜からまた警戒にあたるか」

「ええ……悪霊はすぐに動くでしょうか?」

「わからんが、どのみち街に詰める必要はあるだろうな。なにかあってから駆けつけるのでは遅すぎる」

「ええ」


 そりゃぁ? ぼくらが全力で飛んだら、10分もかからず着いちゃうけど?

 その街からの知らせを受けるのに、とっても時間がかかっちゃう。


(う~ん、電話みたいなアイテムがあればいいんだけど)


 残念ながら、ステラママの蔵書にもそういうのはなかった。


「えと、ミラさんたちがエルフの森からお手紙を、受け取ってましたよね? そのアイテム、借りられないでしょうか?」

「ああ、あれは双方にそのアイテムがないと、使えないモノらしくてな」

「そうなんですか?」

「なんなら私がその片割れを取りに行ってもいいが、往復で6~7日程度はかかるな」

「うぅ なら私たちがこの街に居たほうが、ずっと早いですね」


 エルフの森、ホント遠いんだなぁ


「さて、こんなところか。さすがに私も眠くなってきたし、そろそろ帰るとするか」

「ええ、ではアルタムさん。これからも宜しくお願いしますね?」

「はいっ アイナ様!」

「ああ、そうだ。アルタムにはこの特務に就いている間、特別に休業補償が出ることにさせたぞ?」

「ほ、ホントですか!」

「ああ、客には『ギルドからの特別な依頼を受けた』とでも言うといい。まぁ、本当にそうなのは間違いないのだがなw」

「うぅっ ありがとうございますっ ルシア様っ」

「なんのなんの その代わりクリスとアプリルの件、くれぐれも頼むぞ?」

「はいっ」


 うーん、あいかわらずオトコまえだなぁ、ルシアママ。

 こうして、アルタムさんはルシアママの大ファンになったのでした~


 ◇◆◆◇


「う~ん、動き、ないですねぇ」

「はい~」


 あれから、5日が過ぎました。

 けど、街は平和そのもので、悪霊も魔物もまったく気配なし。

 とりあえず、毎日パトロールはしてるけど、


「魔力を奪われた人まで見たらないとか……もしかして、諦めたんでしょうか?」

「だったらいいんですけど」


 アプリルさんのいうとおり、街では悪霊のウワサどころか?

 今まで何人もいた【魔力を奪われた被害者】が、ぜんぜんいなくなったんだ。


「でも、もしかしたら、さわぎにならない方法で、魔力を奪ってるだけかも?」

「騒ぎにならない?」

「悪霊としても、あの襲って奪うやりかたは、効率がよかったんじゃないかって」

「そうなんですか?」

「はい、だってあアイツ──」


『ふぅ、MPだけなら人死も出ないし、もう少し行けるかと思いましたが、』


「なんていってましたし?」

「そういえば、そんなことを!」

「ですから? きっと【効率は悪いけど、バレにくい】やりかた。そういうのがあるんじゃないかって思うんです」

「あり得ますね、それ」

「でもそれをやられると、魔力がたまっちゃって」

「あ、いきなり魔物をぶつけられる可能性が──」

「そうなんですよねぇ」


 と、そのとき、


「あぁ、クリスくんにアプリルさんっ ここにいらっしゃいましたか!」

「あ、アマーリエさん」

「どうしたんですか? そんなに慌てて」

「その、例の【特務】の件なのですけれど」

「っ! なにかわかりました?」

「ええ、とある冒険者から通報がありまして。街外れのとある屋敷に、見慣れぬ女性神官が何度も出入りしていると」

「女性神官! まさか」

「ええ、その冒険者の証言によると、現在行方不明になっている神官ではないかと」

「あ、あの【カルキノス】の時の神官かも?」

「ですからまずはご連絡と思い、私達で手分けしてお探ししたんです」

「ありがとうございます!」


 さすがは冒険者ギルド! そしてアマーリエさん!


「それでアマーリエさんっ その屋敷ってどこですか?」

「ええ、でしたら私がご案内します」

「え? でも危ないし!」

「そ、そうですよぉ」

「ですがお二人とも、住所を聞いて場所が判るのですか?」

「あっ」

「うぅ、わかりません」

「ですから、私がご案内したほうが早いです。さあ、こっちです!」

「は、はいっ」


 こうしてぼくたちは、アマーリエさんに案内されて走った!

 ──んだけど? それにしても~


(アマーリエさんのおっぱい、メッチャ揺れるぅ!)


 それはもう、【ぶるんっ】とか【ゆさゆさっ】とか聞こえそうなくらいで~

 そしてぼくはその時──


(日本のブラみたいに揺れないの作ったら、みんなよろこぶかなぁ……男のひとは悲しむだろうけど~)


 なーんてことを考えていたのでした~


 ◇◆◆◇


「はぁっ はぁ、こ、ここです」


 アマーリエさんが案内してくれたのは、街の外壁に近い、文字通りの街外れ。

 そこに建つ、古びた庭付きのおうちだった。


「ここは長いあいだ無人だったと、その冒険者も証言しています」

「なのに、女性神官が出入りしてる…と?」

「ええ、それで不自然に思い、ギルドに──ああ、冒険者ギルドは現在、街の冒険者たちに賞金を懸けているんです」

「しょうきん?」


『他の街から犯罪者が紛れ込んだ』

『見慣れない者が不自然な行為をしていたら、通報すること』」

『有益な通報には賞金を出す』


「──と、そんな感じですね」

「な、なるほど!」

「おかげで有象無象の証言が、それはもういくつも集まりまして……ですがその甲斐あって、ようやく手がかりが」

「そ、それは、ご苦労さまですぅ」


 うぅ、やっぱり迷惑かけちゃってるなぁ

 でも、おかげで悪霊を追いつめられそうだけど。


「あ、アプリルさん? 見てくださいっ」

「え? どうかしましたか? クリスくん」

「あの足跡って、ハイヒールですよね? しかも最近の」

「あ、ホントですね」


 ビキニアーマーを装備してる人には、ハイヒールが多いんだ。

 それはもちろんミヤビさまのシュミ。

 なのでなぜかハイヒールの方が、かかとがぺたんこのブーツより安定するんだよねぇ。


「これは、もう決まりでしょうか?」

「はいっ とりあえず、そこの窓から中をみてみましょう」


 そうして、ぼくらが部屋の中を覗いてみると、


(あっ あれは!)


 あの時の女性神官が、部屋の中にいた。

 しかもその両手両足を縛られ、椅子に座らされている。

 そして目隠しと猿ぐつわをされていて、椅子にくくり付けられているみたいだ。


「ま、まさかすでに入れ替り済み?」

「なら助けなきゃ!」


 そうしてぼくらは玄関のドアに手をかける。

 それにはカギもかかっておらず──


「あいてる──クリスくん?」

「はいっ」


 バンっ


 剣を構えると、ぼくらは扉を開けて一気に部屋に踏み込んだ。


「んむ~~~っ!」


 物音に驚くも、身体をねじって助けを求める神官さん。

 ひとまず目隠しと猿ぐつわを外すと──


「たっ 助けて!」

「もう大丈夫ですっ 助けに来ました!」

「た、助かった──え? なにこの格好!? えっ えっ! な、なんでアタシ、神官の装備してんの!?」

「落ち着いてっ まずあなたは誰で──」


 バタンっ


 その時、ぼくたちの入ってきたドアが閉まった。

 そして──


 ドカンッ!


「なっ!」

「きゃぁ!」


 壁を突き破って現れたそれは──

 ひとことで言えば【巨大なライオン】!

 しかも前脚が2対ある6本足で、背中にはコウモリのような羽が生えていた!


「うふふ 残念ですが、ここでお別れです。ではさようなら、アプリルさんにクリスくん」


 ドア越しに聞こえてくる、そんなセリフ。

 それはアマーリエさんの声で、そういったんだ。

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