表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ママとビキニと、かわいい英雄  作者: 身から出た鯖
第2章 ルシアママは、エルフの魔法騎士
66/92

066 やっぱりこれ、あの【悪霊】のしわざ?

「なんと、御姫様(おひいさま)と姫巫女様が、」

「お互いになりきって、生活を?」


 あ、ぼくたちは今、冒険者ギルドに来ています。

 それで街のなかの人たちで、唯一ぼくたちの【入れ替り】の事情を知ってるミラさんとマハさん。

 このふたりに、その後のことをお話に来たんだ~


「はい、ミヤビさまから【神託】として、もとに戻れる魔法をいただいて~」

「ですが元に戻る前に、お互いの魂を馴染ませる必要があるんです」

「でないと、魂がぬけ出ちゃうみたいで」


 ミラさんとマハさんには、あの【悪霊】が逃げ出したあと?

 アイナママと5人でしっかりお話したから、だいたいの事情はしってるんだ。

 でも、入れ替わり生活まではさすがに知らなくて、すごく驚いてるみたい。


「さ、左様にございますか」(ちらっ)

「そ、それは難儀にございました」(ちらっ)

(ん?)


挿絵(By みてみん)


 なんだかミラさんとマハさんが、ぼくをちらちら見てる?


(なんだろ、あっ もしかして? まえにルシアママがいってた──)

『おかげで滞在最後の晩には、アプリルに夜這いをかけられたからな』


 それを心配してたりする?

 けど今のアプリルさんは、ぼくのカラダなんだ。

 もしアプリルさんがぼくのカラダで【夜這い】したら、


(なんだかそんなこと、考えてそうな気がするなぁ)


 でもじっさいは、それに近いこと、しちゃってるんだよねぇ

 しかもママたちも、ノリノリのニッコニコで~

 でも、さすがにそこまではミラさんたちには話してないから、


「大丈夫ですよ? ミラさん、マハさん。ごしんぱいするようなことは、なにもありませんから」


 そう、ぼくがいってあげたら~


「左様にございますか」(すん)

「それは良うございました」(すん)

(えー)


 なんで『それはそれで物足りない』みたいなお顔、してるかなぁ。


 ◇◆◆◇


「うぅ クリスくんっ 最近、ミラとマハばっかり! もう私に飽きたんですねっ うぅ、ひどいぃぃ!」

「えー」


 そしてアマーリエさんの席に顔をだしたら?

 アマーリエさんがめそめそ泣きながら、ハンカチを噛んでました。


「く、クリスくん、これを」(ひそひそ)

「わかりました、では打ち合わせどおりに」(ひそひそ)


 ぼくはテーブルの下で、アプリルさんにセッケンを渡した。

 あらかじめアマーリエさんにあげるつもりだったから。


「こほんっ アマーリエさん? それはちがいますよぉ?」

「クリスくん」

「改めて紹介しますね? こちら、エルフの森からいらした、アプリルさん」

「あ、アプリルです、はじめまして! あなたがアマーリエさんですね?」

「あ、はい、はじめまして?」

「えへへ クリスくんから『すごく素敵な人』だって聞いてましたから。お会いするの、楽しみにしてたんです」

「まぁ、クリスくんっ」


 おぉ、アマーリエさんのごきげんが、よくなった!

 じゃああともうひと押し。

 ぼくはアプリルさんに、こっそりウインク。

 するとアプリルサさんがぼくのカラダで~


「ほら、アプリルさんって、エルフの森からのお客さんでしょう? だからどうしても、事情に詳しいミラさんたちと話す必要があって」

「そ、そうですよね? なのに私ったら」(ぽっ)

「だからぼくもすごく寂しかったんですけど」

「えっ」

(えっ)


 あ、アプリルさん? いったいなにを──


「やっぱり、こうしてアマーリエさんの笑顔を見てるとぼく、心から貴女がぼくの担当でよかった、そう思うんです」

「く、クリスくぅん」

「だから、アマーリエさん?」

「は、はひっ」

「だからあんな寂しいことを言わないで、これからもずっと──ぼくの担当で、いてくれますよね?」

「はいぃぃ♪」

(ちょっ! アプリルさぁんっ?)


 そりゃあぼく、言いましたよ?

『ルシアママみたいなかんじで、おはなししてください』って!

 ルシアママ、あいての良い所ところを見つけて、ほめるのが上手だから?

 アマーリエさんにもそうしてほしいって、いいましたけどぉっ!


「あぁ これ、ぼくからの贈り物です」

「まぁ セッケン、しかもこんなに?」

「アマーリエさんにはいつも、素敵な女性であり続けていてほしいから」

「あぁ、クリスくぅんっ そんな嬉しい事、言われたら私っ 私ぃぃぃ、んっ」びくんっ


 い、いまの【びくんっ】ってなにぃ?


(っていうかアプリルさんっ! それじゃまるでぼくっ ホストみたいだよぉっ?)


 ◇◆◆◇


「ふうっ ぼく、やりとげました!」

「うぅ やりすぎですよぉ~」


 アマーリエさんが【お化粧なおし】に席を立っちゃったから?

 とりあえずふたりきりでおはなししてるぼくたち。


「けど? あのアマーリエさんって、ぜったいにクリスくんのこと、好きですよね♪」

「な、なんのことだかわかりませんのだ」

「うふふっ じゃあ、そういうことにしてあげますね?」


 もうやめて! ぼくのお顔でそんなかわいいポーズするのっ


(それに、アマーリエさんはぼくを──)


 受付嬢として応援してくれるから、あの対応だし?

 そもそもぼくみたいな歳下の男のコを、アマーリエさんみたいなステキな人が好ききになるわけないし?


 なんて考えているぼくを、ニヨニヨみてるアプリルさん、

 ホント女の人って、コイバナが好きだよねぇ


「んふふ 失礼しました、クリスくん」

「あ、アマーリエさんっ」


 って、ビキニのショーツの方、ちがうのになってません?


「ところで、アプリルさん?」

「あ、はい」


 アマーリエさんが、アプリルさんであるぼくに話しかけてきた。


「あなたは、魔法をお使いになるのですか?」

「はいっ 風の精霊魔法を少々」

「やはりエルフの方は、精霊魔法をお使いなのですね」

「ええ、ですがそのぶん【元素魔法】が使えませんし」


 これはルシアママがいってたことだけど? そもそもエルフの人たちは、元素魔法が使えないんだ。

 というか? エルフの女の人は、そのほとんどが精霊魔法を使えるんだって。

 人族は、男女込みで2割くらいしか使えないのに、すごいよねぇ


「なるほど、それでアプリルさん? その、少々立ち入ったお話をさせていただきたいのですが」

「はい、なんでしょうか?」

「あなたの魔力──すなわち【MP】(マジックポイント)の総量ですが、それはどの程度あるのでしょうか?」

「MP、ですか?」

「ああ、もちろんコレは冒険者ギルドとしてお伺いしており、その口外はぜったいにいたしませんので」

「あ、はい」


 ちらりとアプリルさんを見れば、ちいさくうなづいてくれる。


「はい、おおむね600くらいでしょうか」

「それは、すごいですね。人族の魔法使いならレベル40台、【達人級】クラスですよ」

「いえ、私自身はレベル22ですし──」

「あ、アプリルさんのおうちは、代々MPが多いんだそうですよ?」

「なるほど」


 アプリルさんが、そうフォローしてくれた。

 そういえば、ミラさんたちもいってたっけ。


『大宮司の氏族はそれに次ぐ豊富な魔力を持ち、その宗家長女にございます』


 そう考えるとアプリルさん、やっぱりエルフのなかでもすごいひと──エルフなんだなぁ


「ですがアプリルさんのMP量が、どうかしたんですか?」

「いえ、実は注意喚起をさせていただこうかと」

「ちゅういかんき?」

「これは調査中のことなのですが……最近ケストレルの街で【魔法使い】が襲われる事態が頻発していまして」

「「えっ!」」

「しかも襲われるのは、決まって魔力量の豊富な女性です」


 こ、これって!


「その手口は現在調査中ですが、【エナジードレイン】の様な術で、被害者の魔力を吸い尽くしているようです」

「ま、魔力を」

「吸い、尽くす」

「当然、魔力を奪われた被害者は昏倒し、目覚めた後もひどい【枯渇酔い】に苦しんでいます」

「ひどい!」

「幸い、命には別状がないものの、数日は寝込むことが多い様です。ですから現在、魔法使いや神官の方には十分な注意を促しているのですが」


 また、アプリルさんと互いに視線を合わせる。

 やっぱりこれ、あの【悪霊】のしわざ?


「アマーリエさん? 犯人の目星は」

「残念ながら。ですが被害者の証言によれば、派手な魔法などの気配はなく……マジックアイテム、もしくは特殊なスキルでの効果ではないか、と」

「そう、ですか」

「そして犯行は、おおむね夜間ですね。やはり人の目が少ない時間を狙っているようです」


 あの【悪霊】がいわゆるゴースト系の魔物なら、【エナジードレイン】のスキルを持っていてもおかしくない。

 そしてそれを、何度もやっているということは──


(魔力を集めて【6体の魔物】に使おうとしているのかもしれない)


 アプリルさんは『ダンジョンの最深部にいる様な、強力な魔物』っていってた。

 なら全部を復活させるには、相当な量の魔力がいるはず。


(なら、それを集めきる前に【悪霊】を討伐しないと!)


 ぼくたちはアマーリエさんにお礼をいって、ギルドからおいとますることにした。


 ◇◆◆◇


「ど、どうしましょうか? やっぱり私たちが街ではりこんで【悪霊】を討伐するしかっ」

「ですが、ぼくたちだけで、大丈夫でしょうか?」

「う~ん」


 ちょっと、かんがえるぼく。


「ホントはおうちに帰って、アイナさまを呼んだほうがいいと思います。アイナさまなら、悪霊を神聖魔法で浄化できると思いますし」

「そ、そうですよね!」

「でも私たちじゃまだ、アイナさまを運んで飛べないし」

「な、ならルシアさまに──」

「悪霊かもしれない以上、ルシアさまは呼べませんよぉ」

「そうでした!」

「それに『送ってもらってありがとう、じゃあ帰って?』 そういって、ルシアさまが帰ってくれるとは思えませんし?」

「で、ですよねー」


 うん、ぜったいにゴネてスネちゃうよねぇ


「あっ じゃあこういうのはどうでしょう? ぼくたちふたりで、アイナママを運ぶんです!」

「あっ さっすがアプリル──じゃなくてクリスくん!」

「えへへ~」


 アプリルさんのいうとおり、ぼくたち二人がかりならぜったいにイケそう!

 きっとひとりのときよりも、風の精霊さんが集まってくれるはず。


「あっ なら…もしかしたら? ぼくたちふたりで手をつないで飛べば……もっと速くなったりしませんか?」

「天才がここにいるぅ!」


 ぼくたちはお互いにうなづき合うと、街の門にむかって駆けだした。

 そして街を出て、少し離れたところで──


「シュミンケ!」


 ぱぁぁぁっ


 ぼくのカラダが虹色に光って──


「セーラーコス☆美少女戦士! エルフィー・シルフ! 風にかわってぇ、おしごとですっ」


 きゅぴーん☆


(うぅ…なんで毎回っ このポーズとセリフ、かってにしちゃうのぉぉ!)

「さぁアプリルさんっ いきましょう!」

「あ、はいっ」


 ぼくたちは空に浮かび上がると、手をつないで──

 そのままおうちにむかって、最高速度を目指して飛び始めた!


(わっ 速いぃぃぃ!)


 そして【万物真理(ステータス)】の表示速度では、なんと時速180キロ。

 その速度は、ビキニを装備したルシアママよりも速かったんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ