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ママとビキニと、かわいい英雄  作者: 身から出た鯖
第1章 アイナママは、もと【聖女】
29/92

029 私、ご両親との同居もオッケーですよ?

 担当を務めていたアマーリエ受付嬢チーフ(22)は、この時の様子をこう語っている。


「アイナ様のビキニ──ですか?」

「ええ、覚えていますよ、何もかも」

「あんな衝撃を受けたのは、受付嬢をやってて初めてでしたからね」

「え? 大げさじゃないかって?」

「はぁ~ やっぱりあなた達は判っていない、アイナ様のすごさを』


「それは、あなた、私もいろんなビキニを見てきましたよ?」

「その中には明らかに【自分のレベル以上のビキニ】を装備してる方もいました」

「別に違反ではありませんし、とやかくいうつもりはないんですけどね」

「彼女たちにしてみれば、ちょっと見栄を張りたかったんでしょうし?」

「小さいビキニこそ、高レベル冒険者の証ですから」

「とはいえ、こちらはギルドの職員ですよ?」

「その方のレベルが、ビキニと合っていないことなんてお見通しです」

「言わせてもらえば、ただの露出狂みたいなものですよね」

「本来、その小さなビキニを装備する資格がないんですから」


「ですが、これはアイナ様のお話ですよね?」

「私もそのビキニを見て、一瞬なにが起きているのか、判りませんでしたよ」

「こう、ただただ広い真っ白な丸いキャンパスに、小さな黒い三角形がふたつ」

「理解に苦しみましたね、なんだろう、このアンバランスな対比は? と」

「そうしたら、アイナ様のおっぱいだったんですよ」

「受付嬢をやっている訳ですから、当然アイナ様のお姿は何度も拝見しています」

「しかしビキニと神官服では大違い、しかもレベル50台の【英雄級】ビキニ」

「なんというか、そのおっぱいの存在感も、ビキニが持つオーラも全てが本物」

「受付嬢の私が言うのも何ですが、ちょっと──いえ」

「すごく憧れちゃいますよね、女として」


 ◇◆◆◇


「たぁっ!」

「キュゥゥゥ、」

 ぱぁぁ


 ぼくが魔物を斬ると、その身体はまっぷたつ。そして光になった。

 そして魔石を落とし、その数を減らしてゆく。


「ふう、やった! これで18個め」

「あぁっ クリス、がんばって!」


 ぼくの後ろではアイナママが、はらはらしながら見守ってくれてる。

 そしてぼくが相手をしてるのが──この前の【アイスゴースト】だったんだ。


「じゃあ、こんどはこっち!」


 さっきとは別のアイスゴーストに剣をふるうぼく。


「えいっ!」

「キュゥゥゥ、」

 ぱぁぁ


 またもや成功 これで19個!

 しかも、だんだんコツがつかめてきた。


(やっぱりこれも、スキルのおかげだよね)


 そしてなぜ、ぼくがまた、アイスゴーストの討伐をしてるかというと──


 ◇◆◆◇


 しばらく前──冒険者ギルド


「アイスゴーストの討伐、ですか?」

「はい、この前ぼくがうでわを拾ったところの、アイスゴーストです」

「その、『なぜ?』と、お聞きしてもよろしいですか?」

「もちろんです。ええと、あの場所って、いつもアイスゴーストが出るんですよね?」

「はい、いわゆる【湧き】のポイントがあるらしく、あの場所は、常にアイスゴーストが発生し続けていますね」

「ですからあの場所は、ほとんどの人が近づけなくなっちゃってますよね?」

「ええ」

「だから、あそこにアイスゴーストが湧かなくなれば、いろんな人が助かるんじゃないかなー? って」

「さすがはクリスくんです! その、実は」

「あ、あるんですね?」

「はい。厳密には依頼ではないのですが、ギルドが指定した【特定魔物発生地域】の対象地に設定されています」

「えっと、とくていまもの──」

「ええ、つまり」


『ここの土地はいつも決まった魔物が出て、ぜんぜん開発とかできないなー』

『でも、だれも討伐依頼を出してくれないなー』

『じゃあ、ここを誰か討伐してくれたら、ギルドがお金あげちゃおうかなー』


「という感じですね」

「わかりやすい」

「ただしこの場合、【討伐】ではなく【根絶】が条件になります」

「こんぜつ」

「その発生原因を特定・対処して、二度とそこから同じ魔物が湧かなくなること、ですね」

「なるほどー」

「しかし、クリスくんはレベル4ですよね? アイスゴーストは単独でしたら討伐推奨できるレベルなのですが、今回のような大量に湧き出る場合は、そのぉ」


 あ、今の【レベル4】って数字は、ぼくの【擬似的な冒険者レベル】のことなんだ。

 ぼくが初めてギルドに来たとき【レベル1】【魔物の討伐経験値ゼロ】に偽造してたでしょう?

 で、あの日から今日まで、ぼくが討伐した魔物の経験値をぜんぶ足したら、今どれくらいのレベルになってるの?

 って【万物真理(ステータス)】に聞いたら、【レベル4相当】っていわれたんだ。


(ホントはレベル63のままで、ぜんぜんレベルアップしてないけどね~)


 とはいえ、ギルドやアイナママたちには【順調にレベルアップしてる】って、見せないといけないし?

 ウソになっちゃうけど、これはしかたない。うん。


「でも、パーティーにアイナママがいたらどうですか?」

「うっ ずるいです、クリスくん。アイナさんを基準にしたら、あらゆる魔物が討伐推奨になっちゃいます」

「でも、それだけ安全ってことですよね? しかもアイナママなら」

「うふふっ ママ、アンデッド系の浄化なら、ちょっと自信があるわ」

「アイナさんはアンデッド系討伐の超エキスパートじゃないですかっ しかも神官女性の最高位【聖女】様ですし!」


 ◇◆◆◇


 と、いうわけで~

 アマーリエさんも折れてくれて、ぼくはこの前のアイスゴーストに再挑戦中!

 あ、いま着てるフカフカの毛皮のショートコートと帽子は、アマーリエさんが借してくれました

 だから女のコ用のなんだけど、なぜだかぴったり。

 ()せぬぅ。


「たぁっ!」

「キュゥゥゥ、」

 ぱぁぁ


 アイスゴーストは、とにかく剣をよけまくるし、よけたらよけたで【氷結】の魔法を放ってくる。

 そしてヘタに斬りつけると、分裂しちゃうという超やっかいな魔物。

 なのに基本弱いから、魔石のお値段もすっごくお安いという【貧乏くじ】。

 だからアイスゴーストの討伐は、とにかく冒険者に人気がないんだ。


(けど剣の練習相手としては、最高かも──ねっ!)

「キュゥゥゥ、」

 ぱぁぁ


 アイスゴーストの弱点は、炎系の魔法と浄化系の魔法。

 だからいざとなったら【ホーリーブレス】をアイナママにお願いしてるけど?

 今のところ、なんとかなってる感じ~


「よっし! 30個いったぁぁ」


 剣で倒すコツは、とにかく速く、そしてコンパクトな振りで斬ること。

 そしてちょうど半分くらいのサイズに斬ること。

 逆に、大ぶりで斬りつけると避けられるし? 中途半端なサイズに斬ると、分裂してどんどん増えちゃう。


(しかもアイスゴーストが【湧く】原因、わかっちゃったし~)


 例によって【万物真理(ステータス)】に聞いたら? わりと大きめな魔石が地面の中に埋まってるみたい。


(うん、うでわが探せたんだもん。それくらいできると思ったけど~ ぼくの【万物真理(ステータス)】さん、ホント有能すぎない?)


 とはいえ、これで安心して剣の練習にはげめる。

 アイスゴーストも、ていねいに倒していけば、こわい魔物じゃない。

 ぼくはそんなおきらくな【練習モード】で、もくもくと討伐し続けるのでした~


 ◇◆◆◇


(ふうぅ、やった! 100個まであと2体!)


 あれから、ちょっと【湧き】が悪くなってきたので、休憩をいれつつ、2時間くらい討伐をし続けたんだ。

 いまのところ、空振りしての魔法攻撃はゼロ。

 分裂は4~5回くらいさせちゃったけど、すぐに倒したからぼくへのダメージはやっぱりゼロ。

 だけど、


「………………(´・ω・`) ショボーン」

(うわ、アイナママがとってもしょんぼりしてるぅっ)


 もしかして、ぼくがケガしないのは嬉しいけど。

 ぜんぜん出番がないのも、やっぱりさびしいの?


(うん、じゃあもう、練習はいいかなぁ あと2体討伐したら──)

「せいっ! やっ!」

「キュゥゥゥ、」「キュゥゥゥ、」

 ぱぁぁ ぱぁぁ


 そしたらぼくは、


「ていっ やぁっ あぁっ しまったー(棒)」


 わざと中途半端に切りつけて、アイスゴーストを一気に増やした。

 そしてアイナママを振り返って──


「あ、アイナママっ お願いっ たすけ──」

「【ホーリーブレス】♪」


 パァァァァァ


 アイナママが杖を掲げて神聖魔法を放つ。

 そのしぐさでおっぱいが【ばるんっ】って揺れた。

 そしてレニーさんの【ホーリーブレス】とは、段違いに明るい光が広がって──


「まぶし! って、倒した魔物がぜんぶ【聖水】をドロップしてる!」

(もうアンデッド系は、全部アイナママひとりでいいんじゃないかな)


 するとアイナママはぼくに駆け寄って、


「もう クリスったら。あれほど油断をしてはダメっていったでしょう?(ニコっ)」


 アイナママ、とってもうれしそう。


「ごめんね? アイナママぁ」

「うふふ でもクリスが無事で、ほんとうに良かったわ(ニコニコっ)」

(うぅ、アイナママの純粋な笑顔がまぶしいっ って、じゃあいまのうちに)


 ぼくは【万物真理(ステータス)】に教えてもらった魔石を掘り返すと、


「アイナママぁ さっきから魔物が湧くところ掘り返したら、とんでもないものを見つけちゃったぁ、どうしよう(棒)」

「まぁっ 大きな魔石、きっとそれが原因ね」


 アイナママはぼくにその魔石から離れるようにいうと──


「【リザレクト】!」


 キラキラキラ


 アイナママの放つ神聖魔法が、その魔石にふりそそぐ。

 その聖なる光に包まれて、魔石が【浄化】されてゆく。


-------------------------------------

【リザレクト】

 種別:神聖魔法

 状況:常時

 対象:術者、対象者、魔物

 効果:神々の神聖なる慈悲の力で、戦闘不能の者を回復することができる魔法。

    (死者の復活ではなく、あくまで戦闘不能のみ)

    また死霊、もしくはアンデッドに対しては、強力な浄化作用がある。


-------------------------------------


「あっ 見てぇ アイナママっ」


 すると魔石の上側に、ひとりの女性の姿が浮かびあがった。

 けれどその姿は半透明で、そして白い髪に褐色肌。

 そしてその頭には、ヤギさんみたいな角が生えていた。


「あれは、【魔族】?」

「そう、ですね」


 けれどその魔族は穏やかな笑みを浮かべると、そのまますうっと消えてしまった。


「天に、召されたのかな?」

「魔族の魂が、人族と同じ天に召されるとは考えにくいですが……それでも今の女性は、召されるべきところへ向かったのでしょう」

「うん、だよね」


 【魔族】は魔物と同じく、その身体に魔石を持っている。

 邪神の眷属ともいえる、人族の天敵なんだ。


(そしてかつての【魔王】も、魔族のひとり。だから魔族は勇者のカタキ。アイナママ、きっとふくざつな気持ちかも)


 ともあれ、これでもうアイスゴーストが沸くこともない。

 ぼくはその魔石をしまって、ようやく依頼達成を実感した。


 ◇◆◆◇


 ゴトン!

「はい、アマーリエさん これ原因の魔石です」

「えっ」


 ジャラララっ

「それからこっちは、アイスゴーストの魔石です」

「えっ えっ」


 ぼくとアイナママは、依頼達成の報告のために、またギルドにきてる。

 そして魔石をわたしたんだけど?


「あのっ これをクリスくんが?」

「あ、ハイ。大きい魔石の浄化は、アイナママがしてくれました」

「こほん、探し出したのはクリスですよ?」

「えへへ~ あとアイスゴーストの魔石は、100個がぼくのです。残りはアイナママが魔法でサックリ倒してます」

「うふふ」

「で、ではアイスゴーストを、クリスくん単独で100体、ですか?」

「そうですけど? あっ コート、ありがとうございます。いちども魔法をもらわなかったんで、汚れてないと思いますぅ」

「ま、魔法も受けなかったんですかっ?」

「はい、ぜんぶまっぷたつに斬っちゃいましたから」

「あの【塩漬け中の塩漬け】な面倒な依頼を、たった1日で達成してしまうなんて……クリスくん! すごすぎですっ」

「えへへ、てれちゃいますぅ」


 アマーリエさんにほめられちゃった。

 とってもうれしい。


「その、クリスくん? 歳上の女性に興味はありますか?」

「………………え?」

「そのぉ 私、家事には少々自信がありまして」

「はぁ」

「そそ、それに私っ ご両親との同居もオッケーで──」

「コホンっ アマーリエさん?」

「はひっ アイナ様っ!」

「クリスはまだ、そういったことを考えるには早すぎます」

「しっ しかし!」

「それに、そういった話は、まず母である、わたしを通していただかないと(ニコっ)」ゴゴゴゴゴ……

「ひぃぃぃっ」


 そんあアイナママの【笑顔の威圧(ゴゴゴゴゴ)】に、アマーリエさんは、また。


「ちょっ アマーリエさんっ 土下座とかホントにヤメてよぉっ?」

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