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ママとビキニと、かわいい英雄  作者: 身から出た鯖
第1章 アイナママは、もと【聖女】
28/92

028 やっぱりアイナママはスゴかった

「──では、あの光は単なる発動試験であった、と?」

「は、はいぃ」


 アイナママと、初めて山に行ったその日の晩。

 レニーさんたちのパーティーが、慌ててぼくたちのおうちにやってきた。

 その理由は、まぁ?


(やっぱりきょうの【最上級防壁魔法(アスガルド)】、だよねぇ? あの光、すごく高いところまでとどいてたし?)


 そんな大規模魔法が発動しちゃったものだから、それが見えたケストレルの街でも大さわぎになっちゃって~

 冒険者ギルドが、あわててレニーさんたちのパーティーを向かわせたみたい。


「その、お騒がせしてしまい、申し訳ありません」

「いえ、そういう事でしたら」


 お話してるのはレニーさんひとりで、他のひとたちはお外で待機してるみたい。

 やっぱりレニーさんが、アイナママと親しいからかも。

 でも、さすがのアイナママも今日はちょっとしょんぼりぎみ?


「その、わたしも久しぶりの現役復帰でして」

「はい、それは聞き及んでおります。ご子息のギルドでの活動を、補佐監督されるとか。たいへんご立派な行いかと」

「いえ、その、恐縮ですぅ」

「それで、あの魔法ですが、ギルドへの報告義務がございますので、差し支えなければ」

「あれはアスガルドです」

「あ、アスガルド?」

「はい、わたしの扱える最上級の魔法ですので、念の為にと」


 アイナママ? あれ、タヌキさん相手に使ったよね?

 ぜんぜんテストとかじゃなかったよね?


「も、もしやそのアスガルドを、お一人で?」

「ええ、そうですけど?」

「あ、あれは何人もの高位神官が、同時詠唱するものでは──」

「ちょっとしたコツがあるんですよ? 確かに複雑で、面倒ではあるのですけれど」

「は、はぁ」


 う~ん、自分も高位神官なレニーさんが、どん引きしてる。

 やっぱりアイナママの神聖魔法って、すごいんだなぁ


(そうだ!)

「ねぇ? レニーさんはアスガルド、使えるんですか?」

「ん? あたしかい? 一応ね」

「すごい!」

「とはいえ、あたしの時は5人での同時詠唱だけどね。しかもその1回で魔力はすっからかん。枯渇酔いで、次の日は寝込むハメになったけどねぇ」

「そ、そうなんだ、あ、それってビキニを装備して、ですか?」

「そうさ、やっぱりビキニがあるとなしじゃ、大違いだからね」

「やっぱり! ビキニって魔法を使うのに、ホントに効果あるんですね~」

「ああ、あたしも思うところあってしばらく装備しなかったけど、使ってみればやっぱり全然違ってねぇ 今思えば、パーティーの連中にも迷惑をかけちまったね」

「そんなすごいんだ?」

「そうさ。魔法を使う女が冒険者をやるなら、もはや避けて通れないだろうね」

「へ~」(ちらっ)

「………………(ふんふん?)」


 ふとアイナママを見てみれば、興味しんしんで聞いてるみたい。

 アイナママ、ビキニには自信ないみたいだし?

 ここはレニーさんにもっとおはなし、聞いちゃおう。


「それにレニーさん、街で女の人たちにビキニ、ほめられてましたもんね~ すごくかっこいいって」

「く、クリス、アイナ様の前で──」

「あら、いいんですよ? うふふ」

「ぼくなんか、女のコとまちがえられて『いまどきビキニじゃないんだ~』なんていわれちゃたしー」

「今じゃ冒険者じゃなくても、ビキニは多いからねぇ、と、そういえば。聞いたよ、装備を整えたんだってね?」

「えへへ~ よくしってましたね?」

「アマーリエに聞かされてね、さんざん自慢されたからね(ぼそ)」

「おぅふ」

「ま、それはともかく、やっぱり装備は大切だよ。命がかかってるからね」

「ですよねー(ちらっ)」

「………………(フンス!)」


 そんなレニーさんのお話を聞いて、アイナママも決心がついたみたい?

 でもその日はとってもごきげんで、レニーさんたちとぼくたちに、すっごいごちそうが出たのでした。


 ◇◆◆◇


「【ライトヒール】!」


 パァァァッ


 アイナママの杖から温かい光がぼくにふりそそぎ、ぼくがした腕のケガが、まるで最初からなかったみたいに消えてゆく。


「ありがとう、アイナママ」

「もうっ 油断をしてはダメでしょう? クリス」

「はぁい、ごめんなさい」


 アイナママのいうとおり、ちょっと油断して、ケガしちゃった。

 ホントはたいしたケガじゃなかったけど?

 アイナママはぼくに駆けよって、すぐに治してくれたんだ~


-------------------------------------

【ライトヒール】

 種別:神聖魔法

 状況:常時

 対象:術者、対象者

 効果:神々の神聖なる慈悲の力で、対象者の減少したHPを回復させる魔法。

    その効果は弱いものの【初級回復薬】よりは若干高い効果がある。

    また死霊やアンデッドに対しては、ダメージを与えることが可能。


-------------------------------------


「はい、これでいいでしょう」

「クリス? くれぐれも気をつけてね? でないと」

「でないと?」

「クリスにも、ビキニを装備させちゃいますからね?」

「それはイヤぁ!」

「うふふ。 じゃあ気をつけましょうね?」

「はぁい」


 なんて感じで、今日もアイナママと一緒に魔物討伐です。

 そしてぼくたちの前には、何匹ものオオカミが倒れていた。


(ごめんね? オオカミさんたち。でもこの山には、村の人たちも入るから)


 お昼ごはんを食べていたぼくたちを、おそってきたオオカミさんたち。

 悪いけど、ぜんぶ返りうちにさせてもらいました。

 それこそ、アイナママがまたアスガルドを発動させるかと思ったけど、


『だいじょうぶ!』


 そういうぼくをママは信じてくれて、防壁を張らずに見守ってくれたんだ。


(ここでケガしなければ、かんぺきだったのになぁ でもアイナママに怒られるのは、やっぱりうれしいや)


 ぼくが小さな頃からずっとそう。

 ぜったいにアイナママは、意味なく怒ったりしない。

 アイナママが怒るのは、ぼくを心配してくれるときだけだから。


「でも、アイナママのビキニはとってもおにあいだし、ステキだよ~」

「もう、クリスったら」

「ホントだもーん」


 そしてアイナママは、だいぶビキに慣れてきた。

 さすがにレイナちゃんにはまだ、見せたくないみたいだけど?

 村の人たち──とくに山に入る人たちには、もうビキニを見せてる。


(もっとも? この村の人たちは、アイナママをすっごくそんけいしてるから、ぜったいにヘンな目で見たりしないけどね~)


 そしてぼくも【筋力】や【攻撃力】の低さをなんとかできそうだった。


(あとは、もっと大きい魔物でためさなきゃだけど? さすがにそんなところには、アイナママが連れていってくれないだろうし?)


 こんどの魔物討伐は、ギルドの依頼を受けるつもりなんだ。

 だからアイナママも、初めてビキニで街に行くんだけど、


(アイナママ、だいじょうぶかなぁ?)


 ◇◆◆◇


「ね、ねぇ あれアイナ様じゃない?」

「え? ホントだ! しかもあれ、ビキニ!」

「うわぁ」


 街にやってきぼくとアイナママは、やっぱりすごく目立ってました。

 それはもう、アマーリエさんたちギルドの受付嬢が、そろって街を歩いたときみたいに。

 街の人たちがさぁっと割れて、いっぱい見られてる。

 けど──


「ステキ! まるで女神様が降臨されたかのよう」

「ホントっ 憧れちゃう~」

「そういえば、この前のあの【光の柱】って──」

「ああ、聖女様が放った魔法ってハナシだろ? なんでも神殿の最高位魔法で、ホントは何人もの神官で唱えるヤツらしい」

「それをお一人で? ビキニの加護があるとはいえ、さすが聖女様!」

「あっ 隣にいるコ、アイナ様のお子さんよね?」

「そうそう! あのコが冒険者デビューしたんで、アイナさまが現役に戻って『何があっても守ります』って」

「それで強さをお求めに……さすがです、聖女アイナ様!」

(おぉう)


 とまぁ、おおむね好意的?

 とくに若い女の人にはモテモテみたい。

 もちろん男の人たちも、でれっとしたお顔でアイナママをみてるけど~


(でも、それもしかたない?)


 アイナママはただでさえ神殿最高位の女性神官【聖女】で、かつての勇者の従者にして【救国の英雄】。

 なのにとってもきれいで、おっぱいがおおきい。

 というか、ぼくはアイナママよりおっぱいがおおきい人を知らない。

 (※某露出女神さまは、人族じゃないので除外)


(なのに、そのアイナママが!)


 そのおっぱいに装備してるのは、レベル50台【英雄級】用のビキニ。

 レニーさんのレベル30台、【上級者】用のビキニも小さく見えたけど?

 アイナママのは、さらにちっちゃいんだ!


(ビキニアーマーはレベルが上がるにつれて、面積を小さくしていかないと、加護がおりないって聞いたけど……ん?)


 考えてみれば、アイナママはこの大陸に2人しかいない【英雄級】冒険者。

 と、いうことは、


(アイナママのビキニって、今まで誰も装備したことのない【前人未踏のちっちゃいビキニ】ってこと?)


 おかげでアイナママが、そのヒールの靴でコツコツと歩くたびに、

 【ぶるんっ ぶるんっ】って、おっぱいがあばれてるぅぅ!


「す、すっご! アイナ様すっご!」

「ただでさえ聖女様なのにっ あの美貌でナイスバディとか!」

「うぅぅ 天はなぜ、こうも不公平なのぉぉっ!」

「しかも見てよ! あのお肌の真っ白なこと」

「はふぅ ホント憧れちゃうわよねぇ あふん」

「あっ あたしもアイナさまと同じビキニ買う!」

「あんたレベル16でしょ?」

「しかもおっぱいは【初心者】級じゃん。アンタじゃあの着こなしはムリだって~」

「そーそー、その差を実感するだけよぉ?」

「ちくしょ~~~っ!」

(おぅふ)


 お、女の人たちにも、アイナママのおっぱいはスゴいんだ?

 なにはともあれ、アイナママをうっとりとして見てる人ばかりで、イヤな感じで見てる人は、ほとんどいないみたい。


(ホントこの十年で、ビキニアーマーってあたりまえになっちゃったんだなぁ)


 けれど、そんなアイナママはというと、


「………………(プルプルっ プルっ)」

(お顔をまっかにして、プルプルふるえてる!)


 そんなアイナママの手を、ぼくはそっとつなぐ。

 アイナママが、少しでも安心してくれるように。


「く、クリスぅ」

「アイナママ──」

「きゃぁんっ アイナ様のお嬢様っ カワユイ~」

「ホントぉ でも? ビキニじゃないのがまた、初々しくてイイわよねぇ」

「きっとおっぱいが小さいの、気にしてるのよ」

「あー、アレくらいの年齢だと、とくに気にしちゃうわよねぇ」

「でもアイナ様とおそろいのビキニ、着せてみた~い」

「ハァハァ は、激しく同意よ!」

「なにそれすっごくはかどる!」


 なんて声が聞こえてきて、


(ぼくは女のコじゃありませんのだ! というか、なにがはかどるの!?)


 ◇◆◆◇


 そして冒険者ギルドでも、


「………………」

「あ、あのぅ? アマーリエさん?」


 壁に張り紙をしてたアマーリエさんに、声をかけてるのに?

 アマーリエさんは、アイナママを見るなり固まっちゃって。


「ま、まま」

「ママ?」

「負けましたっ アイナ様には完っ璧に負けましたぁぁぁっ」

「ちょっ アマーリエさんっ 床に土下座とかヤメてよぉ!」

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