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ママとビキニと、かわいい英雄  作者: 身から出た鯖
第1章 アイナママは、もと【聖女】
25/92

025 アルタム商会へようこそ♪

「えっ そのっ アイナさん、それは……」

「ええ、今まで予備役という扱いで、ギルドに籍を置かせていただきましたが」

「そそっ そんなあぁぁぁっ アイナ様が、ついに引た──」

「また現役に戻らせていただこうかと──あの、アマーリエさん?」

「いえっ なんでもありませんわぁ うふふっ♪」


 あれから10日くらいたったある日。

 ぼくとアイナママはまた荷馬車に乗せてもらって、街にやってきています。

 それで、まずはギルドにお話を通しておこうってことで、アマーリエさんとお話させてもらってるんだけど~


「あの、やはりなにか問題でも?」

「い、いえっ とんでもありませんっ 問題どころか、ギルドとしましてはそうれはもう、大歓迎ですっ」

「そうですか? それはなによりです」

「それでそのっ やはりアイナさんの復帰の理由は、やはりクリスくんに関係が?」


 そういうとアマーリエさんは、ぼくのお顔をじっと見つめる。

 う~ん、あいかわらずの美人さんだなぁ。

 そしておっぱいがおおきい。


「ええ、クリスが今後も定期的に、ギルドの依頼を受けてみたい。そう申しますもので」

「あぁっ さすがはクリスくんっ もおっ、しゅき」

「はい? 今、なんと?」

「いえっ 何でもありませんわっ うふふっ」

「はぁ」

「そ、それでは今後。アイナさんもクリスくんとご一緒に、ギルドの依頼をお受けいただける、と?」

「ええ、ですがあくまでクリスが主体で。わたしはあくまでその補佐、という形で同行しようと考えています」

「なるほど、それではその、アイナさんへの指名依頼などは?」

「申し訳ありませんが、それはよほどのこと……人命がかかったような緊急事態にのみ、お受けさせて頂こうかと」

「あうぅ、つまりは現状維持、ですね」

「ええ(ニッコリ)」


 やっぱり救国の英雄の【聖女】が現役復帰なんてしたら? そりゃぁいっぱいお仕事が来ちゃうよねぇ


「いえっ それでもアイナさんの現役復帰には、あり余る価値があります!」

「あら、そうでしょうか?」

「もちろんですっ それにクリスくんは先日っ 長いあいだ塩漬けになっていた依頼を、見事に達成した期待の新人っ!」

「えへへ、レニーさんたちのおかげですよぉ」

「あぁんっ なんて謙虚なんでしょう そしてクリスくんっ」

「は、はひ?」

「今後もああいった難易度お高めの【塩漬け依頼】、お願いしちゃって、いいんでしょうか?」

「はいっ ぼくはできるだけ、困ってる人をたすけてあげたいんです」

「あぁっ もおっ もぉぉぉっ」

(うしさん?)

「はぁはぁ 失礼しました、つい興奮してしまって。うふふっ」

「あ、はい」


 そんなかんじでぼくたちは。

 これから7日から10日ごとに街にやってきて、ギルドの依頼を受けることになったんだ~


 ◇◆◆◇


「おー、ここが武器と防具のお店!」

「ええ、アマーリエさんにご紹介頂いたお店ね。ここはドワーフの店主さんが自ら、武器や防具を作っているそうよ?」

「すごいっ ドワーフさんかぁ」


 ファンタジー作品でおなじみの亜人種族【ドワーフ】も、この世界にはいる。

 主に鉱山の坑道に住んでいて、貴金属の発掘と鍛冶がおもなお仕事。


(ちょっとガサツでガンコ、そして強いお酒に目がないんだっけ?)


 そして魔法はいっさい使えなくて、重装備での力押しが基本です。

 大斧やハンマーが主な武器で、パーティーを組むとすっごく頼りになるみたい。

 ちなみに平均寿命は250歳くらいあるんだって。


(勇者のころはなんどか見かけたことがあるけど? おはなしするのは初めてだな~ 楽しみ)


 そしてぼくは、ついにぼく用の防具を買いにきたんだ。

 これからは、魔物と戦うことにもなりそうだし?

 ならしっかりと装備をととのえよう! ってことになったんだ~


(うふふっ この前のおちんぎんでお金もけっこうあるし? ちょっとお高くても、カッコいいのが買えるといなぁ)


 そんな期待をしながら、ぼくとアイナママがお店に入ると、


「うわぁ」

「あら、これはすごいわね」


 さほど広くないお店だけど、壁一面に剣や防具があったんだ。

 それこそ? お安い剣なんかは雑に箱に立ててあったり、逆にお高いのはカギ付きの格子戸のむこうに飾ってあったりと、いろいろだ。


(お~、【万物真理(ステータス)】? このお店でいちばん強い剣はどれ?)


 パッ!

-------------------------------------

【炎の精霊剣】


種 別:片手剣

制 限:【耐久度:78/100】

価 値:金貨21枚

性 能:【攻撃力+88】

    炎の精霊【サラマンダー】の宿りし火属性を持つ魔剣。

    特に火に弱い魔物には絶大な効果を誇る。


特 記:水に濡らすとストレスで夜泣きをする。

    その切ない泣き声に、良心を苛まれる所持者は多い。

    ただし水拭きによる清掃は問題なく、むしろ好む傾向にある。

-------------------------------------


(夜泣きするのっ? でも水ぶきは好きなんだ?)


 ともあれ、ぼくのもってるお金じゃもちろん買えない。

 もちろん買えるとは思ってなかったけどね~


「あのぉ ごめんくださーい」

「は~い」


 お店の奥から聞こえてくる高い声。

 そして店員さんらしい人が、こっちに歩いてくる。


「いらっしゃいませ♪ 武器と防具の店【アルタム商会】にようこそ」

「あ、こんにち──わ?」


 そこに現れたのは、ぼくと同じくらいの背の女の人。

 ううん、もしかして、女のコ?

 そんな感じの、小柄でややポチャっとした人だったんだ。


「ええと、ここの店員さん、ですよね?」

「ええ、そうですよ? ワタシがこの店の店主の【アルタム】です」

「店長さんっ?」

「あはは☆ よくそうやって驚かれますけどね~」


 だって、ぼくの知ってるドワーフは、いわゆる背が低くてガッチリとした、いわゆる【筋肉ダルマ】体型。

 肌は赤銅色に日焼けして、それはもうテッカテカ。

 そしてフッサフサのおヒゲを生やしてるイメージ、なのに。


「女でも、鍛冶の腕と目利きには自信がありますから、大丈夫ですよ」


 なのに、アルタムさんは肌はまっしろでポニョポニョ。

 体つきはややふっくらとして、とってもおっぱいがおおきい。

 胸のあたりまである髪をゆったりとみつあみにして、女性らしいぽちゃっとした童顔の丸顔で、ニコニコとほほえんでる。

 あえてドワーフらしいところをあげれば、


(背のひくいところと、おヒゲ?)


挿絵(By みてみん)


 そう、このアルタムさん、おヒゲ生えてるんだよね。

 しかもフッサフッサの。

 そんなアルタムさんにおどろくぼくだったけど、


「それで、今日のお客さんはあなたの方ですか? それともそちらの女性?」

「あっ ぼくの防具がほしくて」

「ああ、冒険者になったばかりな感じですか?」

「そうです。なのでなにを装備したらいいか、ぜんぜん」

「あはは☆ 最初はみんなそうですよ えっと、とりあえずあなたのレベルと体型なら、これかな?」

「ええと、これは?」

「ええ、入門者から初心者まで装備できる、ビキニアーマーですけど?」

「ぼくっ 男のコですけどっ!」

「えっ ウソぉっ そんな可愛いのに!?」

「か、かわいくなんてありませんのだ」


 って、アイナママ?

 なんでアルタムさんに『激しく同意』っぽくうなずいてるの!?


「え、ええと? たぶんあなたなら」

「えっ ぼくなら?」

「ビキニアーマー、加護がもらえると思うけど、装備してみない?」

「やーでーすー!」


 ◇◆◆◇


 そのあと。

 アイナママが過保護ぶりを暴走させて、フルアーマーを装備させようとしたり?

 あ、とうぜんサイズが合うのがなくて、お話にならなかったけどね~

 他にもいくつかサイズが合うのがあったから、試着してみたんだけど?

 ことごとくアイナママとアルタムさんが、


「これは、可愛くありませんね」

「ええ、クリスくんの魅力が半減ですね」

「って、それはダメな理由としてどうなの?」


 それで、アルタムさんがお店の奥から持ってきてくれたのが、


「これは、ちょっと【いわくつき】の防具なんですけどね」

「いわくつき?」

「ああ、もちろん【呪い】なんてありませんから」


 その防具が、これ。

 いわゆるオーダー品らしくって、上から下までのフルセット。

 鎧下アンダーウェアは落ち着いた紺色のセパレートタイプ。

 金属製の胸部アーマーと籠手(こて)は、すごく丈夫なのに軽くて、靴は革製のショートブーツでとっても走りやすいんだ~

 そして赤いショートマントを羽織って剣帯をつければ、すっかり軽剣士っぽいスタイルにしあがった。


挿絵(By みてみん)


「これは、いいですね」

「あー、もうこれで決まりですよねぇ」

「えへへ~ そんなにいいかな?」

「ええ、とても」

「はい、ばっりちりですっ」

「「すごく可愛いですよ」」

「だからっ どうして【かわいい】基準なの!?」

「だって」

「ねぇ?」

「うぅ、ぼく男のコなのにぃ」

「まぁまぁw でもその防具、軽くて着心地がいいでしょう?」

「あ、はいっ すごくいいです」


 胸と腕の金属プレートもすごく軽いし? なんというか、すごく身体が軽く感じるんだよね、これ。


「その防具一式はね? とあるお金持ちの商家が、冒険者である自分の子供のために、オーダーで作ったものなんですよ」

「そうなんですか?」

「ビキニアーマーほどじゃないけど、それ、魔法がかけてあってね?」

「まほうっ」

「【瞬発力】がアップする魔法なんです」

「なにそれすごい」

「でしょう? わたしがそのプレートを打って、ひとつひとつ原材料を吟味して……そして王都の一流の魔法使いに、バフの魔法をかけてもらったのに」

「え?」

「肝心のその子供さんが、ね」

「ま、まさか」

「ええ、モロに直撃しちゃって」

「あぁっ そんな」

「そういう訳でね? キャンセルになっちゃったんです、それ」

「それは~」

「事情が事情でしょう? だから前金はそのまま頂いちゃって。でも店先に並べるのもどうかと思って、しまっておいたんです」

「そんな理由が」

「とまぁ、これが【いわく】の理由なんですけど、どうですか? やっぱりイヤ、ですか?」

「それは……」


 悲しそうに目を伏せるアルタムさん。

 アイナママも手をそっと組んで、その人の冥福を祈っているみたい。

 けど、ぼくは──


「いえ、ぼく、この防具にします」

「いいんですか?」

「はいっ それにぼくがこの後、しっかり使ってあげることで、喜んでくれるんじゃないかって、思うんです!」

「クリスくん」

「きっと、その亡くなった人も──」


「えっ? その人、亡くなってはいませんよ?」

「えっ? でもさっき、直撃してって」

「ああ、それはね? 当たったのは、子種☆」

「はい?」

「あのね? そのお嬢さんが」

「おじょうさん!?」

「冒険者の彼氏とね? 婚前なのに、いたしちゃってね?」

「いたしちゃった!」

「それはもう、見事に直撃しちゃったんですって~」


 この時点で、アルタムさんはほっぺを染めながらくねくねしてるし?

 アイナママはふいって、目をそらしちゃうし!


「さすがにおめでたのお腹じゃ、冒険者は無理でしょう? だからそのお嬢さん、そのまま結婚して引退しちゃったんです」

「な、ななっ」

「という訳なの、どうかしら?」

「ええと、つまり、この防具は」

「あ、うん。女性用ですよ?」

「ぼくっ 男のコなんですけどっ」

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― 新着の感想 ―
[一言] つまり必中の加護がある防具!? (防具としてはどうなんだ?)
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