021 レニーさんとアマーリエさん
「うぉっ イイ女がハデなビキニ、キメてると思ったら……おまえレニーじゃねぇかっ」
「はんっ『じゃねえか』は余計だよっ それにあたしがイイ女だってのは、自分が一番よく知ってるさ」
「ははっ 違いねぇw」
(ふぉぉっ レニーさん、だいにんき!)
やっぱりレニーさん達のパーティーは有名みたいで、いろんな人に声をかけられてた。
「きゃぁぁんっ レニーさん、だいた~ん」
「それっ アルタム商会の新作モデルですよねっ かっこよ!」
「うわ~っ レベ30越えちゃうと、そんなサイズなんだぁ」
「でもでも?レニーさん腰細いから、すっごい似合う~」
「はいはい、オセジでも嬉しいよ」
「お世辞じゃないですぅ」
(すごい、レニーさん、もてもて!)
そんなレニーさんを見かけた若い女の人たちが集まって、あっというまにまわりをかこんじゃった。
「ねぇレニーさんっ それ、どーゆー心境の変化なんです?」
「あっ もしかして、落としたいオトコができたとか?」
「や~んっ そんなので迫られたらっ わたし堕ちちゃうぅぅ」
「んなワケないだろう? 仕事だよ、仕事」
「なぁん、つまんなーい」
「そんなマジモードで受けるよーな、ハードな依頼なんですかぁ?」
「ハードというか、いや、単にあたしの気合の問題だね。まぁ? 一種の護衛依頼みたいなモンなんだけど」
「へぇ~ またお貴族さま? それとも豪商とかですかぁ?」
「ああいや、あたしの尊敬する、とある人の家族でね」
「ほうほう?」
「ま、こんな年増でも、少しでもチカラになれるならってねw だから、いっさい出し惜しみナシでやることにしたのさ」
「れ、レニーさんっ かっこよっ!」
「うわぁぁぁ ステキすぎて、漏れそぉ☆」
「頑張って締めな?」
(な、なにをしめるのっ)
ともあれ?
他の女の人たちも、みんなビキニ。
というか、若い女の人はみんなそうみたい。
(ビキニって、ホント広まっちゃったんだなぁ)
そんなふうに、ぼくが後ろからレニーさんを見ていると。
「というワケで、クリス、おいで」
「あ、はい」
レニーさんがぼくを見て、おいでおいでをする。
なのでぼくはレニーさんの横に並んだ。
「この子はクリス、さっき話したあたしの尊敬する人の家族さ。さ、クリス?」
「あっ はじめまして。ぼくはクリスです」(ぺこり)
「え、この子──」
「ちょ」
「ウソぉっ」
そのとき、ぼくはお姉さんたちの表情が、そして目が。
すうっと静かなものになったかと思うと──
「「「やぁぁぁんっ かわいい~~~っ」」」
「ぎょっ」
「ちょ、何なんですかこのかわいいコっ」
「ね、ねぇ? 尊すぎて、手が震えるんだけどっ」
「ごごごっ ごめん、ちょっとだけ漏れ──」
「もっと頑張って締めな!」
「ふんぬぅぅぅっ ふう、セーフ」
「だ、だいじょうぶ、ですか?」
「あひ♪ い、いま、大丈夫じゃなくなった、かもぉ」
(なにがっ)
「とにかく! このクリスに今日明日、あたしが同行するから」
「同行っ」
「同伴じゃないの?」
「あんたたち? 万一、この子がひとりで居るような事になってたら、すぐに保護してあたしの所へ連れて来ておくれ」
「はいっ レニーさんっ」
「あのっ その際は、手とか触っちゃってもいいんでしょうかっ」
「ふむ、クリスが拒まなければ、手を繋ぐまでは許可する」
「マジですかっ」
「ごくりっ じゃ、じゃあその先は?」
「あたし自ら、キッツいお仕置きをする」
「ぐ、具体的にはどのような?」
「そうだねぇ」
「ごくりっ」
「今後、男に嫁ぐ気が起きなくなるくらいには、あたしに従順なカラダにしてあげるよ(ニコ)」
「そっ それっ してくださぁぁぁいっ」
「わたしたちの業界ではソレっ ご褒美ですぅぅ」
「あはぁ☆ 漏れましたぁ 完っ璧に、漏れましたぁ」
(なっ なにがっ?)
その時ぼくは、レニーさんに目をふさがれていたので?
なにが起きたのか、さいごまで判らなかったんだ。
◇◆◆◇
「あら? クリスくん」
「あ、アマーリエさん こんにちわー」
「はい、こんにちわ。それにレニーさん? その装備は──」
「はんっ 自分の歳もわきまえずに装備しちまったよ。笑いな」
「いえ、レニーさんは肌もお綺麗ですし、スタイルも抜群。よくお似合いですよ? そのビキニ」
「アンタみたいな美人の若いコにいわれてもねぇ ま、一応褒め言葉だとおもっておくよ(ニヤリ)」
「ええ、そう受け取ってくださいな(ニッコリ)」
(う~ん、おとなの女の人の会話、ぼくにはむつかしいや)
ぼくとレニーさんは冒険者ギルドにやってきて、壁に貼ってある依頼書をみようとしていたら?
アマーリエさんがぼくたちに声をかけてきたんだ。
(アマーリエさんも、あいかわらずきれいでかわいい♪)
そしておっぱいがおおきい。
けど?
そう、ぼくは気付いてしまったんだ。
アイナママのような、とってもおおきなふかふかのおっぱいも。
アマーリエさんのような、大きめなきれいなおっぱいも。
そしてレニーさんのような、ややこぶりなかっこいいおっぱいも。
どのおっぱいも、等しく尊いものなんだってコトを!
「ところでレニーさん? クリスくんと一緒という事は──」
「はいはい、いいたいことは判ってるさ。はいよ、アイナ様の委任状」
「まぁ」
「このクリスがギルドの奉仕依頼のノルマを兼ねて、ぜひ依頼を体験してみたい。そういうハナシさ」
「ですです」
「それであたしが、道中の移動と依頼中の護衛を買って出た。期間は今日と明日の2日間。とまぁそういうコトだけど、他に質問は?」
「なるほど、理解しました。クリスくん? すばらしいです!」
「えへへ、そうですか?」
「はいっ まるでギルドの精神が形になった様です!」
「なんと」
「それで、クリスは討伐依頼じゃなくても構わないそうだよ」
「あら、そうなんですか?」
「はいっ ぼくは困ってる人がいるなら、そういう人をたすけてあげたいんです」
「まぁ(キュン)」
「えへへ」
「では、レニーさんがその依頼に立ち会うと?」
「ああ、モノによってはあたしが参加してもいい。あと弟のユカイもね」
「それはまた……ずいぶんなことが出来そうですね」
ユカイさんはいま、ほかのパーティーの人たちとお店に行ってるんだ。
きのうのクマの毛皮とかを売りに行くんだって。
ちなみに、お肉は村の人たちが買いとってました。
「それでまぁ? とりあえずは依頼を物色しようとしてたんだけどねぇ」
「では、まだお決めになっていない?」
「まぁね。それでアマーリエ、受付嬢チーフのオススメはあるのかい?」
「もちろんあります」
「えっ? そうなんですか? アマーリエさんっ」
「ええ、こういうケースについてご相談に乗らせて頂くのも、大事な受付嬢の業務のひとつ、ですからね」
「なるほどー」
「とりあえず立ち話もなんですから、わたしのカウンターへどうぞ」
「はぁい」
ぼくはアマーリエさんに手を引かれて、カウンターの席に着いた。
ここでもレニーさんに、ギルドの人が椅子を持って来てくれたのでした。
◇◆◆◇
「さて『普通の冒険者がやりたがらないような依頼』というと、やはり【塩漬け依頼】ですね」
「しおづけ?」
「やっぱりねぇ。クリス、これは面倒になるよ?」
「そうなんですか?」
「とんでもない、少々人気が無いだけで、りっぱな依頼ですよ」
「モノは言いようだねぇ クリス? 受付嬢のこういう笑顔のゴリ押しに、騙されちゃいけないよ?」
「だまされる?」
「まぁ、心外です」
「受付嬢ってのはね? バカでガサツな野郎共の冒険者を、その笑顔で上手いコト手なずけて、いうことを聞かせるのが仕事なんだ」
「そ、そうなんですか?」
「ま、女相手じゃ効かない手だけどねw」
「人聞きの悪い、昔ならともかく、今は冒険者の6割が女性です。おっしゃる通りなら、その効果は低いのでは?」
「6割っ そんないるんですか? 女性の冒険者さん」
「ええ、ビキニアーマーのおかげですね」
「クリス、女の冒険者はね、昔から登録人数だけは多いんだよ」
「えっ?」
「ええ、しかしケガをしたり、限界を感じてお辞めになる方が多かったんです」
「あとはまぁ……死んでたんだよ、魔物にやられてね」
「うぅ」
「とはいえ、それもビキニアーマーがもたらされるまでの事」
「ほっ」
「今の若い世代の冒険者が物心付いたときには、すでにビキニアーマーが普及していた、という状況ですからね。おかげでギルドの加入数も順調に増えて、嬉しい限りです」
「はんっ ビキニアーマー第一世代の年増で、悪ぅごさんしたね」
「なにを仰います。レニーさんのパーティは、当ギルド所属のトップパーティーの一角。そこには、レニーさんのご尽力が特に大きかったこと、もちろんギルドは承知しておりますよ」
「へいへい、これも褒め言葉として受け取っておくよ」
「ええ、ぜひ」
「ま……あたしも幾度も命を救われたからね、ビキニには、さ」
(おぉう)
やっぱりレニーさんたち、トップパーティーだったんだ。
そしてビキニアーマー。
こんなに女の人たちを、助けてきたんだなぁ
「やっぱりレニーさん、すごいですっ」
「よしとくれ、あたしの様な神官なんて、掃いて捨てるほどいるさ」
「ご謙遜を。クリスくん? レニーさんは当ギルド所属の神官では、上から2番目の高レベル冒険者ですよ?」
「すごいっ」
「そして1番は、もちろんアイナ様です」
「ですよねー」
「とはいえ、アイナ様のお立場は【予備役】ですので、実質はレニーさんが1番ですね」
「やっぱりすごいですっ レニーさん」
「うぅっ そんな澄んだ眼で見ないどくれよ。その、照れちまうだろ?」
「えへへ」
うーん、照れるレニーさん、かわいい。
「ああ、悪かったよっ 勘弁しとくれ」
「んふふ、何をでしょうか?」
「アマーリエ、あんたはプロの受付嬢だ。こんなすれっからしのあたしまで、手なずけられるとはね」
「まぁ、心外ですわ。けれど褒め言葉として受け取っておきますね」
そんなふうににっこりと笑うアマーリエさん。
やっぱりギルドに関わる女の人って、いろんな意味で強いんだなぁ。




