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第二王子アレックス殿下の男子会(ゲスト・クロイス)

背景、状況の説明を「男子会」でしてしまっています。

可笑しいな?。最初は楽しい男子トークをと思ったのですが、書いて行くうちにズレた。どうしよう…。ですが、これが精一杯の表現です。精進します。

読んでもらえると嬉しいです。よろしくお願いします。

後で行ってもの言葉通り、夕食を終えた時間にクロイスが訪ねて来た。

昼に別れた時のまま、肩が落ちていて元気さも感じられない。ただイライラとしてるのは隠そうとしているが、伝わるものだ。

体が疲れている時でさえ瞳を輝かせている。そんな彼をこの数日で知ったが、何がこれ程焦燥させるのかは気になった。

やはり父親かと思うも、上手く言葉が見つからない。


「俺は虫除けになれたか?」


クロイスが持ち込んだ背もたれの無いソファー。仮眠に使う様な簡易の物が三つ。その一つにベッタリとうつ伏せになったクロイスに話しかける。

あの場所へ、無邪気さを装って連れて行ったのだ。意味があったのだろう。


「アレク。僕は友人は居ないんだよ」

「昼にも聞いた」

「そうだね、言ったよ。アレクは、イヴァン達と仲良しだからいいね」

「それと関係があるのか?」


問うた事へのクロイスの返答は、濁点を含んだ唸りだった。


「僕が好きになれない友人を宛がおうとしてる人が、姉上の好きになる人を連れてくると思う? そもそもご友人っ何、身分の高い従者? って言うかさぁ、僕の父上、何親づらしてんのって思わない?」


うつ伏せた体に力が入る。握った手が痛そうだ。

俺はクロイスの隣に座る。


「クロイス」

「何?」

「昼。あの後、クルシェに好きだと言った。求婚者を装うのでは無く、本心だと」


本気で言っちゃったのとイヴァンが口を挟むが気にしない。

クロイスは顔を上げる。


「だから、クロイスにはどうなってるのか教えて欲しい。ハロルドと行動を共にする時、大体は父に話しを聞いた。だが余りルーキンスの王族の事は話して貰えなかった。クルシェが嫌がらないなら、言葉通り俺を助けて欲しいんだ」

「姉上は何だって?」

「何も言われなかったんだが…」

「嫌も応も?」

「グレイが怒って近付いて来たから、逃げた…」


クッと声がしたので、笑われたかとイヴァンを見れば…顔を覆って項垂れている。


「何時もは護衛で守る立場の人間が怒るなんて、何したんだよあんた!」


クロイスにも見られる。


「手にキスしただけなんだか…」

「それだけで?」

「あぁ、こう、両手を持ち上げて」


と、して見せる。


「あ"ぁ"あ"ぁー! 馬鹿だ! 本当にお前馬鹿っ」


叫ぶイヴァン。隣のクロイスからは、小さい足の蹴りを貰った。

ガシガシと二蹴り三蹴りと続くので、取り敢えず立ち上がる。


「それは愛を乞うだろ? このタイミングで愛を乞うなっ!」

「何時なら良かったんだよ? 俺は好きなんだから、問題無いだろ? クロイスも蹴るな」

「兄貴からハロルドに行くだろ話しがっ!」

「イヴァンはハロルドが恐いのか?」

「恐い! あの無表情で近寄られたらと考えてみろ、様々な報復を想像して鳥肌が立つ」


律儀にクロイスに返事を返してるイヴァンだが、お前、言葉崩れてるぞ。

クフフと、子供特有の高い笑い声。


「アレク? 本当に姉上は何も言わなかったの?」

「戸惑っただろうけど、断るとも嫌だとも言わなかったのは確かだ」


そう、それは確かだ。ビックリしているうちに、言った者勝ちと逃げ出した。

ムクリと起き上がり、チョコんと座るクロイス。イヴァンやレインに近くに座ってと促す。渋々と従う二人だ。一応、俺とクロイスの二人の会話だと、距離を置いていたから。

いいから早くと促す姿は、愛しい彼女と重なる。

クロイスの言動に奔放さを感じても、嫌悪を感じた事は無い。

このクロイスに、我儘と言ったのは誰なのだろう? 高位貴族特有の勘違いした傲慢さは無いのに。


「僕はクロイス。ただのクロイス。イヴァンもレインも、僕の協力者になって。絶対ルーキンス内なら、アレクの役に立てるから」

「それは、どう言う事でしょうか?」

「レインのそれ素なの? イヴァンみたいに喋らないの?」

「イヴァンみたいにと言われても、言葉を崩すのは慣れません」

「そうか、仕方無いね。ハロルド呼んでよ」


と、クロイスが言い出すが、グレイの事もあるので今会うのはちょっと…。なので、このまま話しを聞かせてもらう。

クロイスが話すのは、愚かな王族と、夢から覚めない王子の話。そして、まだ終わらない話し。




隣国に同じ年頃の王太子が居る。その、次代との交流を図る為に第二王子が、その隣国を訪れた。自国にも次代の為の学舎はあるが、王族は通わない。でもその国は、王族さえも学園に迎え入れ、切磋の場としているという。

王宮殿しか知らな王子は、胸躍らせて隣国の学園と呼ばれる所に向かった。

そこで一人の令嬢と出会う。そもそも、学園に来なければ出会う事も無かった彼女。運命だと燃え上がった王子は、早速と愛を乞う。が、いくら自分が王族でも他国の王子。運命だと信じた令嬢は、その国の王の進める縁談を受け、学園の卒業と共に結婚。王子の手の届かない人となった。

自国に戻った失意の王子は、彼女以外は要らないと全ての縁談を断り、彼女に手紙を送り、自ら会いに行く。彼女の夫となった者は、彼女に不実で、彼女が幸せだと思えないからと。

何時しか、自分を思う王子の心を受け止めた令嬢は、王子の愛を受け入れ、王子の国で幸せに暮らす事となった。

王子は、他国の、それも人妻だった者との婚姻に、この愛が許されるならと、王族籍を返上して臣下に降りた。


それがクルシェの母とクロイスの父の物語。両国で語られる話。

愛を貫き、愛しい者を手に入れた王子の話。


そう言ったクロイスは、フッと皮肉に笑って続く話しをした。


二人の子供を授かった王妃。二人とも男子であったが、それ以上の子供は授からなかった。夫である王に、側室を進める家臣達。そんな中、第一王子が立太子した事に安堵。残るは第二王子の事。このまま順調である為には、第二王子にも優秀であってもらわねばならない。そんな中送り出した隣国で、見初めた女が居るという。戻り次第自国の有力貴族の娘との結婚の予定。国に呼び寄せ愛人にでもすれば事は済むだろう。そう思っていたが、女は高位貴族の当主だった。

他国の貴族の結婚に異議を唱える事は難しい。失意の第二王子は、誰の言葉も、母の言葉も聞き入れず、愛しい者へ愛の言葉を送り続ける。

死んでしまえば諦めるだろう。人を動かし、金をばら撒く。何度も何度も命の消えるのを狙う。それでも女の命は消えない。

やがて女が子供を産む。それでも諦める事をしない王子。女の夫、子供まで、消す事を実行させたが上手く行かない。一年二年、三年と思い患う。

女自身を手に入れないと納得しない王子。既に、人の妻なった者へ恋慕する王子への批判が出て来ている。 可愛い王子に不適合の烙印を押されてしまうと焦燥の日々。

度重なる命の危機に、心弱くなった女と夫が離縁した。ここぞとばかりに王子は愛を囁きに行く。ようやく女を手に入れた王子は、女を手に入れ満足した。

そして何も出来ないただの男になっていた。




聞けば何とも奇妙な気持ちだ。父の言葉とハロルドの言葉を思い出す。


「誰から聞いた? ハロルドか?」

「ハロルドじゃ無いよ。いくらハロルドだって、子供にこんな話しはしないよ。でも、僕が知ってるってのは知ってるよ」

「なら、誰が…」

「お祖母様だよ。この国の王妃だった…。僕の髪を掴んでね、忌々しい髪の色だって、五歳の僕に話てくれたよ。あの女を殺せてたら、お前を見なくてすんだのにって言われてもね、僕も困っちゃうよ」


そう言うクロイスの目は、笑ってはいない。


「欲しい者を手に入れた王子は彼女の全部が欲しくなってね…彼女の最初に産んだ娘とか…。彼女の前に並べて、全部自分が守ってあげるからって。無理だと思って無いんだよ。だって願いは叶ってきたから」


クロイスは、ふっと息をつく。


「ハレスは張りぼての公爵家なんだ。領地も無ければ、職も無い。国からの年金で暮らしてる。国民からの税金でだよ? 信じられる?」

「資産があって運用してるのではないのですか?」

「そんな頭無いよ。そんな家の僕に近付く人間ってどんな人間だと思う? 姉上にだってきっと…。だから姉上に、父上の用意する相手を近付けたくない」

「俺ならいいのか?」

「アレクの所は、姉上に絶対に無理強いしないって約束して、守ってるよね」


それは守るだろ? 恐すぎるから。


「お祖母様から聞いたと言わなかったのですか?」

「父上には言ったよ。馬鹿を言うなと叱られただけだけど。自分が彼女を手に入れるのに、心を砕いてくれた母がそんな事しないって」

「まさに夢ん中だな…」

「…クロイス」

「国からのお金で生きてるのに、姉上を手に入れてどうするの? 僕もだけど、婚家にぶら下がって生きるの? 大事にしてもらえる? 姉上は幸せに生きられる? 父上の影響力あるうちはいいよね、でもその先は?」


力を入れる様に息を飲む。


「姉上が、好きになったならいい。だけど、父上の思い通りにしちゃ駄目なんだ」

「そうだな。俺は、俺を好きになってもらうのが一番。だが、誰かにいい格好したいからってのは迷惑なだけだな」

「でしょ? だから僕等は協力者なんだよ」

「そうだな」


俺はクロイスを見る。

興奮からか、息が弾んでいる。


「イヴァンもレインも、頼む。俺はクルシェの隣に居たい」


二人を見たがレインは下を向き、イヴァンはクロイスを睨み付けてる。

イヴァン、そんな目で子供を見るな。

ただ二人の様子に、こんな事に首を突っ込みたくないと思ったかと、寂しく感じた。


「…クルちゃんを、わざわざルーキンスに連れて来たのは? ハロルドは、何を考えてるのかな?」


イヴァンはクロイスをじっと見る。


「守りより攻め! 違っ、守る為の攻め!」

「守る為の?」

「ほら、父上と同じ第二王子!」


クロイスが俺を指差す。


「求婚者が自国が他国かの違いというだけですね!」

「親が(国が)勧める求婚者で泣いた男が、義理の娘を泣かすのは外聞が悪い…か」

「なら、問題無いですよ、殿下」

「レイン?」

「やる事は変わらないです。そうすると、ハロルドと陛下達は凄い!」


何故此処で、家の親父が出る? 首を傾げれば説明するレイン。

二人揃えの謁見の衣装の手配を王妃(俺の所の)がしていた。ハロルドからレインが渡されたクルシェの衣装の写しも、見るまでもなく把握されていたそうだ。


「国としても、やる事は変わらないって事だよな」

「釘を刺して、クルシェ嬢を無事に連れて帰るのが私達の仕事。先ずそれですよね、殿下!」

「今更頼むのも、おかしな話しだよな」

「頼っていいか?」

「気にするなら、セニエルに行く前にしてくれ。あれの後じゃ、今更だ」


思い出して遠い目をする。俺も釣られそうだよ…。


「なら、問題無いよね。僕、どんどん行くから、二人もよろしくね」

「まだ行くのか?」

「誘拐や暗殺を考える人達だからね」

「何だそれ?」

「イヴァンは聞いてて分かんないの? 姉上なんて、何度誘拐されかけたか分からないくらいなんだよ? ハロルド絡みの嫌がらせに見せかけてさ」

「不義だのは捏造?」

「ハロルドは身に覚えは無いと言ったぞ」

「アレクは、それ信じる?」

「あぁ。信じる。不実でいた罪滅ぼしで、子供を可愛がるには行き過ぎてるだろう」

「なら、納得」


納得するのかと見れば、イヴァンもレインも頷く。


「ハロルドは、クルちゃんは膝に抱き上げるけど、ミーネちゃんは膝の間に抱え込むんだ。体の大きさから言ったら逆だろ? 恋人同士であるまいし」


ここまで来れば、何かあると察する二人。

だからコレとクロイスが平らなソファーを叩く。


「妨害が誘拐暗殺だけとは限らない。一人にならないように気を付けた方がいいよ」


何だそれとクロイスを見れば、イヴァンが唸った。


「何だそれ、夜も一緒? ぐぁっ嫌だぁ」

「何を嫌がってんだよ」

「アレックス殿下?。八歳のクロイスが何を言ったか分かんないの? やっぱ馬鹿? 女に警戒しろって事だろ?」

「俺は、女なんて連れ込まないぞ」


失礼だと言えば、レインが「押しかけですね」と呟く。

クロイスを見れば、ふふんと笑ってる。


「第二王子アレックス殿下に御退場願うなら、この場合、不実な事実!」


成程…。俺だけじゃ、思い付かない事だ。


「僕は姉上の所に行くよ。明日から、お願いね!」

「もう就寝だろ?」

「馬鹿だなアレク。姉上の所に忍ばれたら大変じゃ無いか」


ピョンと立つと、「お休み」と出て行った。


「陛下も御存知なら、当時は相当だったんじゃないの? 面子丸潰れ」

「人の国でちょっかい出して、仕返しが無いなんて思うなよって思ってしまうのは、行き過ぎた考えてでしょうか?」

「うぉっ? レイン、珍しい」

「そうだな、今、俺の国でと思ったら腹が立つ」

「レイン?」

「何ですか、イヴァン」

「怒りは判断を鈍らせる」

「はい」

「大した情報もなく送り出されたって事は、きっと何時もの俺達でいいんだよ。そうだろアレク」

「俺はどうも平和な国の王子らしいからな、何時もの二人でないと困るぞ」

「惚れた王子のサポートは変わらないし」

「だけど、何時もより大袈裟に」

「それだと俺が、あっちこっちで恋してるみたいだぞ?」

「すみません。殿下、初恋でしたよね」


レイン…。改めて言うな。…恥ずかしじゃ無いか。





















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