第15話『希望のための破壊』
【この物語は、かつて世界を滅ぼした少年が、もう一度だけ救いを選ぼうとする旅の記録である。】
フェルスとの戦いの中で、
俺は、ようやく記憶を取り戻した。
かつて救いたかった想い。
そして、それを自ら壊してしまった愚かさ。
すべて、抱えて。
──それでも、俺は、ここに立っている。
フェルスは、剣を地に落とした。
息も絶え絶えに、苦しそうな目で俺を見上げる。
「……なんで、だよ……なんで、今さら……」
掠れた声で、フェルスは問うた。
「お前に……何がわかる……!」
わからない。
何一つ、完全に理解できたわけじゃない。
それでも、俺は答えた。
「未来を──創りたいんだ」
震える声だった。
けれど、紛れもない本音だった。
ただ赦されたいわけじゃない。
ただ取り繕いたいわけでもない。
壊れたこの世界を、
もう一度、創り直すために。
フェルスは、ゆっくりと目を閉じた。
そして、
「……なら、壊せ」
そう呟いた。
腐敗した王都。
絶望を撒き散らす国家。
希望を嘲笑う権力者たち。
それらを、
壊す覚悟を。
エリスが、傷だらけの体で立ち上がり、俺に並ぶ。
リュシオンも、剣を支えにして立ち上がった。
「お前が選ぶなら、俺たちは、力を貸す」
リュシオンが言った。
「壊せ、レオン」
エリスも、静かに頷いた。
──壊す。
希望のために。
絶望を乗り越えるために。
俺は、剣を掲げた。
「旧きものすべてを──壊す」
もう、迷わない。
この世界を、
必ず、もう一度、創り直すために。
「絶望を壊せ。未来を創るために──この手で。」




