第12話『かつての盟友、獣人王子登場』
【この物語は、かつて世界を滅ぼした少年が、もう一度だけ救いを選ぼうとする旅の記録である。】
王都の片隅、
俺は、ただ一人で夜空を仰いでいた。
ミレナが去り、
エリスも、どこか俺に距離を取るようになっていた。
孤独は、
思った以上に、胸に堪えた。
そんなときだった。
ふいに、気配を感じた。
暗闇から現れたのは──銀色の髪に、獣の耳を持つ青年。
高貴な雰囲気を纏いながらも、どこか親しげな微笑を浮かべている。
「……久しぶりだな、レオン」
懐かしい声だった。
でも、なぜ──?
俺は、眉をひそめた。
「……誰だ?」
青年は、肩をすくめた。
「そっか、記憶はないんだな。
俺はリュシオン。かつて、お前と共に戦った、獣人王国の王子だ。」
リュシオン──
その名を聞いた瞬間、胸の奥がざわめいた。
あたたかいものと、
切ないものが、同時に込み上げる。
「俺たちは……仲間だったのか?」
「そうだ」
リュシオンは、力強く頷いた。
「お前は、確かに世界を壊した。
でも、同時に、救おうとしていたんだ」
救おうと──していた?
信じられなかった。
けれど。
リュシオンの瞳は、まっすぐだった。
「俺は、お前を信じてる」
その言葉に、胸が熱くなるのを感じた。
誰かを救いたいと願った、あの夜。
失ってしまったはずのものが、
今、目の前で確かに存在している。
リュシオンは、そっと手を差し出した。
「一緒に行こう、レオン。
この世界を、未来を──もう一度、創り直すために」
俺は、その手を見つめた。
怖かった。
また、失ってしまうかもしれない。
また、裏切られるかもしれない。
それでも──
俺は、手を伸ばした。
未来を信じるために。
自分を、信じるために。
「誰かが信じてくれる限り、俺は、何度でも立ち上がる。」




