4「谷間とシャワーとジャスティス」
004あきゆ
先生の死体だったはずのものは、起き上がった。
衣類ごと貫かれた胸は肉が塞がり再生しているようだった。衣類は再生していない。
谷間があります。
「生きてましたぁ〜♪」
そしてにこやかに手を振ったのだ。
「先生、生きてたんですね。よかった」
あの谷間がこの世から無くなるなど一体どれほどの損失だろう。俺は安堵した。
「ん〜?シュージ君は、どうして逃げないのかしらぁ?怯えてもいないし食事までしているなんて変な子ねぇ。」
「普段から、先生に優しくしていただいました。何かきっと理由があるはずだと思っただけです。」
谷間はジャスティスだ。
「……そう、ありがとう」
「真理子もシャワー浴びてきなさいよ。余計な出血なんかして。悪ふざけがすぎるわ。」
「あら、ごめんなさいね。そうね、ちょっと浴びてくるわ」
血まみれの先生はそさくさとシャワー室に向かった。
見たい。
「私たちは吸血鬼よ。真理子とはもう長い付き合いね。ああ、私は百合花。よろしくね。」
「長いってどれくらいだよ。」
「千年くらいだったかしら。シュージでいいのよね?名前。よろしくね?じゃあ、状況を説明してあげるわ。ちょっと今困ったことになっているのよ。」
「困ったこと?俺が食われそうになったことか?」
「そんなことは大したことじゃないわ。ちゃんと守ってあげたじゃない。それよりもね。」
百合花は俺の頬に手をやり、俺と目線を合わせた。
「あなたの中にいるのよ。胡蝶がね」




