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5「胡蝶と光と泣き顔」

「胡蝶?胡蝶ってなんだ?」

「夢と夢を渡る蝶よ。現が夢か。夢が現か。その境界を無くす蝶。夢は現実であり、現実は夢であるの。胡蝶を宿らせるとね、それが顕現けんげんするのよ。強大な力がね。」

「よく、わかんねぇな」

「胡蝶の力を得たものは好きなように世界を改変することが出来るってことよ。夢を現実に変える力、現実を夢に変える力。世界に作用する力なの。恐ろしい力よ。」

ゴクリと唾を飲んだ。

エロいことをし放題ということか。

「私は長いこと胡蝶を追っていたわ。最後に見たのは400年くらい前だったかしら。胡蝶は存在が不安定なのよ。だから出会うだけでも奇跡というわけ。そして今日、私はそれを見つけた。」

目線は俺に向かっている。

「今は左眼に宿ってるわ。」

百合花は俺の目に指を突っ込み眼球を抉りとった。

「ぐわぁああああああああああああ」

取り出した眼球の周りに光の粒子が溢れ出した。どんな光景だ。

「何しやがる、テメェ……」

百合花は俺のことなど意に返さず、眼球をゆっくりと飲み込んだ。

「これで胡蝶の力は私のモノよ!!」

光の粒子が部屋のそこらじゅうに溢れ、百合花の周りを覆った。よく見ると1つ1つ蝶々のようだった。それは百合花へと集まり収束ししていく。百合花の中に入っていっているらしい。

「な……これはっ……」

収束をやめ、突如光の粒子が暴走する。今度は百合花から外へと溢れ出して行く。

「抑えきれない……っ!!」

制御を失った膨大な光の粒子は拡散し、空中を一瞬漂ったかと思うと、俺の方に向かって来た。

「!!?」

俺の左目の窪みにありえない量の光の粒子が飛び込んでくる。

「おおおおおおおおおおおおおおおおお!!?」

光の粒子たちが見えなくなると、部屋に静寂が戻った。何だ、一体今何が起きたんだ!!?


「私じゃ、ダメなんだ……」

すごく泣きそうな顔で百合花は落ち込んでいた。

なんだろう、ゴメン。



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