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11、獣人兄弟

 




 目的地に向かう途中で魔物に遭遇しました。

 鹿のような姿ですが、異様に角が大きく、手足も大きいです。

 前に遭った狼もどきも角があって手足が大きかったので魔物の特徴なのでしょうか?


 後で聞きましたが、普通の獣が瘴気に侵されて変異したのが、『魔獣』

 瘴気から直接産み出されるのが真の『魔物』だそうです。

 それを総称して『魔物』と呼んでるそうです。


 …となると、私はまだ『魔獣』にしか遭遇してない事になりますね


 狼もどきと鹿もどきは『魔獣』で、鹿もどきは元が鹿なので普通に食べられるそうです。


『魔獣』は獣の形をしてますが、『魔物』は色んな姿をしてるそうです。

 説明を聞いた所、ホラー映画に出て来る化け物と似てるみたいです。

 ゴブリンとかオークなんて名前の魔物は居ないそうです。

 ……どんな世界観ですか、神様。


 まぁ、そんな話は置いといて

 魔獣の捕まえ方と、捕まえた後の処理の仕方を教えて頂きました。

 買うより、自分で捕まえられるならタダですからね!

 血抜きしないと肉に臭みが残るので、息のある内に首を切って血を抜くそうです。


 捕まえて動きを封じた後、一気に首を掻っ切ると、グエンさんに褒められましたが、若干距離が離れてるように感じるのは何故でしょう?

 笑っている顔が何故かぎこちないです。


 その肉で昼食にする事にしました。

 ジビエ料理ですね!


「……普通の女は生き物殺すの嫌〜とか、肉(さば)いたりするの見ると、気持ち悪いって食べられないもんなんだがなぁ…」


 またグエンさんがブツブツ云ってますが、毎度なので放っておきます。

 後で肉の捌き方も教わりたいですね


 それより、肉の下拵(したごしら)えです。


 肉類は現地調達するとの事だったので香辛料や調味料類をしこたま買い込んでました。


  塩胡椒に臭み消しの為にハーブ類を揉み込みます。

 グエンさんは魔法で火を着けてくれてます。


 何でも勝手に翻訳されて便利ですが、魔法の呪文(?)だけは何云ってるのか分からないんですよね…きっと、これがこの世界の本当の言語なんでしょうね。

 文章も読めないので、落ち着いたら勉強しなくては!


 串焼きの要領でカットした肉を串に刺して、焚き火の周りに立てていきます。


 ジュウジュウ良い音と匂いがして美味しそうです。じゅる


 肉が焼けるのを待っていると、グエンさんがいきなり立ち上がりナイフを手に周りを見渡しました。

 何かあったのか聞こうとした時、林の茂みからガサッと物音が聞こえました。


 目を向けると、そこには獣耳と尻尾を着けた小さな男の子が立って居ました。


「……獣人(じゅうじん)()か」



 獣人ですか……耳と尾以外は普通の人間と変わらず、もっと獣っぽいと思っていたので想像と違いました。

 グエンさんはナイフは下げましたが、まだ警戒はしてるようです。


 男の子はフラフラとこちらに近付いてくると手前で倒れました。


「ムク!!」


 林からもう1人、獣人と(おぼ)しき少年が飛び出してきて、『ムク』と呼んだ男の子を抱き起こしました。


『ムク』と呼ばれた子はクリクリの茶色の巻き毛で、後から出て来た少年はツンツンした青みがかった黒髪に同じ色の耳と尾が着いてます。


「にぃたん……おなかすいたぁ…」

「ああっ!弟よ!そうだよな!もう三日も水しか口にしてないもんな!!」

 チラッ


 あ、お肉が良い具合に焼けてきましたね

 滴る肉汁が火に落ちて、ジュッと蒸発します。

 あ〜良い匂い


「おにくたべたいよぉ…」

「そうだよな!ああぁ!だが、オレたちには金が無い!」

 チラッ


 焼けましたかね〜

 鹿肉って少し生でも大丈夫ですかね〜

 あ、焼けてる。焼けてる。


「親切なダレかが肉を恵んでくれるとイイなー!!」

 チラッ


 あ!

 美味しい!美味しいです!

 少し癖はありますが、それもまた味があって良いですね。

 歯ごたえがあって、ちょっと噛むのが大変なので柔らかくする方法は無いですかね〜


「親切な!ダレかが!肉を!くれると!イイ!なぁ!!」


 シチューとか煮込むと良いですかね〜


「今!まさに!目の前に居て!肉食ってるヤツ!とか!」


 潰してハンバーグとかも良いかもしれません


「そこの!オンナ!チビで!眼鏡で!そばかすな!オンナとか!が!くれよ!肉!!」


 あ、1人で食べてましたね。

 しまった。しまった。


「はい、グエンさん焼けましたよ。どうぞ」

「無視すんなよぉおおおおおおおおぉお!!!」

「嬢ちゃん……」

「あれ?食べないんですか?美味しいですよ?」

「いや、まぁ…食べるがよ…なんつーか…」

「ねぇたん!おにくください!」

「あ、はい、どうぞ。熱いから、ふぅふぅして食べて下さいね」

「あ〜い!」

「そんなあっさりかよ!オレの努力なんだったんだよぉ!?」


 何故か少年が地面に突っ伏して泣いてます。


 さっきから何か騒いでましたが……

 あ、彼もお肉食べますかね?


「貴方もお肉食べますか?」

「だから!さっきから!!………うう…なんかもう…コイツやだぁ……っ」

「うん…まぁ…努力は認めるよ…」



 ポンポンとグエンさんが少年の背を軽く叩いて宥めてます。



 なんですかね…キレる十代ってヤツでしょうか?

 情緒不安定ですね




あくまでこの世界の設定です

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