第五話:ピンチは訪れる突然に
今回は、いつもよりも1000文字ほど多くなっています。ここから話が動いていく重要な場面ですのでぜひ読んでってください。
そして次の日の朝を迎えた。
「ふわぁ〜」
「おはようございます」
「おはようございます」
「朝ごはんできてるよ」
「ありがとうございます」
『ガチャッ』
兵士さんが部屋に入って来た。
「失礼します」
「あっ、おはようございます」
「マッシュ様、朝食の準備ができております」
「はい、ありがとうございます」
「それでは、私はここで」
「あっ、ちょっと待ってください」
「はい?何でしょうか?」
「あなたの名前はなんて言うんですか?」
「私の名前ですか?」
「はい」
「私の名は『ルクス』と言います」
「そうですか。教えていただいてありがとうございました」
「いえ、お気になさらず」
「では、また」
「はい、行ってらっしゃいませ」
『ガチャッ!』
(ルクスさんっていうのか)
〜数分後〜
「おっ、きたね」
「はい、いただきます」
(やっぱり美味しい)
『ガチャッ!』
「マッシュ様、おはようございます」
「あっ、はい、おはようございます」
「今日は王様との謁見がありますので身支度を整えてください」
「わかりました」
(ついにこの時が来たか……)
「あの……」
「どうかしました?」
「その……僕なんかが王様に会うなんて大丈夫なのですか?」
「大丈夫ですよ。心配することはありません」
「そうですか……」
(本当に大丈夫なのかな……)
「それでは、私はこれで」
「はい、行ってらっしゃいませ」
〜数分後〜
「よしっ!できたぞ」
(我ながらなかなか似合っていると思うんだけどな……鏡で確認してみるか)
「おっ、結構いいんじゃないか!」
僕は自分に見惚れてしまった。
すると突然扉が開いた。
『コンコンッ!』
「マッシュ様!そろそろ準備はできましたか?」
「あっ、はい!今行きます」
(やばい!早く行かないと)
僕は急いで階段を降りていった。
〜廊下〜
「はぁはぁ……もう少しで着くはずなんだが……」
(おかしいな?どこにあるんだ?謁見の間が見つからない)
僕は迷子になっていた。
「あれ?ここ何処だ?全くわからない」
(どうしよう……このままじゃまずいな)
「誰かいませんかー!」
シーン 返事はなかった。
(こうなったら、もう一度探し直すしか無いな)
僕は再び歩き始めた。
『ドンッ!!』
「きゃっ!」
(痛った!誰だよ!ぶつかったのは!)
僕は後ろを振り向いた。
そこには、綺麗なドレスを着た女の子がいた。
(えっ?この子は一体だれだ?もしかして、この城の人じゃないのか?)
「あぁ、ごめんなさい。怪我はないかい?」
「だ、大丈夫です。こちらこそすみません」
「それなら良かったよ。ところで君はこの城に何か用でもあるの?」
「はい、王様に呼ばれて来たのですけど道に迷いまして」
「僕も、似たような感じです」
「そうなんですか。一緒に行ってくれますか?」
「うん、いいよ。時間もないし急ごうか」
「はい!」
(可愛いなぁ)
「どうしたの?」
「なんでもないですよ」
「そうか、それじゃ行こうか」
「はい!」
(こっちに来てよかったぁ。まさかこんなに可愛い子と出会えるなんて思ってもなかったよ)
「そういえば君の名前はなんと言うの?」
「私は『サラ』と言います。あなたは?」
「僕は、『マッシュ』って言うんだ。よろしくね」
「はい!」
「それで、どこに行けばいいのかな?」
「えっとですね。確か、一階の奥の方だったと思います」
(なるほど。それじゃあ、そこに向かって歩いて行くか)
「わかりました。では行きましょうか」
「お願いします」
(にしても、すごいな。こんなに大きな城なのに迷うなんて、どれだけ広いんだよ)
それからしばらく歩いていると、大きな扉の前に着いた。
「多分ここです」
(やっと着いた。長かったな)
「それでは、開けますよ」
『ギィー』
「失礼します」
(緊張するな)
「よく来てくれた」
「こんにちは」
「そちらにいるのが例の子か?」
「はい、そうです」
(ん?僕のことか?一体なんの話をしているんだろう?)
「それでは、早速だが鑑定させてもらうぞ」
「はい、分かりました」
(はい?何言ってるんだこのおっさんは、俺にはそんなものは無いはずだ)
「ふむ、確かに無さそうだな」
「あのぉ、何を言っているんですか?」
「おっと、すまなかった。少し興奮してしまったようだ」
「いえ……」
(なんか気持ち悪いな……)
「それでは、本題に入らせて貰おうか」
「はい」
(やばい、マジで怖いんだけど……)
「単刀直入に聞こう。お前は人間ではないな?」
「・・・」
(どうしよう……なんて答えたらいいんだ?正直に言ったらいいのか?)
「いえ、私は人間です」
「嘘をつくな!本当のことを言え!」
「僕は……」
(ダメだ!何も思いつかない!)
「僕は人間です」
(仕方がない、もうこれしかない)
「どう見てもお前はウサギだが?」
「違います!僕はウサギではありません!」
(絶対に違う!)
「ならば証明してみせろ!出来ないだろう?」
「ぐっ……」
(くそ、言い返せない)
「それに、その耳と尻尾を隠したところで無駄だ」
「いや、月に来てうさぎに触ったらいきなりこの姿になっちゃって...」
「ふざけているのか?それは、神から授かりしものだ!本来その姿になるのは神だけだ」
「だから……」
(話を聞いてくれよ)
「とにかく、早く元の姿に戻るのだ」
「無理ですよ。戻れません」
「なに?どういうことだ?」
「僕は地球に居たはずなのに気づいたら月にいました。そしてなぜか、元の姿が思い出せなかったんです」
「なっ!?お前は地球人なのか!」
「はい、そうですけど?」
(え?なんで驚いているの?)
「お前は自分が地球から来たと言っているのか?」
「はい、そうですけど」
(あれ?僕なんか変なことでもいったかな?)
「おい!今すぐこの部屋から出ていけ!」
「え、何でですか?」
「お前は何も知らないようだな...」
「えぇ、まぁ」
(本当に意味がわかんないんですけど?)
「いいか、よく聞け。ここは、地球という星がある世界とは違うところなのだ」
「へ?それってつまり異世界ということですか?」
「そういうことになるな」
「はい!」
(なんだ。ただの異世界転移じゃないか)
「まぁいい、出てけ」
「はい」
「そしてお前ら、こいつを厳重警戒房に入れて厳しく取り調べをしろ」
『ハッ!』
(ん?どうなってるの?)
「あ、あのぉ〜、これは一体?」
「うるさい!黙ってついてこい!」
(ひぃー)
僕は厳重警戒房に連れていかれた。
僕は、牢屋に入れられていた。
「これから、厳しい取り調べがあるのですか?」
「あぁ、そうだ。お前は危険すぎる」
「そんなことはありませんよ〜」
僕は、なんとか誤解を解きたかったのだが、
『ガチャ』
「入れ!」
「はい……」
(やっぱりだめだったか)
そこは、狭くところどころにヒビの入った汚い部屋だった。
「そこに座れ」
「はい」
「まず最初に名前を教えてもらおう」
「マッシュと言います」
「それでは、いくつか質問させてもらおう。正直に答えるように」
「わかりました」
「お前はなぜあんなに王女と仲がいい?」
(うわ、めんどくさいな……)
「それがわからないんですよね……」
「なに?自分のことなのに?」
「はい……」
「ふむ、それなら仕方がないな」
「はい」
「次の質問だ。お前が地球から来たというのは本当か?」
(やっときたか……)
「はい、そうです」
「それは、どういうことだ?」
「どういうことと言われましても……」
「詳しく説明してくれ」
「それはできません」
「なぜだ?」
「・・・」
「おい、何か話せ!」
「・・・」
「おいおまえら、こいつを拷問室へ連れていけ!」
『ハッ!』
「やめてください!話しますから!」
「最初から素直に言えばいいものを……手間をかけさせるな」
「すみませんでした」
「それで、どういうことなんだ?」
「もう一度言います。僕は地球から来ました」
「ほう?どうやって来たんだ?」
「気がついたらここにいたんです」
「なっ!?お前は神からの加護を持っているのか!」
「いえ、持っていません」
「ならば、どうやってここまで来たと言うのだ?」
「わかりません」
「ふざけているのか?」
「違います」
「ならば、地球に帰る方法を知っているか?」
「いえ、知りません」
「そうか、ならばここで死ね!」
「え?」
「おい!やれ!」
「待ってください!死にたくないです!」
「ふん、貴様のような危険な存在を生かしておくわけにはいかないのだ」
「だからといって……」
(こんなところで死ぬのか?まだやりたいことがたくさんあるのに……)
「ちょっと待って」
女王様が駆け込んできた。
「この子は私が呼んだの、前も言ったでしょ!」
「しかし、神がお許しになるはずが……」
「そこについては問題ないわ。私が責任を持つから」
「わかりました。それでは、そいつを解放してやれ」
「はっ!」
「ありがとうございます」
「気にしないで」
「それと、お前には少し聞きたいことがある」
「はい……」
「それでは、マッシュよ。私についてきなさい」
「どこに行くんですか?」
「私の部屋に案内するわ」
「わかりました」
「それじゃ、行きましょうか」
僕は、女王様に連れて行かれた。
「ここが、私の部屋よ」
「綺麗ですね」
「そうでしょ?」
そこには、豪華な家具などが置いてあり、とてもきれいな部屋だった。
「それで、僕に聞きたいこととは何でしょうか?」
「あなたは、神の子なのよね?」
「はい、そのようです」
「そう……」(やっぱりそうなのね)
(ん?なんでそんな悲しげな顔をしているんだろう?)
「どうかしましたか?」
「いいえ、なんでもないわ。それよりもあなたのステータスを見せてくれるかしら?」
(どうして、急に見せろなんて言ってきたのだろう?)
「わかりました」
僕は、ステータスを表示させた。
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名前:マッシュ
種族:うさぎ
性別:♂ Lv.1 HP 10/10 MP15/15 攻撃力 3(+3)
防御力 5(+1)
魔力 4 素早さ 8 幸運 225
(スキル)
・なし
・魅力UP小
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「これはすごいわ。本当に人間じゃないのね」
「そうみたいです。それより、僕のレベル1なのに異常な数値になっているのですけど?」
「それは、おそらく加護の効果でしょう」
「加護って何ですか?」
「簡単に言うと、神から与えられる力のことよ」
「なるほど……」
「そういえば、お前は地球に帰りたいか?」
「もちろんですよ」
「そうか...残念だな」
「なぜですか?」
「お前は危険すぎる。このまま解放すれば、すぐにでも殺されてしまうだろう」
「そうかもしれませんね」
「そこでだ、お前を私の国に住まわせてやる。そして、安全に暮らしてもらう。どうだ?悪い話ではないと思うが?」
「本当ですか!?でもいつかは地球に帰してくださいね」
「ああ、約束しよう。いつかだがな...」
「よろしくお願いします!」
しかしこれには女王のある考えが隠れていることを皆まだ知らない。
「それじゃあ、明日また来て」
「はい!」
「今日はゆっくり休みなさい」
「わかりました」
面白かったでしょうか?
私は、主人公に起きたピンチに書いた自分もドキドキしていました。
これからも毎日投稿していきますので最後までお付き合いくださりますと光栄です。




