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下から三番目の恋愛活動  作者: 兵衛 清彦
第一章「霜月沙織と野咲和」
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翌日、昼休み。三人はいつもようにベンチに並んで座っていた。

大分打ち解けてきた三人は込み入った話もするようになっていた。

「和さんって、他のクラスにもよく行ってるみたいだけど、友達多いんだね」

と汐織が和に聞いた。

 「多いのかわからないけど…いろんな人とお喋りしはてるね。みんな面白い話しをしてくれるから、色々と絵にも活かせるかなぁって」

「へぇ、熱心なんだね、和さんは」と春明が関心する。

「そんなことないよぉ」と和は照れる。

 和は真面目な顔つきになり続けて言う。

「でもね、やっぱり自然に触れ合っている時が一番、アイディアが浮かぶかなぁ」

と空を見上げながら言った。

「自然ねぇ」と汐織もつられて空を見上げる。

汐織はふと何かを思い出したように話し始める。

「本で読んだことなんだけどね、自然と芸術について…」

と小難しい話しを始めた。

和は普段のふわふわした様子と打って変わって、熱心に話し始める。

「それはね…だからね…」

二人は春明などいないかのように熱心話し始める。

――和さん、本当に絵が好きなんなだなぁ。

と二人の様子を見て春明は思った。

話しに入っていけない春明は空を見上げる。

遠く山の向うに曇り空が見えた。

 

夜、汐織は深刻な顔つきで机に向かっていた。

開け放した窓からは湿っぽい風が入ってくる。

―もう梅雨ね。

春明に渡す予定のノートを開いてはいるが、ペンは止まったままだ。

机の上には交通安全ポスター用の案を書いた紙も散らばっている。

汐織は昼の出来事を思い返す。

春明はもう和さんと友達になった。

予想以上に早く、第一の目的を達してしまった。

それはいいのだがこれからどうするか…。

最終目的は、春明が恋人をつくる事だ。

もっと友達の輪を広げなくては…。

そう、当面の目標は女子の友達を多くつくること。

そうすれば恋人ができる機会も増えるだろう。

それにしても…。

何故だろうか、胸にもやもやとしたものがある。

和さんに隠し事しているからか、ぼんやりと罪悪感が胸の内ににわだかまってるのだろう。

やはり伝えた方がいいのだろうか。

和さんとはこれからも友達でいたい。

もう一度あいつに相談しよう。

汐織はそう決めると、再びペンを走らせる。

ぽつぽつと雨が屋根を打ち始めた。



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