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         8 ルーシー

 ルーシーは貧民街に居た孤児だ。海辺の街で義務教育を受けている。15歳のルーシーは半年で課題を熟さなければならない。

            8  ルーシー


 ルーシーは15歳の学生だ。つい2ヶ月前には貧民街で食うや食わずの生活をしていたのと大違いだ。ルーシーは孤児だった。孤児同士で集まってその日暮らしをしていた。孤児には明るい未来はないと頭から思っいた。ここに連れて来られた時も人攫いにあったと思った。そうではないと判るのに随分時間がかかった。身体を洗われ、身繕いされたのも客を取らせるためだと思った。教師という者に読み書き計算を教えられた時も、

「娼婦でも読み書き計算ぐらい出来ないと、まともな娼婦と見なされない。」

と聞いていたのでそんなものかと思っていた。一応読み書き計算が身に付いた頃個人授業が集団授業になり、色々な科目の勉強をすると言われ娼婦になるための勉強ではない事が理解出来た。

「あなた達が将来どんな職業に就くか選択するための授業です。」

私にも自由があるのだ。同じ授業を受けるのは同じ年齢の男女のようだ。とは言えあまり現在の状況に納得している者はいないようだ。どちらかというとどうにでもなれと思っている者が多いようだ。教師は、

「君達は、この街で自由で平等で平和に暮らしていけるだろう。そのために最低限必要な知識を身に付ける必要がある。今までどんな生活をしてきたかは問わぬ。これからこの街でどう生きるかが大事だ。」

私は生き変えるのだろうか。

 貧民街で暮らす女子は大抵ルーシーかキャシーだ。個性なんてあってないようなものだ。このクラスにもルーシーもキャシーも何人もいる。本当の名前も年も誰も知らない。でもこれからは一人の人間として生きられる気がする。

「成績優秀者には高等学校や専門教育を受ける道が開かれる。勿論その他の者にもそれぞれにあった道が開かれる。」

私の未来は明るい。生まれて始めてそう思えた。

 授業は難しくも易しくもない。教師は一人一人に課題を与え理解に応じて課題を追加していく。課題達成票があり達成するとチェックがされる。半年後の統一試験は全範囲だ。この試験で高成績を取らないと上の学校には行けない。

 ルーシーは良く勉強した。教師にも良く質問した。ルーシーは、

「この計算は違うと思います。正解は11になると思います。先生のこの部分の計算がこうなると思います。」

加減乗除が入り組んだ計算でルーシーはそう指摘した。

「良く気付いたね。きみが気付くか試したのだ。」

教師の戯言のようだがアンドロイドが間違える事はまずない。本当に試したのも知れない。ルーシーが得意でないのは社会と音楽だ。毎日学習室と音楽室で特訓だ。歌と笛だ。ルーシーは特に音痴ではないけれど人並みだ。社会は覚える事が多すぎる。とても覚え切れない。

 ルーシーは5ヶ月で全ての課題をやり遂げた。ルーシーは高等学校希望だ。後一ヶ月で統一試験だ。クラスでは模擬試験の繰り返しだ。内申書では問題ないと言われいる問題は統一試験だ。

 クラスの中で課題を終えたのはルーシーが一番早かった。統一試験までに後4人が課題を終えた。

 ルーシーは高等学校希望だ。内申書と海辺の街の統一試験で高成績を残さないと高等学校には行けない。内申書は問題ない。後は統一試験だ。

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