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         17 男爵領

 ハリソン一家は日照りで農家を辞めざるを得なかった難民のような貧民だった。冒険者になった父親は魔獣に腕を噛まれ重体だ。

            17  男爵領


 男爵領では槌音が絶えない。新しくできた池の回りの灌漑や開墾だ。主にアンドロイドが担っている。孤児や貧民の受け入れが盛んだ。

 マリエールは孤児や貧民の受け入れ担当だ。新たな男爵領の住民だ。広く様々ところで人を集める。人柄が大事だ。テレパスのできるアンドロイドが適任だ。アンドロイドがいれば転移陣が使える。

 ハリソン家は難民に近い貧民だ。2年前の日照りで収穫が少なく年貢が払えず土地を捨てた。小作人だったので土地に未練はない。ただ子ども達が心配だ。街の暮らしも楽じゃない。冒険者になっが家族4人を養う稼ぎはない。増して魔獣に腕を噛まれた。治療にあてる金もない。マリエールに会ったのはそんな時だ。まだ幼い部分を残す少女だった。マリエールは私達一家の暮らすボロ家に突然やって来た。明らかに貴族の出で立ちだ。私は魔獣に噛まれた傷のせいで熱がありぼうとした頭で天使がお迎えに来たのだと思った。思わず出た言葉が、

「妻と子ども達をお願いします。」

だった。マリエールは、

「先ずその腕を治してからね。」

私がその言葉の意味が判ったのはその後だ。

「ハイフィール」

その瞬間腕の傷は治った。マリエールは金銭の入った袋を私に渡し

「私は男爵の娘マリエール、農家のなり手を探している。あなた方に男爵領に来てもらい。農民として働いてもらいたい。当面の食料と金は支給する。その金で食事をして明日この時間に迎えに来るので準備しておきなさい。判りましたか。」

このマリエールの言っている事は判る。私も冒険者よりも農家に向いていると思う。でも貴族が農民を探しているという話しは始めて聞いた。迂闊に乗っていいのだろうか。私が黙っていると妻が、

「よろしくお願いします。明日この時間に準備を整えてお待ちしております。」

こういう時女性の方が踏ん切りがいい。どの道我々には選択肢がない。

 翌日同じ時間マリエールは現れた。袋の中の金子は予想以上に多かった。しかししたことは食事をしたのと大家に引っ越すと言ったくらいだ。マリエールは部屋に布を開いた。円の中に何か模様が描かれている。我々は円の中に入るように指示された。全員入っているのを確認して、

「転移」

とマリエールは唱えた。その瞬間我々は暗闇に紛れ次の瞬間大きな広間にいた。

「彼女に案内してもらいなさい。彼女があなた達の担当者よ。」

マリエールは我々に告げた。 

 担当者は我々に名前を告げない。しかし彼女は我々に丁寧に接する。彼女は我々の食料やお金のことを話す。そして今後の農作業のことや子どもの教育の話しをする。そして今後居住する家に案内された。生活に必要な物は用意されている。住心地が良さそうだ。一家の者は安心した。娘が、

「御殿みたい。私達これからここに住むのね。」

御機嫌だ。他の家族も満足そうだ。

 担当者は細々仕事注意をして最後に、一家の者の衣類を出していった。

「これは会ってみないと判りませんからね。」

ハリソン一家の男爵領での生活は始まった。

 マリエールはハリソン一家を男爵領に連れて行く事を決めた。貴族であるマリエールをハリソン一家は恐れたが男爵領に行くことに同意した。

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