14 救済者
救済者は普通の人だ。彼は複製をしてただそれを困った人々に渡すだけだ。確かに救済だろう。だけど生きる素手を彼は教えない。
14 救済者
宇宙の人々を救済する者は普通の人に見えた。スーパーヒーローには見えない。ただの人だ。人は見掛けによらないそうだから以外に凄い人物なのだろうか。先ずはどうやって宇宙の人々を救済しているのか聞くのが先だろう。マリエールは、
「空中人さんからあなたは宇宙の人々を救済していると聞きましたがどんな活動しているのですか。」
救済者はマリエールを見て恥ずかしそうに、
「大した事はしてないよ。私の能力は、転移とアイテムボックスと複製だからね。困っている人々に複製した物をあげているだけさ。簡単な事だろう。複製の能力があれば誰でも出来る事さ。救済なのてだいそれたものじゃないよ。空中人さんは大袈裟だな。」
マリエールにはそれが大した事かどうかが判らない。困っている人に物を与える事は大した事のように思う。空中人さんにもマリエールにも出来ない事だから。羨ましいと思った。領地を豊かにして感謝はされたけど人に何かをあげて感謝された記憶がない。欲しい物をあげて感謝された方が喜ばれるに決まっているじゃないか。男爵にだって男爵が欲しい物をあげていたら魔王なんて物騒な物を生み出さなかったかも知れない。複製の能力欲しいな。マリエールは、
「あなたの能力、魔法、記憶を貰えますか。」
救済者は、ちょっと考えてから、
「いいよ、贖わず受け取りなさい。」
救済者の能力、魔法、記憶は思ったよりも大きかった。複製の能力を救済者が何故身に付いたか記憶から判った。複製の能力がないと生きていけないほど厳しい環境にあったからだ。だから困った人々がいれば放っておけない救済者になったのだ。
「あなたのアイテムボックスにある物一つづつ私に下さい。私も困った人々がいれば救済しますから。」
救済者は明るい表情で、
「それはよかった。それで救われる人々がいればいい。」
受け取る事で救われる者がいるのは確かだけど、受け取るだけで生きていく力がなければまた受け取るしかない。何時まで経っても解決しない。堂々巡りだ。生きていく道を示してあげるのが本当の救済のようにマリエールは思う。それは並大抵のことでない事は知っているつもりだけど。
マリエールは救済者を批判した男性のところに行ってみようと思った。彼は救済者に人々に物を渡すだけでは本当の救済にはならないと主張したようだ。
マリエールは救済者に物を渡すだけでは本当の救済にはならないのではないかと尋ねてみた。救済者は、
「私は以前農耕をしていたから働く大切さは知っているつもりだった。だから人々に危機を乗り切ったたらまた働こうと言ったさ。しかし人間は一度楽な生き方を知ったら元には戻れない。農耕だって複製と同じではないかと言われたらもう二度と働こうと言えなくなった。自分で努力をしなくなった種族はやがて滅びていく。場所を離れまた困っている人々を見付ける。複製した物を与える。彼ら自分で努力しなくなる。同じ事の繰り返しだ。」
彼は自分でも間違いだと判っている。
次回は救済者を批判した男性のところに行こうと思う。救済者は人々に物を与えるだけだ。本当の救済ではない。




