表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/20

          12 魔王

 魔王討伐を決めた。たとえ父親の思いの産物としても。父と共に豊かにしてきたこの地を荒らすものだから倒すと決めた。

             12  魔王


 マリエールは王都の冒険者ギルドのギルド長だけに真実を告げた。他言無用で国王にアレンとマリエールで魔王を討伐する事を知らせて貰う事になった。今度の事はあまり知られたくない。

 討伐の日も男爵に知らせない。翌日討伐という夕食、マリエールは男爵に、

「早く魔王が討伐されて村民が安泰に暮らせるといいですね。」

と言った。男爵も、

「せっかく水も豊富になったのに、安心に暮らせなければ意味がないからな。」

男爵の偽らざらぬ言葉だろう。だからこそ残念だ。共に歩んだ道、共に考えた思い。何処で違えたのだろう。

 討伐の日、2人は早朝男爵が目覚める前に出発した。転移陣で5つ目の収納まで飛んだ。魔王城はもう目の前だ。アンドロイド達に魔王以外の魔獣は討伐させた。残る相手は魔王だけだ。

 魔王城の広間に魔王とアレンとマリエールだけだ。念話でマリエールは魔王に呼び掛けた。

「あなたは何がしたかったの。あなたの望みは何。」

魔王は歪んだ顔で言った。

「爵位と金と権力だ。それがあれば望む物が全て手に入る。私は全てが欲しい。」

歪んだ妄想の塊だ。

「村民の生活のためではなかったの。」

マリエールは悲痛にかられた。

「間違えではない。私の希望の一つだ。」

マリエールは若干表情が緩んだ。マリエールは、

「安心したわ。あなたにも良心の欠片はあったのね。これでおしまいよ。さようなら。」

マリエールはアレンと頷き合いながら共に詠唱した。

「天にまします我らが父よ。願わくば悪しき魔王を滅ぼしたまえ。使うは閃光の雷鎚、魔獣殲滅の魔法、ホーリーライト。」

閃光が光り、風が吹き抜け、石が魔王の眉間を貫通する。魔王は姿を消し、魔石だけが残る。

 その頃男爵は側近の前でもがき苦しみ息絶えた。駆け付けた医師もただご臨終ですとだけ言った。マリエールは魔王の魔石を収納した。アンドロイド達はそれぞれ必要な物を収納した。

 魔王が消えたその時5つ目の池に水が溜まり出した。後で判ったのだがその時全ての池で水が溜まり出した。男爵領は潤んで豊かになった。アレン、マリエール、男爵の夢は叶った。

 アレンはこの領地をマリエールに託したいと言った。アレンはこの領地を変えたのは自分ではないマリエールがこの領地を豊かにして守ったのだ。だからこそこの領地を継ぐのはマリエールこそ相応しいと思った。しかしマリエールは断った。マリエールは、

「私は魔法を究めるために旅に出るわ。この領地にはアンドロイド達がいるから心配ないわ。」

と言って去っていった。マリエールには父を殺してしまったという自責の念がある。それはアレンも同じだろうが責任感の強いアレンはこの領地を捨てたりしない。

 マリエールはあてもない旅に出た。何となく南に向かえばマリエールの人生が開かれる気がした。ただそんな気がするだけだが。14歳の秋だった。妖精女王のせいで外見12歳だけど。ただひたすらフライを続ける。あてのない旅だ。

 アレンとマリエールは道を違えた。アレンは領地を捨てられない。マリエールは父を葬った自責の念で旅に出る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ