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天翔雲流  作者: NOISE
不死鳥の如く
1863/1865

閑話 本質

 イザナミは、静かに、ため息をつく……。

 地獄と天国が出来て、既に、十年の月日が過ぎた。

 閻魔を筆頭に、ナナシの輪廻転生を、強く求められている。

 多くの死人の魂を喰らい、ナナシは既に、神の力を、凌駕している。

 しかし、その魂は、誠に歪。

 最近では、望まなくとも、力無い亡者の魂は、ナナシに、吸収されてしまう。

 故に、その魂を封印し、現世に転生。

 現世の中で、その魂を、正常に戻そうと言うのだ。

 イザナミは、深いため息をつき、

「誰も、ナナシの事を、分かっておらん。あれこそが、ナナシの、本質なのじゃ。だから、わらわが……」

「イザナミ様♪」

 不意に、ナナシが、イザナミを呼ぶ。

 顔を上げる、イザナミ。

 ナナシは、イザナミの顔を覗き込み、にっこり笑う。

「私は、イザナミ様の側を、決して、離れませんよ?」

 その言葉こそが、イザナミの求めた言葉。

 イザナミは、目を見開き、そして、慌てた様子で、ナナシの顔から、顔を背ける。

 イザナミは、泣いていたのだ。

 心から求めた言葉……!

 ナナシは、あの男とは、決して違う!

 そう、イザナギとは……!

 イザナミは、耳まで、真っ赤に染め、慌てた様子で、

「馬鹿者!その様な事は、当たり前の事であろう!そなたは、わらわの側で、永遠に在り続けるのじゃ!」

「はい♪イザナミ様♪」

 ナナシもまた、幸せに包まれ、満面の笑顔で頷く。

 しかし、刻は、無常に、二人を、引き離そうとする。

 イザナミとナナシ……。

 刻は、この二人に、どの様な答えを、求めているのだろうか……?


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