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天翔雲流  作者: NOISE
不死鳥の如く
1859/1865

ヒヒイロカネ

「な、何じゃ!?この金属は!!」

 今、俺は、グラードが生成した、ある金属を持って、ドーラの所に居る。

 ヒヒイロカネ……。

 日ノ本の、伝説の金属だ。

 金より軽く、ダイヤモンドより硬い。錆びる事も無く、悠久に不滅。その上、非常に、熱伝導率が高い。そしてその外観は、太陽の様に輝き、触れば、氷の様に冷たい。

 アダマンタイトを超える、事実上、最強の金属。

 ドーラは、震える手で、その金属を持ち、俺の事を忘れて、一心に、研究を始めてしまう。

 俺は、苦笑し、

「ドーラ!少し、落ち着け!その金属は、ドーラにやるから、一か月の期間で、その金属の加工を、可能にする事は出来るか?」

「むほっ!?一か月!?相変わらず、強欲勇者は、無茶を言う!!しかし、この金属は、儂に、くれるのだな?今から、返せと言っても、返さぬからな!!」

「はいはい……。分かった、分かった。一か月後に、まとまった量の、その金属を持って来る。ああ、その金属、ヒヒイロカネと言うのだが。各国の王達に、それで、剣を創って、献上しようと思っている。やれるか?ドーラ!」

「任せておけ!!儂が、全生命を賭けて、その仕事を、やり遂げて見せる!!」

「ははは!期待しているよ」

 ドーラは、お弟子さん達に、仕事を押し付け、鍜治場へと、走って行ってしまった。

 多分、恐らくだが……。

 明日にでも俺は、ドーラに、呼び出されるだろうなぁ……。



 早朝、我が城の門が、力強く、叩かれる。

 そして、大声で、

「ジャショウ!頼む!助けてくれ!!」

 ドーラの声……。

 やはり、来たか。

 俺は、既に、用意を終わらせ、足早に、門の前に。

「ジャショウよ!今の設備じゃ、あの金属は、叩く事が出来ぬ!アダマンタイトを使い、特注の、設備を創りたい!お主なら、出来るじゃろう!!」

「はいはい。分かっていましたよ。アダマンタイトの方も、既に、用意してあります。それでは、創りましょうか?」

「なぬ!?そこまで知っていて、何故、昨日、言ってくれなかったのだ!!」

 ドーラは、顔を真っ赤に染めて、俺に詰め寄る。

 俺は、笑い、

「最後まで、話を聞かずに、店の奥へと、行ってしまったのは、ドーラのおっちゃんだろう?それに、ドーラのおっちゃんには、あの金属と、しっかりと、向きあってもらいたかったからな。その調子からすると、俺に聞く以上に、ドーラのおっちゃんは、あの金属の事を、理解したのだろう?」

「む、むう……。済まぬ。少し、熱くなり過ぎた。あの金属は、熱伝導率が高いが、溶解するには、今の設備では、設備の方が、駄目になってしまう。その上、普通の炎では、あの金属は、加工が出来ぬ……。イフリート殿の力も借りたい。頼めるか?」

「勿論♪イフリートも、昨日から、張り切っていますよ♪」

「む、むう……。それから……」

「はいはい、分かっています♪アダマンタイトで、ただ創るだけでは、アダマンタイトの方が、駄目になってしまう。シャルとサクヤに、符呪をして欲しいのですね?そちらの方も、既に……」

 俺は、苦笑を零し、後ろを振り向く。

 そこには、イフリートに、肩車をされた、シャルとサクヤが……。

「ドーラのおっちゃん、任せるんよ♪」

「はい♪既に、ジャショウに聞いて、リーさんと共に、昨日、練習済みです♪」

 ドーラは、ムスッとし、

「ジャショウよ。少し、嫌らしいぞ!」

「ははは!済まない、済まない!しかし、これも、ドーラのおっちゃんを、信じていたからだよ♪ドーラのおっちゃんなら、この答えを、導き出せると。この答えを、導き出せない者に、ヒヒイロカネを、預ける事は、出来ないからな」

「むう……。分かった、分かった!儂の降参じゃ!頼むから、早く、創ってくれ!」

「ははは!任せておけ!」

 さてと……。

 それじゃあ、巨人の大槌を、大改造するかねぇ……。


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