ヒヒイロカネ
「な、何じゃ!?この金属は!!」
今、俺は、グラードが生成した、ある金属を持って、ドーラの所に居る。
ヒヒイロカネ……。
日ノ本の、伝説の金属だ。
金より軽く、ダイヤモンドより硬い。錆びる事も無く、悠久に不滅。その上、非常に、熱伝導率が高い。そしてその外観は、太陽の様に輝き、触れば、氷の様に冷たい。
アダマンタイトを超える、事実上、最強の金属。
ドーラは、震える手で、その金属を持ち、俺の事を忘れて、一心に、研究を始めてしまう。
俺は、苦笑し、
「ドーラ!少し、落ち着け!その金属は、ドーラにやるから、一か月の期間で、その金属の加工を、可能にする事は出来るか?」
「むほっ!?一か月!?相変わらず、強欲勇者は、無茶を言う!!しかし、この金属は、儂に、くれるのだな?今から、返せと言っても、返さぬからな!!」
「はいはい……。分かった、分かった。一か月後に、まとまった量の、その金属を持って来る。ああ、その金属、ヒヒイロカネと言うのだが。各国の王達に、それで、剣を創って、献上しようと思っている。やれるか?ドーラ!」
「任せておけ!!儂が、全生命を賭けて、その仕事を、やり遂げて見せる!!」
「ははは!期待しているよ」
ドーラは、お弟子さん達に、仕事を押し付け、鍜治場へと、走って行ってしまった。
多分、恐らくだが……。
明日にでも俺は、ドーラに、呼び出されるだろうなぁ……。
早朝、我が城の門が、力強く、叩かれる。
そして、大声で、
「ジャショウ!頼む!助けてくれ!!」
ドーラの声……。
やはり、来たか。
俺は、既に、用意を終わらせ、足早に、門の前に。
「ジャショウよ!今の設備じゃ、あの金属は、叩く事が出来ぬ!アダマンタイトを使い、特注の、設備を創りたい!お主なら、出来るじゃろう!!」
「はいはい。分かっていましたよ。アダマンタイトの方も、既に、用意してあります。それでは、創りましょうか?」
「なぬ!?そこまで知っていて、何故、昨日、言ってくれなかったのだ!!」
ドーラは、顔を真っ赤に染めて、俺に詰め寄る。
俺は、笑い、
「最後まで、話を聞かずに、店の奥へと、行ってしまったのは、ドーラのおっちゃんだろう?それに、ドーラのおっちゃんには、あの金属と、しっかりと、向きあってもらいたかったからな。その調子からすると、俺に聞く以上に、ドーラのおっちゃんは、あの金属の事を、理解したのだろう?」
「む、むう……。済まぬ。少し、熱くなり過ぎた。あの金属は、熱伝導率が高いが、溶解するには、今の設備では、設備の方が、駄目になってしまう。その上、普通の炎では、あの金属は、加工が出来ぬ……。イフリート殿の力も借りたい。頼めるか?」
「勿論♪イフリートも、昨日から、張り切っていますよ♪」
「む、むう……。それから……」
「はいはい、分かっています♪アダマンタイトで、ただ創るだけでは、アダマンタイトの方が、駄目になってしまう。シャルとサクヤに、符呪をして欲しいのですね?そちらの方も、既に……」
俺は、苦笑を零し、後ろを振り向く。
そこには、イフリートに、肩車をされた、シャルとサクヤが……。
「ドーラのおっちゃん、任せるんよ♪」
「はい♪既に、ジャショウに聞いて、リーさんと共に、昨日、練習済みです♪」
ドーラは、ムスッとし、
「ジャショウよ。少し、嫌らしいぞ!」
「ははは!済まない、済まない!しかし、これも、ドーラのおっちゃんを、信じていたからだよ♪ドーラのおっちゃんなら、この答えを、導き出せると。この答えを、導き出せない者に、ヒヒイロカネを、預ける事は、出来ないからな」
「むう……。分かった、分かった!儂の降参じゃ!頼むから、早く、創ってくれ!」
「ははは!任せておけ!」
さてと……。
それじゃあ、巨人の大槌を、大改造するかねぇ……。




