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天翔雲流  作者: NOISE
不死鳥の如く
1857/1865

欲望の象徴

 セナが帰って行った……。

 セナを慕う、者達と共に……。

 これで、スターリーは、大きく変わるだろう。

 さて、俺は、エネスの発展の為に、知恵を絞ろう。

 去る者も居れば、来る者も居る。

 そうして、エネスは、大きく発展するのだ。

 しかし、やはり、エネスの国。

 多くの賢人の力により、多くの分野で、他国を圧倒している。

 しかし、俺達は、自重しないぞ!

 これらの賢人達が、その力を、遺憾なく発揮するには、まだまだ、エネス国は、小さすぎるか……。

 俺は、トアの鎧を纏い、天上で輝く。

 再び、エネスの島は、隆起し。広大な大地が、姿を現す。

 歓喜する民達。

 そんな中で、隆起した大地に、異彩を放つ、山が出現した。

 色とりどりの、宝石で出来た、巨大な山!

 何なんだ?これは……。

 俺は急ぎ、その山を、国で確保する。

 最早、鉱山とか言える、代物では無い!

 大地全てが、色とりどりの、多種多様な、宝石で出来ている!

 呆然とする俺に、

『これは……。カーラ王朝時代の、失敗作ですね……』

「失敗作?」

 俺は、イヴの言葉に、首を傾げる。

 イヴは、クスクス笑い、

『大丈夫です。害はありません。偶然の産物と言いますか?カーラ王朝は、ダイヤを、貴重としていました。それを、人工的に創ろうとしたのですが……。結果は、この通り。あらゆる鉱石が、無尽蔵に、生産される。お陰で、カーラ王朝時代。鉱石の価値が、一時、暴落しました。慌て、この鉱山施設の、機能を停止。それでも、緩やかに、起動し続けていたのですね。この様な、山が出来ていたとは』

「ははは!要するに、この山は、人の欲望の象徴か!しかし、エネス国にとっては、新たな、財源と成る!ここに、居を構え、正解であったな!俺達は、人の欲望を、使い慣らしてやろうじゃ無いか!イヴ!この鉱山の、システムに、リンク出来るか?」

『任せて下さい♪』

 俺の頭の中に、膨大な、情報が、流れ込んでくる。

 成程な……。

 この装置は、太陽光を利用し、稼働していたのか。

 深い海の中、か細い光を頼り、人々の欲望を、叶え続けていた……。

 誰にも、知られる事無く。

 健気じゃねえか。

 そして、そのか細い光の中で、この装置は、主を求めていた……!

『我は、グラード……!人よ。何故、私を拒む……?何故、私を否定する……?』

 悲しげな声……。

 俺の心に、沁み込むようだ……。

 俺は、笑い、

「ばあか!お前は、よく頑張っているよ!しかし、少し、頑張り過ぎだ。お前も、我が心を知り、人の欲望を学べ!」

 今度は、俺の魂を、グラードとシンクロさせて、人の心で、優しく包み込む。

『お、おお!私は、頑張り過ぎたのですね?我が主よ……!私は、どうすれば、良かったのでしょうか……?』

「ふっ……。お前は、お前のままで良い!しかし、我と共に、あり続けろ!我が魂の一部と成り、今度は、人々の、助けと成るのだ!」

『お、おお!我が意識を、ジャショウ様の魂に、インストールいたします!』

 若い、男の残影が、我が魂の中へと、流れ込んでゆく。

 凛とした、男の声で、

『我は、グラード……!これより、ジャショウ様の麾下に加わり、全機能、稼働いたします!』

「ははは!グラードよ!肩の力を抜け!お前は、イヴやリースと共に、我と共に、在れば良いのだ!その力、存分に使わせてもらうぞ!」

『はっ!』

 グラードか……。

 面白い仲間を、手に入れたな……。

 これで、我が悠久の旅も、退屈しないで済みそうだ……。


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