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天翔雲流  作者: NOISE
不死鳥の如く
1856/1865

ただ、真っ直ぐと……!

 零からのスタート……。

 いや、マイナスからの、スタートか?

 スターリーの、明日が見えぬ。

 俺は、ヨルブン達の顔色を窺い、深く、ため息をつく。

「肉を切り、骨を削る覚悟が無ければ、今のスターリー、エネス国はおろか、他の国にも、とどく事など、決して、あり得ませんよ?」

「やはり、そうか……」

 何とも、もどかしい。

 今の俺に、スターリーを、どうにかする、術は無い。

 ヨルブン達は、深く、息を吐く。

 俺も、ため息をつき、

「兎に角、早急に、スターリーとエネスの、貿易を、再開させましょう。しかし、矛盾しますが、慎重に。スターリーの民が、エネスの品に、目を奪われ、また、去ってしまっては、元も子もありません。幸い、スターリーには、世界樹があります。その恩恵にあずかりましょう。しかし、くれぐれも、世界樹を、過去のエルフ達の様に、穢してはなりませんよ?」

「うむ、そうだな……。丁度、此度の内乱で、瘴気が、スターリーに、集まってしまった。その結果、ビックボアが、多く、繁殖している。それを駆除し、エネスとの、貿易材料にしよう」

「それが、よろしいでしょう。皮肉な事です。忌むべき、瘴気が、スターリーの命運を、首の皮一枚残して、保ってくれるとは」

「不死鳥の如く……。スターリーを、必ず、復活させてみせるよ!」

「その意気です。ヨルブン殿。スターリーには、まだまだ、底力があります。為政者も、ヨセフの計略のお陰で、一新されました。後は、早く、覚悟を決めて、世界の流れに、乗るだけの事です」

「世界の流れか……」

 今、確かに、新たな風が、強く、吹き荒れている。

 スターリーもまた、この風に乗り、大空に、舞い上がるべきなのだ。

 まだまだ、先が見えない。

 しかし、確かに、スターリーは、生まれ変わろうとしている。

 ヨセフの意地が、全てを壊した。

 しかし、その破壊は、新たなスターリーを、生み出そうとしている。

 ヨセフよ……。

 君は、先の世で、暗愚と呼ばれるだろう。

 しかし、俺達は知っている。

 君が、秘かに蒔いた種が、今、大きく咲き誇ろうとしている事を。

 ヨセフ・スターリー……。

 君は、確かに、次代に繋いだ。

 スターリーは、必ず、大きく生まれ変わる事であろう……。



「きゃははは♪ジャショウ、楽しいねえ♪セナ、一杯遊んだよ♪」

「そうか、セナ。アルナ達や、ジイジ達と、一杯遊べたか?」

「うん♪」

 俺は笑い、興奮するセナを、優しく、抱き上げる。

 ヨルムとフィールも、満面の笑顔だ。

 俺も、満面の笑顔で、

「セナ!スターリーで、一杯頑張っているんだってな!偉いぞ!」

「うん♪」

 セナは、幸せそうに、目を細め、俺の胸に、顔を埋める。

 俺は、セナの頭を、優しく撫で、

「セナは、本当に、よく頑張っているな……。セナの、頑張りのお陰で、スターリーも、きっと、大きく生まれ変わるぞ」

「ここみたいに、皆、笑ってくれる?」

「ああ、きっと、大丈夫だ!」

 俺の言葉に、セナは、満面の笑顔で頷く。

 ああ、スターリーは、大丈夫だ。

 ヨルブン達とは、最悪を考え、話をしたが……。

 少しずつではあるが、元スターリーの民も、ひたむきに頑張る、セナを慕い、スターリーに、戻りつつある。

 戻った民達は、エネスで、身に付けた技を、スターリーで、遺憾なく発揮する事だろう。

 八大国の中で、図らずとも、スターリーの国が、エネスの技術を、自国で、開花させる。

 故に、ヨルブン達には、厳しい事を言ったが。実際の所、俺は、余り、スターリーの事を、心配していない。

 ただ、スターリーには、後が無い。

 その事だけは、憂慮している。

 だから、何度も言うが、ヨルブン達には、厳しい事を言った。

 今後、愚かな貴族を、重用しない為にも。

 ヨルブン達は、賢臣だ。

 俺の言葉の意味を、よく理解している筈だ。

 スターリーは、不死鳥の如く、蘇るだろう。

 セナ……。

 どんな時も、俺達は、君の味方だぞ。

 俺は、王として、セナの前に立つ。

 この、ちっぽけな背中が、セナの道を、示してやれるか?

 今の俺には、分からない……。

 けれど……!

 俺はただ、真っ直ぐと、歩くだけの事だ……。


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