本当のお前は……?
「前門、照準を、敵船団に合わせ……。放て!!」
ヨセフの奴、強固に出やがった!
海上からの、エネス侵略!
しかし、相手に為らないな。
エネス国は、すっぽり、防御幕に守られ、一方的な戦い。
船団の質も、飛竜部隊の質も、こちらの方が、圧倒的に上!
何度も言うが、相手に為らないな。
これは、陽動で、陸路から、刺客を潜り込ませるか?
それもまた、杞憂に終わった。
何がしたいのだ……?
次々と、スターリーの船が、撃沈してゆく。
殆ど、城壁からの、魔導砲の掃射で、かたが付いた。
飛竜部隊の方も、我が方の飛竜部隊により、鮮やかな手並みで、人間だけを殺し、飛竜は回収。訓練にも、なりゃしねえ。
ただ、飛竜を貰っただけの、何の意味の無い、戦闘であった。
これで、南スターリーとエネスは、完全に、敵対関係か。
我が船団は、そのままの勢いで、スターリーの港を、次々と、破壊してゆく。
これで、南スターリーは、エネスとの接点を、完全に失った。
災いの種が、一つ、無くなったと言う事だ。
多くの血が流れた……。
多くの命が、失われた……。
俺も、ヨセフ同様、多くの者達に恨まれ、玉座に座る。
ああ、この戦いに、何の意味があったのだろうか……?
ヨセフも、人の子か……。
セナ達を失う事を、強く、恐れていると見える。
あの闘いの後、我が下に、一通の、書状が届いた。
今回の戦いは、部下が、勝手にやった事。故に、今まで通り、セナ達を、大切に、預かって欲しいと……。
今更何を……。
この戦いに、セナ達は、関係無い!
セナには、王と成るべく、今まで通り、勉学を励ませる。
以上を、ヨセフに伝える為に、イヴに手伝ってもらい、映像を送る。
安堵する、ヨセフの表情。
まだ、お前にも、そんな顔が、残っていたのだな……。
ヨセフは、ただ一言、
「よろしく頼む……!」
ヨセフよ……。
俺は、お前の本心が、さっぱり分からねえよ……。
玉座に座る、ヨセフの姿は、正に、王の姿だ。
お前は、いったい、何なんだ?
王か?狂人か?
本当のお前は、何を望む?
出来る事なら、お前が、王であって欲しい。
俺の甘さか……?
未完の王よ。
お前の望む未来が、俺には、さっぱり、見る事が出来ないよ……。




