表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天翔雲流  作者: NOISE
不死鳥の如く
1833/1865

ああ、あの頃が懐かしい……。

 セナが、今まで以上に、執務室に来る様に成った。

 俺の膝に乗り、

「ジャショウ!セナ、足し算覚えた!お手伝いするね♪」

「ははは!それでは、ここの計算を、頑張ってもらいましょうか?」

「うん♪」

 セナが、一生懸命、計算を始めた。

 幼いながらに、頑張っているな。

 丁度そこに、

「セナ様!セナ様!」

「ローバだ!ローバ!セナは、ここだよ!」

 セナは、満面の笑顔で、応える。

 ローバも、執務室の現れ、

「ジャショウ王!ご壮健の様で何よりです!」

「ははは!ローバ殿!そう、畏まらないでくれ!貴方も、私の家族だ!ジャショウでも、ジャショウ殿でも、気軽に呼んでくれ」

「いえ!セナ様の御前です!礼儀作法は、しっかり、見本を見せませんと!」

「ははは!ローバ殿は、よく、セナの事を、育てている様だな?感心するよ。これで、スターリーの未来も、安泰だな」

「はっ!勿体無きお言葉!」

 深々と、頭を下げるローバ。

 俺は、笑い、肩を叩く。

 ローバにウインクし、

「今晩、どうだ?少し、二人で、酒を飲もう」

「はっ!御心のままに!」

 やれやれ……。

 ローバは、根を詰めすぎだな。

 少し、ガス抜きしてやらぬと。

 たまには、家族と、酒を飲むのも、悪くは無いだろう……。



「ジャショウ殿!私は、私は!」

「ははは……。ローバ殿は、根を詰めすぎだ。少し、肩の力を抜いて、セナと、接してやってくれ」

「分かっております!分かっておりますが……。あの男を、思い出すのです!セナ様は違う!供に暮らして、頭では、よく分かっています!聡明で、善悪を、あの歳で、よく理解しております!それでも、あの男の顔が、脳裏に、ちらつくのです……」

「そうか……。それでも、セナは、ローバ殿の事を、よく慕っている!その事だけは、よく覚えておけよ?あの男の様に、私を、失望させないでくれ」

「ええ、分かっております。分かっておりますとも!セナ様は、我が子の様なもの!時には厳しく。大切に育てます!」

「ああ、頼りにしているよ」

 ローバは、酒が入ると、泣き上戸と、なるのだなぁ。

 いや……。

 多くの苦難が、そうさせているのか……。

 俺は、ローバの背を摩る。

 ローバは、泣きながら、

「ローフよ!済まない事をした!我等の咎だ!王を諫めるのが、忠臣の務め!我等は、逃げていたのだ!」

 やれやれ……。

 長い夜に、成りそうだ……。

 セナよ、立派に育てよ……。

 ここから先は、俺達大人が、道を切り開き、お前達の時代と成る。

 ヨセフは、駄目であったが……。

 セナよ。人々を照らす、光と成れ……!



「ジャショウ君。父の事、感謝します」

「んあ?エローラか?別に、俺が、酒の友を、欲しただけだ。気にする必要は無いよ」

「ふふふ……。それでも、ありがとうございます。今日の父の顔は、清々しいモノでした。父は、弾む声で、ジャショウ君こそ、誠の王だと。私も、そう思いますよ」

「ははは!俺は、壊す事しか出来ない、愚かな王だよ。エローラ達の、誰かが、王に成ったらどうだ?」

「ジャショウ君!また、そう言う事を言う!もっと、シャキッとしなさい!ジャショウ君の代わりは、誰にも、務まりません!」

「はぁ……。俺も、ヨルムの親父達の様に、隠居したいんだがなぁ……」

「馬鹿な事を、言っていないで、今日も、しっかり、働いてもらいますよ!」

「ははは……」

 やれやれ……。

 これでは、俺は、王のままか……。

 人々の笑顔……。

 強欲勇者と呼ばれたころが、懐かしいな……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ