思い……。
ヨーレスが、南北の、再統一後。時が来たら、セナに、王位を譲ると明言する。
これにより、静観していた、元ヨーシュア地方が、北に同調する。
孤立してゆく、南スターリー。
いや、ヨセフがか……。
南スターリーの者達は、ヨセフの恐怖政治に、耐えきれず、脱国者が、後を絶たないと言う。
多くの賢臣は、ヨセフを諫め、処刑されている。
残されたのは、媚びへつらう、佞臣達。
それもまた、命懸けの、媚びようだ。
少しでも、ヨセフの怒りを買えば、あっさりと、殺される。
壊れたヨセフを、止められる者は、もう、既に、南スターリーには、存在しない。
壊れたと言ったが、今思えば、これが、ヨセフの、本性なのかもしれない。
俺とヨシカと言う、枷を失い、暴走したのだろう。
俺達が、スターリーに居た頃も、所々で、本性が、垣間見えていた。
敵と認識すれば、容赦が無かった。
そこら辺は、俺とよく似ている。
しかし、あいつは、スターリーの王子であったが故に、味方を、作る事を知らなかった。
俺とは違い、ただ存在するだけで、ヨセフの味方は、多く存在したからだ。
だから、一度、枷が外れれば、歯止めがきかない。
形だけの、味方……。
それ故に、奴の味方は、簡単に、敵へと変わる。
信念を、共有する、味方が居ないのだ。
そこが、ヨセフと俺の、決定的な、違いと成ったのだ。
ヨセフの夢は何だ?
ヨセフの信念は、何処に在る?
誰にも、それが、分からない。
それとも、元から、そんなモノは、存在しなかったのか?
ヨセフ・スターリー……。
お前は、孤独の中で、何を望んでいるのだ……?
南が、北に対して、停戦を、求めて来た。
ヨーレス達は、眉を顰める。
都合に良い、話だ。
北は、このままの勢いで、スターリーを、統一したい。
南の要求に、応える理由が無いだろう。
それでも、ヨーレス達は、南との対談に応じた。
それは、全て、南の民の為だ。
暴走するヨセフに、何とか、歯止めをかけたい。
ヨーレス達の、恩情であろう。
例え、袂を分かったとは言え、一度は、敬愛し、信じた兄だ。このまま、暴君として、死なせたくは無い。
出来る事なら、幽閉……。
それが叶わなくても、王として、清き死を、ヨセフに望む。
その思いが、今のヨセフに、届くだろうか?
今のヨセフに、ヨーレス達の思いが、通じると言うのか……?
悲しいけど、難しいだろうなぁ……。




