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天翔雲流  作者: NOISE
不死鳥の如く
1830/1865

思い……。

 ヨーレスが、南北の、再統一後。時が来たら、セナに、王位を譲ると明言する。

 これにより、静観していた、元ヨーシュア地方が、北に同調する。

 孤立してゆく、南スターリー。

 いや、ヨセフがか……。

 南スターリーの者達は、ヨセフの恐怖政治に、耐えきれず、脱国者が、後を絶たないと言う。

 多くの賢臣は、ヨセフを諫め、処刑されている。

 残されたのは、媚びへつらう、佞臣達。

 それもまた、命懸けの、媚びようだ。

 少しでも、ヨセフの怒りを買えば、あっさりと、殺される。

 壊れたヨセフを、止められる者は、もう、既に、南スターリーには、存在しない。

 壊れたと言ったが、今思えば、これが、ヨセフの、本性なのかもしれない。

 俺とヨシカと言う、枷を失い、暴走したのだろう。

 俺達が、スターリーに居た頃も、所々で、本性が、垣間見えていた。

 敵と認識すれば、容赦が無かった。

 そこら辺は、俺とよく似ている。

 しかし、あいつは、スターリーの王子であったが故に、味方を、作る事を知らなかった。

 俺とは違い、ただ存在するだけで、ヨセフの味方は、多く存在したからだ。

 だから、一度、枷が外れれば、歯止めがきかない。

 形だけの、味方……。

 それ故に、奴の味方は、簡単に、敵へと変わる。

 信念を、共有する、味方が居ないのだ。

 そこが、ヨセフと俺の、決定的な、違いと成ったのだ。

 ヨセフの夢は何だ?

 ヨセフの信念は、何処に在る?

 誰にも、それが、分からない。

 それとも、元から、そんなモノは、存在しなかったのか?

 ヨセフ・スターリー……。

 お前は、孤独の中で、何を望んでいるのだ……?



 南が、北に対して、停戦を、求めて来た。

 ヨーレス達は、眉を顰める。

 都合に良い、話だ。

 北は、このままの勢いで、スターリーを、統一したい。

 南の要求に、応える理由が無いだろう。

 それでも、ヨーレス達は、南との対談に応じた。

 それは、全て、南の民の為だ。

 暴走するヨセフに、何とか、歯止めをかけたい。

 ヨーレス達の、恩情であろう。

 例え、袂を分かったとは言え、一度は、敬愛し、信じた兄だ。このまま、暴君として、死なせたくは無い。

 出来る事なら、幽閉……。

 それが叶わなくても、王として、清き死を、ヨセフに望む。

 その思いが、今のヨセフに、届くだろうか?

 今のヨセフに、ヨーレス達の思いが、通じると言うのか……?

 悲しいけど、難しいだろうなぁ……。


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