破壊と破壊
「セナ様。王様の勉強を、今日も、致しますよ」
「うん!セナ頑張る!」
あれから、二週間が過ぎた。
セナとローバは、上手くやっている様だ。
セナは、ローバに懐き。ローバは、セナの事を、我が子の様に、可愛がっている。
勉強の時は、何時も真剣だ。
こちらは、大丈夫だろう。
問題は、スターリーの方だ。
北の勢いに、南は、防戦一方。その上、民心は、ヨセフから、離れてしまっている。
それでも、ヨセフは、力で、民と家臣を、押さえ付け、未だ、玉座に、君臨している。
魔王と化したか?ヨセフ!!
一度、ヨセフとも、話さなくては為らぬか……。
これは、スターリーの問題だ。
しかし、俺は、ヨセフの心が知りたい。
俺は、一人、席を立つ。
「兄上の所に、行くのですね……?」
「ヨシカ……」
ヨシカは、全てを察し、待っていたのだろう。
俺の隣に、静かに立つ。
「私も行きます。兄上の、真意を知りたい。本物の、暴君と成ったのか……?私にも、知る権利があります!」
「そうか……。そうだな。為らば、二人で行くとしよう」
俺とヨシカは、空間転移をする。
ヨセフ、お前は、何に成ろうとしているのだ……?
スターリー王城、謁見の間……。
「待っていたよ?ジャショウ君にヨシカ。少し、来るのが、遅いんじゃないかい?」
「ヨセフ……」
ヨセフは、狂気を纏い、狂った様に笑う。
大声で笑い、
「聞いてくれよ!皆、可笑しいんだよ!私は、ジャショウ君と、同じ事を、やっていると言うのに、皆、私を、恐れるんだ!その上、皆、私に歯向かう!まったく!何が違うと言うのだ?」
「兄上、本気で、言っているのですか……?」
ヨシカは、ヨセフの言葉に、眉を顰める。
ヨセフは、不思議そうに、
「だって、これが、ジャショウ君の、やり方だろう?自分の意を通す為に、力で、人をねじ伏せる!気に入らない者は、容赦なく殺し、繁栄しているじゃ無いか!何が、違うと言うのだい?」
「兄上!いや、ヨセフ!貴様は、そこまで、腐ってしまったと言うのか!!ジャショウ君とお前は、何もかもが違う!ジャショウ君の破壊は、その先に、未来が有る!しかし!貴様の破壊には、何も無い!ただ、癇癪を起して、壊しているだけだ!!そんな人間に、誰が、付き従うと言うのだ!!」
「ははは!ヨシカ!言ってくれるねぇ!破壊は破壊だろう?未来が有る?為らば、ジャショウ君が壊した、スターリーに、どんな未来が有ると言うのだ!?首都は荒廃し、国は、二つに分かれた!全ての発端は、ジャショウ君だよ?」
「ふざけた事を言うな!!貴様は、何時もそうだ!厄介事や、都合の悪い事を、全て、ジャショウ君に、押し付ける!!だから、貴様は、成長しないのだ!だから貴様は、多くの者達から、背を向けられたのだ!そんな事も、理解出来ないとは、貴様は、そんなに、愚かな人間であったのか!!」
ヨシカは、ヨセフの言葉に怒り、思いのたけをぶちまける!
ヨセフは、ヨシカの言葉で、無表情に成る。
しかし、その瞳には……!
憎悪。憎悪!憎悪!!
全てを憎み、ヨセフは、君臨している。
ヨセフは、俺を、ぎろりと睨み、
「ジャショウ君……。君は、罪を償わなくては為らない……!スターリーを壊し、私の夢を壊した!その罪を、今!ここで!直ぐに償え!!」
これが、あのヨセフか……。
こいつの全ては、全て、まやかし……。
俺に見せた、最後の、王の背も……。
残念だよ、ヨセフ……。
君は、やはり、王の器では無かったか……。




