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天翔雲流  作者: NOISE
降りかかる火の粉
1822/1865

人々の為に……!

「ふぅ……。あ奴の笑顔の裏には、お主への、嫉みと憎しみが、渦巻いておったのか……」

「済みません……。私も、浅はかでありました。エネスの為に、周りが見えず。ヨセフは、蔑ろにされたと、思う様に成ってしまったのでしょう」

「ジャショウよ!そうやって、罪を背負う事は止めよ!お主は、エネスの民の笑顔を、否定するのか?これは、あ奴の罪じゃ!あの、矮小で愚かな男の……。我が息子の罪じゃ!」

「ヨルムの親父……」

 俺は、ヨルム達の優しさに、俯き震える。

 ヨルムとフィールは、実の息子では無く、俺を、選んでくれた……。

 この恩義に、報いなくては為らぬ!

 フィールが、優しく、俺を抱きしめる。

「さあ、楽しい忘年会なのですから、その様な顔をするのは、お止めなさい。皆、待っていますよ?」

「あ、ああ、そうですね……。これ以上、辛気臭い顔をしていたら、ガッツ達に、怒られてしまう。親父、お袋!皆の所に、参りましょう!」

 ヨルムとフィールは、優しく笑い、力強く頷く。

 ああ……。

 何と、温かな、両親なのだ。

 俺は、胸を張り、前を向く。

 そうだ!

 俺は、立ち止まる訳にはいかぬ!

 エネスの為にも、この、温かな、家族の為にも……!

 ヨセフの、最後の願い……。

 俺は、セナ達の為に、前を歩き、その背を見せ続けなくてはな……!



「ジャショウ来た!ジャショウ、ジイジとバアバと、お話ししてたの?」

「ん?ああ……。少し、セナのジイジとバアバを借りて、甘えていたんだよ♪」

「ジャショウも、甘えん坊さん?セナと、一緒だね♪」

「ははは!そうだな♪」

 俺は、セナを抱き上げ、宴の中へ。

 ガッツ達は、安心したような顔で、笑顔を見せる。

 俺の背を叩き、

「ばあか!お前は、何でも、しょい込み過ぎだ!俺達は、何時だって、お前の側に居るよ!」

「ああ、済まない、ガッツ。そして皆!俺は、これからも、前を向いて歩くよ」

「当たり前だ!馬鹿野郎!お前が、俺達を、ここまで連れて来たんだ!責任取って、どこまでも、真っ直ぐ進め!」

「ははは!そうだな!」

 そうだ……。

 ヨセフの前で、宣言したでは無いか。

 俺は、俺を求める者達の為に、王であろうと……!

 俺は、ただ、前を歩けば良い。

 まっすぐ歩き、人々の為に、道を創るのだ。

 ヨセフよ……。

 俺は、王で、有り続けるぞ……!

 俺は、人々に囲まれ、心の底から、笑っていた……。


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