人々の為に……!
「ふぅ……。あ奴の笑顔の裏には、お主への、嫉みと憎しみが、渦巻いておったのか……」
「済みません……。私も、浅はかでありました。エネスの為に、周りが見えず。ヨセフは、蔑ろにされたと、思う様に成ってしまったのでしょう」
「ジャショウよ!そうやって、罪を背負う事は止めよ!お主は、エネスの民の笑顔を、否定するのか?これは、あ奴の罪じゃ!あの、矮小で愚かな男の……。我が息子の罪じゃ!」
「ヨルムの親父……」
俺は、ヨルム達の優しさに、俯き震える。
ヨルムとフィールは、実の息子では無く、俺を、選んでくれた……。
この恩義に、報いなくては為らぬ!
フィールが、優しく、俺を抱きしめる。
「さあ、楽しい忘年会なのですから、その様な顔をするのは、お止めなさい。皆、待っていますよ?」
「あ、ああ、そうですね……。これ以上、辛気臭い顔をしていたら、ガッツ達に、怒られてしまう。親父、お袋!皆の所に、参りましょう!」
ヨルムとフィールは、優しく笑い、力強く頷く。
ああ……。
何と、温かな、両親なのだ。
俺は、胸を張り、前を向く。
そうだ!
俺は、立ち止まる訳にはいかぬ!
エネスの為にも、この、温かな、家族の為にも……!
ヨセフの、最後の願い……。
俺は、セナ達の為に、前を歩き、その背を見せ続けなくてはな……!
「ジャショウ来た!ジャショウ、ジイジとバアバと、お話ししてたの?」
「ん?ああ……。少し、セナのジイジとバアバを借りて、甘えていたんだよ♪」
「ジャショウも、甘えん坊さん?セナと、一緒だね♪」
「ははは!そうだな♪」
俺は、セナを抱き上げ、宴の中へ。
ガッツ達は、安心したような顔で、笑顔を見せる。
俺の背を叩き、
「ばあか!お前は、何でも、しょい込み過ぎだ!俺達は、何時だって、お前の側に居るよ!」
「ああ、済まない、ガッツ。そして皆!俺は、これからも、前を向いて歩くよ」
「当たり前だ!馬鹿野郎!お前が、俺達を、ここまで連れて来たんだ!責任取って、どこまでも、真っ直ぐ進め!」
「ははは!そうだな!」
そうだ……。
ヨセフの前で、宣言したでは無いか。
俺は、俺を求める者達の為に、王であろうと……!
俺は、ただ、前を歩けば良い。
まっすぐ歩き、人々の為に、道を創るのだ。
ヨセフよ……。
俺は、王で、有り続けるぞ……!
俺は、人々に囲まれ、心の底から、笑っていた……。




