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Sadistic mayor 2

タクシーから降ろされたアーロンは市長のネクタイで目隠しされた。恐怖を覚えている体が勝手に震えだした。それも市長にはたまらないらしい。


ハワードの秘密の快楽部屋である貸しガレージに連れ込まれると目隠しを外されたが、そのネクタイで今度は後ろ手に縛られた。あの時のまま、冷たい檻が獲物を待っていた。


「さあかわいい白いウサギちゃん、今日はどうやって可愛がってあげようかな?」


アーロンはきつく目を閉じていた。


「とにかく服は邪魔だね、ナイフで切り裂いちゃおうね。それからキミの大好きな首輪をしてあげよう。キミはペットだ」


スマホはパンツのポケットに入れてあったが、うまくそのまま脱がされてバレなかった。


檻の鉄柵につながれた首輪をつけてひざまずかされたアーロンの顔に一発目の殴打が入った。ハワードはうれしそうに笑っている。


「痛いかい? うれしいだろう?」


エヴァン! 助けて。


二発目が鼻にヒットした。ボタボタと鼻血が床に落ちた。血をみてハワードはさらに興奮した。


「あーあ、きれいな顔が台無しになっちゃったね」


三発目は腹への蹴りだった。アーロンは床に崩れた。 エヴァン……

あとはもう市長の欲望のなすがまま、サンドバッグと化したアーロンだった。


その時ガレージのドアを激しく叩く音が響いた。

ハワードはギョっとしてうろたえていた。ドアを破る音が聞こえた。

銃をかまえた警官がなだれ込んできた。


「ハワード、暴行監禁の現行犯で逮捕する」


「私は市長だ! 彼とはプレイを楽しんでいただけだ! 合意の上だ! そうだよな!」

 

「助けて! 助けて! 殺されちゃうよ!」


血まみれの顔で後ろ手に縛られたアーロンが泣き叫んだ。



病院で治療を受けたアーロンは警察での事情聴取を終えた後、ラルフとエヴァンに付き添われてラルフの部屋に帰ってきた。

入院をすすめられたがアーロンがどうしても拒んだ。


「アーロン!」


すでに戻っていたバネッサが泣きながら抱きついてきた。


エヴァンはとても落ち込んでいた。救出が遅すぎた。同じようなガレージが並んでいてアーロンが監禁されているガレージの特定が遅れたのも一因だった。

結果、再びアーロンの体に傷を、心に恐怖と屈辱を刻み込ませてしまった。


「すまなかった」


とエヴァン。アーロンの顔を見られなかった。


「謝らないでよ、お願いだから。おかげであのクソ野郎は逮捕されたんだし。僕には感謝の気持ちしかないんだよ」


腫れた痛々しい顔でアーロンは言った。


「そもそも自分が蒔いた種だ。自業自得だよ。それなのにエヴァンやラルフ、バネッサを巻き込んでしまった、本当にごめんなさい」


重苦しい空気に包まれていた。バネッサはまだ涙が止まらなかった。


「それで、申し訳ないんだけど」


アーロンが言った。


「僕はとてもお腹がすいてしまったんだ」


「あら、ごめんなさい。そうね、パーティの料理も食べられなかったものね。今すぐ何か作るわ」


ラルフが手で涙を拭いながら立ち上がった。


「私も手伝う」


バネッサが続いた。


エヴァンはまだひどく落ち込んでいた。怒りをコントロールできないまま作ったリベンジのシナリオは完璧ではなかった。

せっかく傷が癒えたアーロンをまたこんな姿にしてしまった責任は自分にある。

最悪の場合、アーロンを失っていたかも。

そのエヴァンの苦しそうな表情を見てアーロンもまた心が痛んだ。


せっかくのラルフの手料理も手をつけられないまま冷めてしまうほど、みんな意気消沈していた。

ひとりアーロンだけが旺盛に食べる努力をしていた。

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