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アヤカシの末裔  作者: 遠野まみみ


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3/6

村の人々

「多嘉良さーん」「おお、いらっしゃい。美和のお友達…えーっと」

多嘉良が頭を掻いてさえを見る。

「田島さえです。よろしくお願いしまーす」

「うんうん、JKは元気でいいねぇ。おじさん、今はこんなだけど…」

出っ張ったお腹をポンポンしながら「若いころはイケメンでー…」言いかけると

「うん、それ100回くらい聞いた。これお土産ね」と美和は荷物を渡して

「村の中を案内してくるねー」と、来た道をひき返す。

「晩御飯までには帰るんだぞー」

「お母さんみたい。美和のお母さんの幼馴染…だっけ?」とさえが笑う。

「うん。とっても面倒見がいいの。いい人なの。」と美和が笑う。



10歳くらいの男の子と女の子が川の中で泳いでいた。

「あ 美和ちーん」少女が声をかける。

「梓ちゃん、早瀬さーん」美和が手を振る。少年は早瀬。少女は梓といった。

「多嘉良さんのトコにお土産置いてあるから、あとで寄ってね」

「ありがとー」嬉しそうにふたりが手を振った。


「ねえ、まだ6月になったばかりだよ。泳ぐには早くない?」

心配そうにさえが言う。

「あの二人、泳ぐのが得意で好きなの。だから大丈夫」

「そ…そうなんだ」美和の説明にイマイチ納得がいかないけれど、

まあ、いいか。と頷くさえだった。



坂を上ると大きな屋敷があって、その前に銀色の長い髪をした

着物の男性が立っていた。やや耳が大きい。

「やあ、いらっしゃい」低いけれど爽やかな声が心地いい。


「こんにちは。戸隠とがくしさん。今日は友達と来たの。」

「そうか。隣にいらっしゃる人?」

「はい。彼女が田島さえちゃんです」美和が手のひらを上にして、

さえを紹介する。

「よろしくさえさん。ゆっくりしていってください」

「あ はい。ありがとうございます」おじぎをするさえ。

「じゃあまたあとで」美和は手を振って、戸隠と別れる。


「ちょっと素敵な人だね」さえが美和にささやく。

「イケメンでしょー」 「うんうん」



「あら美和ちゃん、お友達?」と向かいから歩いてきた老女が声をかけた。

「志乃おばあちゃん、こんにちは」

「こんにちは。美和の友人の田島さえです」

「あら、うふふ。わたしが視えるのねぇ」と老女は消えた。

「はっ?え?えええ?」

「志乃おばあちゃんは、去年亡くなって…まぁ、そういうことで」

美和の説明に「美和も視えたよね?」と確認するさえ。



「橘さんが言っていた小学生の時の話は本当で、私にはそういう力があるの。

死人が視えて、話せる」

少し悲しそうに笑う美和だった。

「じゃあ、視えたわたしも同じ?美和と一緒。やだぁ。なんか嬉しい。

びっくりするより、仲間って感じで嬉しいかも」とさえが笑った。


「マジで?そう思う?」美和の問いに「当たり前じゃん。」と

さえはえへへと笑った。


【なくしたくない大切な親友】だと思う美和だった。


読んでいただき、ありがとうございます。

引き続き、楽しんでいただけますと嬉しいです。

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