[COORDINATE 0047] Sage’s Labyrinth ver.Valerion 4
# Core_Drive_Analysis_1:
迷宮の主と思われるナイトメアを討伐し、階段を下った先には奇妙な戸があった。
戸の前に立った瞬間、空気が流れる音がして、ひとりでに戸が開く。
驚きつつも、その戸の中へ足を踏み入れた俺たちは、思わず立ち止まった。
そこは、俺が想像していた最下層とはまるで違っていた。
「な、なんだここ……」
床には、白い石畳のようなものが等間隔に敷き詰められていた。
だが、石畳と呼ぶにはあまりにも平坦すぎた。
表面は鈍い光沢を帯び、灯火の光を冷たく跳ね返していた。風のない日の泉のように滑らかで、近くで見ても石らしい凹凸はほとんどない。
壁もまた青白く、異様なほど真っ直ぐだった。
継ぎ目のような線は見えるのに、迷宮につきものの荒れや歪みが一切ない。
あまりにも整いすぎていて、見ているだけで気分が悪くなりそうだった。
俺が一歩、中へ足を踏み入れた、その瞬間だった。
ぱっ、と音もなく天井が白く灯る。
「――っ」
反射的に身構えた。
だが攻撃ではない。ただ、部屋が急に明るくなっただけだ。
先に部屋へ入っていたルナリアが、驚いたように俺を振り返った。
真っ白な照明に照らされた金糸の髪が、さらりと肩から流れ落ちる。
「え、アルス。今、灯火の魔法使った?」
俺は首を横に振った。
「いや、俺じゃない」
勝手に明かりが灯った。
そうとしか言いようがなかった。
俺は周囲を見回しながら、フェリスへ問いかける。
「ここが賢者の知識が眠る最下層なのか? 想像と違うな。……さっきのナイトメアは、主じゃなかったのか?」
フェリスは壁へそっと手をつき、眉根を寄せていた。
真っ直ぐな水色の髪が、彼女の動きに合わせて揺れた。
「……いや。ナイトメアは上位魔物の中でも高位の存在だ。……部屋の作りから考えても、主でなかったとは考えにくい」
そこで言葉を切り、彼女は低く続けた。
「……だが、アルス、ルナリア。警戒しておけ。……この壁、一切の音を運んでいない」
「なにか変な感じなのか?」
俺も耳を当てて壁を叩いてみた。
壁の石は想像していたよりずっと硬質で、俺が叩いたはずの音は耳へ伝わってこなかった。
「……ん。何の響きも返ってこない。お前たちの足音もだ」
俺は改めて周囲を見た。
迷宮の最下層と思しき場所だというのに、部屋は照明のせいで不気味なほど明るい。
なのに暖かさはなく、白い光が無機質に空間を照らしているだけだった。
その光のおかげで、部屋の中はすべて見通せた。
左右の壁に小さな戸が二つずつ、合計四つある。
そして正面奥には、それらよりひときわ大きな両開きの戸があった。
俺たちは、セルナ統領に頼まれた神器製作の件もあるので、まず左右の戸を調べてみた。だが、どれにも取手らしきものがない。
押しても引いても、叩いても、開く気配はまるでなかった。
諦めて、俺たちは正面奥の大きな両開きの戸を見やった。
その戸にも、同じように取手は存在していなかった。
「……まあ、あれだよな」
「そうだね。中に宝箱とか、そういうのがあるのかな?」
つかつかとフェリスがその戸へ歩み寄り、手をついた。
眉根を寄せた後、長い耳を寄せて軽く数度叩く。
「……駄目だ。開け方はもちろん、内部が空洞かどうかすら不明だ」
俺はフェリスの側まで歩いていき、彼女の様子を見た。
強い意志を感じさせる目元を細め、視線を下げながら、なんとか音を探ろうとしていた。
いつも通りのその美しい顔を少し見つめてから、俺は頭の後ろで手を組んだ。
ちらりとフェリスの後ろ側を見る。
そこには、先ほどから気になっていた杭があった。
腰の高さほどの白い杭のようなものが立っていた。
上部には透明な板のようなものが貼りつけられていて、そこだけが青白く発光していた。
「……なんだろうな、これ」
近づいてみると、板の上には何か文字のようなものが浮かんでいた。
だが、俺にはまったく読めない。見たことのない形だ。
賢者の迷宮というくらいだし、古代文字か何かなのだろうか。
"Please touch the panel above."
綺麗な板だ。表面は信じられないくらい、つるつるしていて、青白く発光している。
これが実は迷宮の宝で、この杭から外せたりしないだろうか。
軽い気持ちで、その透明な板に触れてみた。
ピッ。
短い、乾いた音が鳴った。
次の瞬間、背後から男の声が聞こえた。
「Welcome, pilgrim who has overcome the trial.」
俺たちは弾かれたように声のした方を向く。
大きな戸の周りに集まっていた俺たちの背後、誰もいなかったはずの場所に、男が立っていた。
両手は下ろしている。武器をもっている素振りはない。
薄く青みがかった白い髪を短く切り揃えていた。
黒いローブを羽織り、目元は黒い布で完全に覆われていた。
人間に見える。
だが、その黒いローブの男の向こう側がうっすらと透けて見えた。
――まずい。
魔族の瞬間移動か。
それとも、別の何かか。
判断がつかない。
俺は星切を鞘から引き抜いた。
同時に、支援魔法を展開しようと意識を切り替える。
ルナリアとフェリスは、すでに抜刀し、俺を守るように立っていた。
二人とも構えを解かないまま、どうするべきかを問うように、視線をこちらへ向けてきた。
抜刀した俺たちを見ても、男は微動だにしない。
ただ、先ほどと同じ平坦な声で続けた。
「失礼した。今のは古代語である。剣を収めよ。試練を超えし巡礼者たちよ」
当然、ルナリアもフェリスも警戒を解かない。
二人に警戒と防衛を任せ、俺は情報を得るため、会話と観察を優先することにした。
俺は黒いローブの男に問いかけた。
「お前は何者だ。魔物じゃないのか?」
黒いローブの男は淡々と答える。
「私は賢者ジークフリートの残した案内人である。賢者の叡智を求めし者よ。よくぞ試練を突破した」
そこまで言って、案内人を名乗る男は、俺が触れていた光る板へ顔を向けた。
「そこな、審判の板へ手をかざすが良い」
俺はその光る板と、案内人を名乗った男を見比べた。
「……ん? これに手をかざすのか?」
案内人の目元が布で覆われていて、感情が読めない。
口調だけは淡々としたまま続けた。
「左様。女神の力は万物に通じる。故に、資格なき者へ叡智を授けることはできない。女神リゼット様が定めし魂の定義『コアドライブ』が、聖人たるに相応しいと認められる必要がある」
聞いたことのない言葉が混じっていたが、話の内容は理解できた。
つまり、女神の力を手に入れるに相応しい高潔さを示せってことか。
「汝の魂が真に正しきものであるならば、叡智への道が開く」
引き出せる情報は引き出しておきたいと思った俺は、なお案内人に食い下がった。
「こんな光る板で俺の魂をどうやって測るんだ?」
案内人は俺の態度に、眉をわずかに上げた。
数瞬の後、面倒そうに告げる。
「……女神の奇跡だ」
それだけを伝えて、用は終わったとばかりに案内人の姿は掻き消えた。
「え、消えた……」
瞬間移動だろうか。
賢者というくらいだから、人知を超えた魔法を使用してもおかしくはない……か?
疑問だけが、俺の頭に浮かび続けた。
二人はすでに構えを解いており、俺の決断を待つかのように目線を向けていた。
そうだな、いつまでも固まっていても仕方がない。
俺は勇者候補だ。
高潔な魂を見せてやろうじゃないか。
星切を鞘へ仕舞って、青白く光る透明な板に目線を向けた。
本当に不思議な板だ。何でできているのか、少し気になった。
描かれた文字が変わっている。
何て書いてあるか全く読めないが、さっきの話からすると、手を置けとか何とか書いてあるんだろうか。
"We will now scan your Core Drive.
Please place your hand on the touch panel."
部屋も光る板も、あまりにも無機質で、とても女神の奇跡には見えない。
しかし、ここは賢者の迷宮だ。
俺が思案しているのを見て、ルナリアとフェリスも武器を収めて近くへ歩いてきた。
二人は光る板と俺を交互に見ながら、心配そうな顔で声をかけてくる。
「アルス、わたしが先にやってみようか?」
「……ん。罠の可能性を考えるなら、私からがいい」
二人の心配する声が、俺の背中を押してくれた。
冒険者がここまで来て、何もしないわけにはいかない。
そして、試すなら俺からだ。
俺はそっと綺麗な光る板へ手を置いた。
ピッ。
再び、さきほどの短い音が鳴った。
板の上に数字が浮かび上がり、規則正しく増えていく。
"Scanning ...10% ...20% ...30%"
"Scanning ...80% ...90% ...100%"
"Scan complete."
一拍置いて、その文字は消え、別の文字が光る板に描かれた。
* * *
Your Sage Aptitude is 30%.
As this falls below the required threshold of 95%,
you have been judged unqualified.
Proper Name: Ars
Management Code: H0584-000381
Race: Human
Reason for Judgment:
The nature of your Core Drive is excessively worldly and vulgar.
You are therefore deemed unfit to receive the wisdom of the Sage.
* * *
板の色が、青から赤へ変わった。
「賢者は絶対、馬鹿だろう」
思わず、つい口をついて罵倒が出てしまった。
俺は開き直って、そのまま虚空に向かって文句を言った。
「おい、案内人。聞いてるか。古代語なのか何なのか知らないが、後任者のために作った迷宮じゃないのか。
なんで自分たちの文字で伝えようとするんだよ」
ピッ。
再び短い音が鳴った。
光る板へ目をやると、文字が書き換わっていた。
見たことのない古代文字の上に、今度は俺たちにも読める言葉が描かれている。
* * *
あなたの賢者適性は30%です。
適性基準値95%未満のため、資格無しと判断します。
固有名:アルス
管理番号:H0584-000381
種族:人類
判定理由:
コアドライブの性質が極めて俗物的であるため、賢者の叡智を授かる資格は認められませんでした。
Your Sage Aptitude is 30%.
As this falls below the required threshold of 95%,
you have been judged unqualified.
Proper Name: Ars
Management Code: H0584-000381
Race: Human
Reason for Judgment:
The nature of your Core Drive is excessively worldly and vulgar.
You are therefore deemed unfit to receive the wisdom of the Sage.
* * *
俺は、白い杭をルナリアに命じて破壊してやろうかと思った。
夢で来いと言っておいて、資格無しとはどういうことだ。
俺は憤慨していた。
* * *
――アルスが、光る板による聖人判定を受けていた頃。
時間の経過がわからない迷宮にいるアルスたちは知る由もないが、外はすでに真夜中だった。
大森林の奥地にそびえ、圧倒的な威容と人知を超えた神秘を湛えながら、今なお人々の祈りを受け止め、願いを叶え、祝福を届け続けている世界樹。
その美しく偉大な世界樹から、眩いばかりの光が空へと立ち上った。
比喩ではない。
宵闇に沈む大森林を真昼のように染め上げたその光は、遥か空の彼方、さらにその先まで届いていた。
その輝きは大森林だけに留まらず、遠く離れた三大国にまで及ぶ。
やがて光は静かに収まり、大森林には再び静寂が戻った。
そして世界樹の中で、ひとり佇む銀髪の女神が、驚きと喜びに目を見開いて叫んだ。
一雫の涙が彼女の頬を伝った。
「お兄ちゃん!」
* * *
# Core_Drive_Analysis_2:
俺は人を試すような小馬鹿にした光る板の文字に憤慨していた。
しかし、落ち着いて考えてみると、俺が聖人でないことなど言われなくても知っていた。
星空のリゼット様だって、そんなことわかってるだろうに。
日々おっぱいのことしか考えていない。
いや、最近は脚もいいなと思っている。
そんな益体もないことへ意識が向いたお陰か、俺は冷静さを取り戻した。
平常通りに戻った俺は、ルナリアに目を向ける。
この無機質な灯りに照らされた白い部屋でも、彼女の赤い瞳は輝くように美しい。
俺をなんとか慰めようとして、潤いを含んだ唇がふるふるしている。
「アルス、大丈夫? 見る目がないね、この文字板」
「本当だよな。よし、じゃあ次はルナリアがやってみてくれ」
ルナリアは予想していなかったのか、戸惑ったように不安げな表情を俺へ向けた。
「えっ! アルスが駄目なのに、わたしが資格あるわけないよ。フェリスちゃんの方がいいよ」
ルナリアは眉根を寄せて渋っていた。
本心から思っているようだが、少なくとも俺よりは適性があるだろう。
「どのみち、全員やらないといけないだろうし、試しにやってみろよ」
「きみがそう言うなら……。がっかりしないでね?」
ルナリアが白く小さな手をそっと置く。
"Scanning ...10% ...20% ...30%"
"Scanning ...80% ...90% ...100%"
"Scan complete."
* * *
あなたの賢者適性は0%です。
適性基準値95%未満のため、資格無しと判断します。
固有名:ルナリア・アストライア
管理番号:H0584-000742
種族:人類
判定理由:
コアドライブの性質が極めて危険であり、なおかつ強度が異常値を示しています。
賢者の叡智を授かる資格は認められませんでした。
Your Sage Aptitude is 0%.
As this falls below the required threshold of 95%,
you have been judged unqualified.
Proper Name: Lunaria Astraia
Management Code: H0584-000742
Race: Human
Reason for Judgment:
The nature of your Core Drive is extremely hazardous,
and its intensity registers abnormal values.
Qualification to receive the wisdom of the Sage has not been granted.
* * *
俺よりひどかった。
ルナリアが肩を落としてしょんぼりしている。
彼女の目尻は可哀想なくらい下がっていた。
「ほらぁ……。わたしじゃ駄目だよ」
「ま、まあ気にするな。お前の言う通りだ、この光る板の見る目がないんだ」
ルナリアを慰めつつ、そんなに気にすることはないと本当に思い始めていた。
俺とルナリアの数字の差を見る限り、これは単純な聖人判定とは言えない気がする。
俺が高くてルナリアが低い。
つまりこれは、誠実さだとか、正義感だとかそういったものを見ているわけじゃない。
俺はルナリアの肩に手をおいたままフェリスを見やった。
「じゃあ、次はフェリスだな」
「……ん。気は、進まないが。」
フェリスが光る板へ手を置いた。
"Scanning ...10% ...20% ...30%"
フェリスは物静かに見えて、けっこう武闘派だからな。
人のことは言えないが、恐らくフェリスも資格無しだろうな。
フェリスが駄目だったら、聖人そうな人をつれてこなければならない。
うーん。誰がいいだろうか。
俺の中の聖人一位はガルデンだが、これは俺の基準だからなあ。
ユーリは適正がありそうだが、王子様をここまで連れてくるわけにもいかないだろう。
"Scanning ...80% ...90% ...100%"
"Scan complete."
そんなふうに呑気なことを考えながら、フェリスの審査結果を待っていた。
やがて、描かれた文字を見た瞬間、俺は心の底から怒りを覚えた。
視界がすっと狭まり、世界が赤く濁っていくように感じた。
* * *
あなたは人類ではありません。
審査を停止しました。
固有名:フェリス
管理番号:A0484-000117
種族:エルフ
判定理由:
対象が人類種に該当しないため。
You are not classified as Human.
Screening process terminated.
Proper Name: Ferris
Management Code: A0484-000117
Race: Elf
Reason for Judgment:
Subject does not qualify as a member of the Human race.
* * *
「――ふざけるな!!」
気づけば俺は、思いきり壁を殴りつけていた。
鈍い痛みが右手を突き抜ける。
拳から血が流れ、じわじわと床へ落ちていく。多分、どこか折れている。
それでも構わなかった。
「おい!! こら女神! 賢者! てめえら、ふざけるなよ!! 俺のフェリスに謝れ!!」
フェリスが、瑠璃色の瞳に諦めと哀しみを宿し、血の流れる俺の手にそっと触れて俺を止めた。
温かく、小さな綺麗な指だった。
俺は目を血走らせたままフェリスを見た。
許せない。宿や選挙権なんかはどうでもいい、いや、よくない。
よくないが、あれは縄張りの押しつけ合いだ。
あれは戦いだ。戦いなら、俺が勝てばいい。
これは違う。
なんだこれは。舐めているのか。
「……アルス。気にしないでくれ。慣れている。それより手を治せ」
なぜかわからないけど、俺はフェリスのことも許せなかった。
「お前もふざけるなフェリス! 慣れるんじゃねえ!」
俺は怒りをぶつけるように、フェリスを強く抱きしめた。
右手から流れる血が、フェリスの鮮やかな青い外套の背に飛び散る。
柔らかな身体が、俺にぴたりと密着した。
真っ直ぐな水色の髪が揺れ、さらりと背へ流れる。
その透き通るような美しい髪にまで、俺は血をつけてしまった。
いつの間にか、俺は泣いていた。
フェリスは優しく、慈しむように微笑みながら、俺の頭を抱き寄せて胸元へ引き寄せた。
「……ありがとう。……ああ、そうだな。お前が言うなら、慣れるのをやめよう。諦めるのもやめよう」
外套と薄手のワンピース越しに伝わるフェリスの柔らかな双丘が、俺の顔に触れて形を変える。彼女の鼓動が聞こえてきた。
少しだけ、怒りが収まっていくのを感じた。
俺は子供のように泣きじゃくっていた。
涙で震える声で、俺はフェリスへ伝えた。
「――フェリス、俺のパーティーに入れ」
「……ん。ふふ。……よし、いいだろう。私たちは三人で最強になるか」
フェリスはそう言って、俺を胸元により強く抱きしめた。
水色の髪の妖精を祝福するかのように、星空が瞬いた。
[ System : Ferris / Main_Heroine No.02 Confirmed ]
[ System : Reason_Gauge Unlocked ]
――俺はしばらく涙が収まるまで、フェリスの胸元で甘えていた。
ルナリアが優しく俺たちを見守っているのを感じた。
やがて落ち着きを取り戻した俺は、フェリスから離れた。
少し気恥ずかしくなって、軽口を叩く。
「リゼットとかいう、けち臭い女神はもう会えなくてもいい気がしてきた。嫌いだ、あんなやつ」
俺がそう言った瞬間、部屋の照明がひときわ明るくなり、直後、すぐ側にあった両開きの戸が開いた。
白い杭から、断続的な短い音が聞こえてくる。
俺は杭の上の光る板を見た。
* * *
世界樹の勇者として、アルス < No.H0584-000381 > を承認。
勇者アルスの要請により、エルフ族フェリスを人類と認定します。
また、アルス、ルナリア・アストライア、フェリスの魂の定義『コアドライブ』について、再審査を実施。
全員を、賢者の叡智を授かる資格有りと判断します。
こちらの不手際で申し訳ありません。お兄ちゃん。
* * *
俺は女神様の現金さに呆れるやらなんやらで、苦笑するしかなかった。
ルナリアも同じように苦笑し、腰に手を当てて、珍しくため息をついていた。
フェリスは透明な光る板には目も向けず、ずっと俺のことを見つめていた。
その瑠璃色の瞳には、うっすらと美しい星が浮かんでいた。
# COORDINATE 0047 END




