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悪りぃなぁ

大会描写とか書くとやっぱりスポーツモノ書いてんな!って気分になって、とても楽しいです。実際問題この作品はスポーツモノでもなんでもないんですけどね。さて、暴走するラブリーワンを綾二たちはどう乗り切るのでしょうか!

それでは楽しんでいってください!よろしくお願いします!!

「なんで!どうしてなの!?なんとか言ってよ!ねえ!」


 川端の声がショップ内に響き渡る。


 決勝戦―――対戦相手はと言いたいところだが、俺たちは決勝戦を棄権することになった。理由は至って簡単だ。突如として暴走を引き起こしたラブリーワンを信用できなくなったからに他ならない。


「綾二くンなら優勝できると思ったんだけド、こんな結果になって残念だヨ……」


 相田と別れた後、俺と川端は電車で街に戻ることにした。川端は怒っているような悲しんでいるような複雑な顔をしていた。無理もない優勝を目前にしての棄権を申し出たのは俺の独断だからだ。


「………」


 会話もなく俺たちは街に戻ってきた。川端はそのまま俺に何も言わず、帰っていった。寂しげな彼女の背中をただ見ていることしかできなかった。かける言葉が見つからなかったから。

 次の日から俺は部室に顔を出すのを辞めた。元々入部届を出していたわけでもないので、ロボット同好会の部員でもない俺はロボット同好会から、川端からどんどん遠ざかっていった。しかし、ラブリーワンの真相については知っておきたかったので、ある日俺は『YATTARE』を訪ねることにした。


「ようぅ。いらっしゃいぃ。おぉ、お前かぁ!今日はどうしたぁ?」


「アンタに聞きたいことがある。ラブリーワンのコアについてだ」


「その様子だとアレが発動したのかぁ」


「アレだと?アレってなんだ!?答えてくれ。一体何を知ってるんだ!?」


「ラブリーワンのコアには他のコアにはない特別な機能が搭載されているぅ。その機能は搭載機がピンチに陥った際に自動で起動するように設定されているものだぁ」


「どうしてそんなものを!」


「それはぁ言えねぇなぁ」


「ふざけるな!」


「ふざけてなんかねぇよぉ。言えないんだよぉ。それを預かったやつから頼まれてるぅ」


「なんだよそれ……」


「悪りぃなぁ。お前らに何があったかは知らねぇがぁ、そのコアは別にお前らを苦しめるための道具じゃないってことだけはわかってくれぇ。確かに暴走って形で起動してしまったのかもしれねぇがぁ、その力を使いこなせたとしたらどうだぁ?その力でテッペンを目指してみろよぉ」


 俺は店を後にした。店からの帰り道、川端を見かけた。公園のベンチで座り込んでいた。何か言わなくてはならないと思ってはいても、なんと声をかけていいのかわからない。公園を素通りすることにした。きっと川端の夢は別の人が叶えてくれる。俺じゃない誰かが。


 次の日の放課後―――廊下で木山先生とすれ違った。


「あ、藤崎君!最近部活に顔出してないみたいだけど、大丈夫?」


「先生、俺元々ロボット同好会の部員じゃないんですよ?入部届も出してないですし」


「え、そうなの?じゃあ、今までのは……」


 木山先生が困惑している。


「ただのスケットですよ。川端はもう俺がいなくても大丈夫だから、顔を出すのをやめたんです。それじゃ、俺、帰りますんで!」


 そう言って木山先生と別れた。そうだ俺は部員でもなんでもない。だから、気にする必要なんてない。なのになんでこんなにもモヤモヤするのだろうか。公園で見た川端の寂しげな顔が頭から離れないのだろうか。

 俺は走って部室に向かったが、部室に川端の姿はなかった。そこで俺は昨日の公園に向かうことにした。そこには昨日と同じように寂しげな顔でベンチに腰掛ける川端の姿があった。急いで彼女の元へと駆け寄った。


「はぁはぁ……見つけたぞ……」


「私に何か用?」


「この前はごめん!」


 俺は必死に頭を下げた。


「ラブリーワンが暴走した時、正直怖くなった。また暴走したらどうしようって……。俺は逃げたんだ。バトルからロボットから……。でも、もう逃げない!玉置さんから聞いたんだ。暴走のことを機体がピンチになったら勝手に起動するらしいんだ。ならピンチにならなければいい。俺はもう負けない!絶対に!だから、もう一度、俺チャンスをくれないか?」


「ふふふふ」


 川端から思わず笑いが溢れた。


「私はいつだって君を信じてるよ、藤崎くん」


「初めて名前で呼んでくれたな」


「じゃあ、目指すは地区大会優勝だね!頑張るわよ部員1号!」


「結局、部員1号のままか。あぁ勝とうぜ」


 こうして俺と川端は気持ちを新たに地区大会を目指すこととなったのであった。その後、俺は入部届を木山先生に提出した。


「はい、確かに受け取りました。私は藤崎君の入部を歓迎します!改めてようこそロボット同好会へ!」


「こちらこそこれからもよろしくお願いします!」


 俺たちの本当のロボットバトルはここから始まる。


 次の土曜日―――俺は川端を誘ってロボットバトルの中学選手権を観戦することにした。今、会場前で待ち合わせをしている。


「お待たせ!ちょっと道に迷っちゃった!」


 私服姿の川端に不覚にも少しだけドキドキしてしまった。


「ん?どうかした?」


「いや、なんでもない」


「そっか。じゃあ、行こっか!」


「ああ」


 会場内は大盛況であり、人々の熱気で溢れていた。


「すごい盛り上がりだね!私大会を会場で観るの初めてなの!今日は連れて来てくれてありがとっ」


 可愛らしい笑顔で川端が言う。


「お、おう」


 俺たちが観覧席で試合を観戦していると、声をかけられた。


「あれあれー!これはこれは藤崎パイセンじゃないっすか!」


「げっ!お前は……」


「部員1号、誰?知り合い?」


「パイセン誰っすか!その女!パイセン中学時代は全くモテてなかったのに!どうしたんすか!?まさか高校デビューってやつっすか?」


「この人は俺が入ってる部活の部長だよ」


「なんだー部長さんっすかー。これは失礼しました。私、畠下恵美梨っていいます。パイセンとは中学からの付き合いっす」


「私は川端真央。よろしくねっ。へぇー部員1号の後輩ちゃんかー!可愛い後輩だね!で、恵美梨ちゃんと部員1号はどこの中学なの?」


「永帝中学っすよ」


 続く。

「やったれ魔法少女」には皆無であった後輩要素を取り入れてみました。そしてやっぱりお前が黒幕なのかという玉置さん。こんなつもりじゃなかったですが、玉置さんが勝手にそういう方向に走って行っちゃうんですよね。もう勘弁してくださいよ玉置さん!

それでは今回も読んでいただきありがとうございました!次回をお楽しみに!!

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