もうパイセンたらっ!
今作もとりあえず、10話まで来ることができました。多分ですが、今作は「やったれ魔法少女」よりも長くなるんじゃないかなと思っています。
それでは楽しんでいってください!
よろしくお願いします!!
「永帝中学っすよ。ロボットバトルしてる人だったら知ってて当然だと思うんすけど」
永帝中学。ロボットバトル名門中の名門。ロボット部に所属している部員はメカニックもファイターも全員が超級の者達ばかりで構成されており、全国中学選手権大会、全日本ジュニア選手権。その二大タイトルで3連覇を成し遂げた中学ロボットバトルの頂点である。
「え、えぇぇぇぇぇえ!?え、永帝!?あの永帝!!?」
「そうっす。驚きましたか?で、私もパイセンも同じロボット部だったってわけっす。まぁパイセンはずっと補欠でしたけどねー。あははは」
「お前、補欠の話はしなくていいだろ!」
「でも、私も驚いたっすよ。パイセン、辞める時、もうロボットバトルはやらないようなこと言ってたのに、まさか高校に入っても続けてたんすね。私的には結構嬉しいっす!」
畠下は無邪気な笑顔を見せた。
「そうか。喜んでくれてよかったよ」
「はい!あ、私そろそろ試合なんで行きますね!じゃあ、また後で!」
そう言って畠下は風のように現れ、風のように走り去っていった。
そしてフィールドに永帝中学が入場して来た。俺と川端は息を飲んで試合を観戦する。永帝中学代表は俺たちに先程、話しかけて来た畠下だった。
「うーし、頑張るっすよ!」
対戦する相手校は伊刈中学。こちらもロボットバトルの名門校である。
「永帝バーサス伊刈の因縁対決の幕開けだ!!!」
公式大会になると実況と解説が場を盛り上げてくれる。
「いくっすよ!ビー!!」
畠下は黄色と黒で塗装された蜂をモチーフにした機体をロードした。永帝が所持している機体は全部で26機。ビーで26機ということはつまりそういうことである。アルファベットを名前とした機体をエースからゼットまで用意しており、それらを使うファイターも26人いる。機体は26機とも特性が違うため、対戦する相手に合わせて戦うファイターと機体を変える。この死角のない戦い方こそが永帝3連覇の所以である。エースはその名の通り部の中で最も実力がある者だけが授けられる機体であり、そこから強さの順にビー、シィと与えられる。畠下がビーを使っているということはナンバー2の実力があるということである。
「今日こそ、永帝を倒すんだ!!」
伊刈の学生もロボットをロードし、激しいバトルが繰り広げられた。畠下のビーが伊刈のロボットをどんどん追い込んでいく。
「永帝のビーの素早い攻撃に伊刈は早くも大ピンチだぁああ!!このピンチ切り抜けるか!?それともこのまま決着となってしまうのかぁあああ!?」
ビーは蜂のモチーフ通り、高機動が売りの機体であるため、その攻撃を回避するのは至難の技である。
「切り抜けられるわけないじゃん!このまま決着なんすよね!!」
ビーが伊刈のロボットにトドメを刺し試合が終了した。
「試合終了〜!!勝ったのはやはり絶対王者永帝中学だぁあああ!!!」
畠下は観客に向けてピースをしていた。
「いえーい!ピースピース」
試合を終えた畠下が俺たちが座っている観覧席にやってきた。
「パイセーン!観てました?私の活躍!」
「ああ、しっかり観てたよ。また腕を上げたなー。もう俺じゃお前には勝てないなー」
「もうパイセンたらっ!ジュース買って!」
畠下が悪びれる様子もなく言う。
「今そんなこと言う流れじゃなかっただろ」
「私試合で疲れてるんすよ?買ってきてくれないんすか?」
「しゃーねーなー。何がいいんだ?」
「コーラでおなしゃす!」
「はいはい」
俺はため息を吐きながら会場に出店されている売店までジュースを買いに行くことにした。
「やっといなくなったっすか。さーて、私おねーさんに用事があるんすよねー」
「私!?」
川端は意外な展開に驚きを隠せない。
「あなたパイセンのなんなんすか?彼女なんすか?どうやって口説いたんすか?その可愛らしい顔で口説いたんすか?パイセンに迫ったんすか??」
「ちょ、ちょっと落ち着いて!私、別に部員1号の彼氏でもなんでもないから!ただの部活仲間ってだけだから!」
「はぁ?ムカつくんすけど。その部員1号呼びも腹立つ!パイセンはもうロボットバトルをしないって言って部活を辞めたのに!なんでアンタなんかとやってんすか!!」
「どうして?どうして藤崎くんはもうロボットバトルをしないって言ったの?それに辞めたってどういうこと?」
俺は観覧席から少し離れた売店でコーラと自分の分と川端の分のお茶を購入した。
「ったく、相変わらず人使いの荒い後輩だ」
飲み物を買って観覧席に戻ろうと歩いていたところ、向こうから見覚えのある男がまわりに女の子を囲みながら歩いてきた。
「今日は同窓会かなんかか……」
「やあ、ここにいるってことはまだロボットバトルやってたんだね。君とはいつか決着をつけたいと思ってたから、続けててくれて嬉しいよ」
声をかけてきたのは俺の中学時代の同級生で、当時から王子様と呼ばれ続けている笠山聖輝という男であった。
「そういえば、お前とは戦ったことなかったっけか?もしお前と戦えるとしたら甲子園ってことになるのか?」
「そうだね。それかハイロボットカップじゃないかな?」
「そっか。じゃあ、そこで会おう」
「フフフ、君は本当に面白い男だよ。これからが楽しみになってきたよ!じゃあ、お互い負けないように頑張ろう!」
そう言って笠山聖輝は女の子を連れて去って行った。この男も相変わらず王子様という感じの男であった。この世界に女の子を囲みながら歩くという現象が本当にあるんだな。
「さて、ぬるくならないようにちょっと急ぐか」
早歩きで2人の元へ戻ることにした。
続く。
作者が書いた後輩キャラと言えば「やったれ魔法少女」の上野と松本ぐらいなものなのですが、主人公の後輩ではないので、初の後輩キャラの活躍回でした。作者の高校時代にも恵美梨のように私のことを小馬鹿にした後輩がいたことを思い出しますね(笑)
それでは今回も読んでいただきありがとうございました!次回をお楽しみに!!




