必殺!
ロボットこそ我が真骨頂というわけではないのですが、元々なろうデビューした際はロボットものを書こうとしていたので夢が叶って嬉しいです!
それでは楽しんでいってください!よろしくお願いします!!
その後も同じ高校生との準決勝に勝利し、俺たちロボット同好会はついに決勝まで辿り着いていた。
「あと1勝で優勝だよ!すごいよ部員1号!」
「藤崎君、すごくかっこいいよ!」
「あ、ありがとうございます」
木山先生はそれまで全くロボットバトルに興味のないような素振りを見せていたが、今は目を光らせて応援してくれている。
そして2人は手を合わせてぐるぐると回っていた。とにかく気分が乗っているということがわかった。
いよいよ決勝戦かと思われたが、どうやら決勝前に昼休憩を挟むようだ。
「盛り上がってるところ悪いがぁ、ここで一旦昼休憩だぁ」
こうして1時間の昼休憩に突入した。大会が昼を跨ぐことを想定していなかった俺たちは昼ごはんを準備していなかったので、近くのコンビニまでご飯を買いに行くことにした。そして最寄りの公園で食べることにした。
「藤崎君、一回戦、準決勝とお疲れ様!この調子で決勝戦も頑張ってね!」
最初はロボットバトルに全く興味のなかった木山先生がいつの間にか、今まで見たことのないほどの盛り上がりを見せていた。
「ありがとうございます」
「部員1号はどうしてマニュアル操作なの?」
川端は不思議そうに俺に尋ねてきた。
「ロボットの知識がない割にはそういうことは知ってるんだな」
「店長が言ってたから」
川端は気不味そうに答えた。正直でよろしい。ということは今さっき覚えた知識ということなのだろう。俺が答えようとすると、木山先生が腕時計を見て慌て始めた。
「大変!もうすぐ決勝戦の招集時間だわ!」
俺たちは急いで『YATTARE』に戻った。
「役者は揃ったぁってやつだなぁ!じゃあぁ、そろそろ決勝戦始めるぜぇ!」
玉置さんのアナウンスと共にバトルフィールドの前に立ったのは小学生の少年であった。
「え!?小学生!!?」
川端と木山先生は小学生ファイターに度肝を抜かれたようだが、プレイヤーの年齢制限が特にないロボットバトルにおいて、小学生ファイターがいても全く不思議ではないのだ。
「元気ちゃん、頑張ってねー!!」
小学生ファイターの名前は神楽元気。やはりそこは小学生であり、親同伴で大会出場ということらしく、母親が応援している。
「お兄ちゃんには悪いけど、僕が勝つよ」
「凄い自信だな。でも、自分が負けても大人気ないとか言わないでくれよな」
「大丈夫だよ!僕は負けないもん!」
「それじゃあぁ、試合始めぇ!!」
「いけ!シャークナイト!!」
元気くんは鮫をモチーフにしており、野生的な外見をしたロボットをフィールドに出した。かなり作り込まれているようだ。これは自分で作ったのだろうか。それともお父さんの機体なのか。
「頑張れ!部員1号!」
「わかってるよ!そんじゃ、俺も行くぜ!ラブリーワン発進だ!」
俺もラブリーワンをフィールドに出した。2機のロボットがフィールドに出揃うと同時に激しい攻防が巻き起こる。元気くんはとても早いコントローラー捌きでシャークナイトをぬるぬると動かし、シャークナイトの両腕に装備されている鋭い爪で攻撃を仕掛けてくる。俺は防御コードを打ち込み、盾で守りに徹する。
「お兄ちゃんなかなかやるね!」
「君もすごいな。気を抜いたら一瞬で負けそうだよ」
相手の隙をついて剣での攻撃を試みるも回避されてしまう。盾を持っていない代わりに機動力の高さで攻撃を回避していくスタイルというわけなのだろう。そしてラブリーワンにできた隙を突こうと攻撃を仕掛けてくる。
「終わりだよ!」
「危ない!!」
川端に焦りの顔が浮かぶ。
「避ける!」
俺は高速タイピングで盾を使わず、攻撃を回避した。
「ふぅ!危なかったぜ」
「今の僕の必勝コンボだったのに!どうして躱しちゃうのさ!!」
「俺も負けるわけにはいかないんだよ」
こうして戦いは振り出しに戻り、再び激しい攻防が続く―――かに思われた。しかし、長期戦に縺れ込むことを誰もが覚悟したその時であった。シャークナイトの動きが鈍り始めたのだ。一体何があったのか。マシントラブルか何かだろうか。
「どうしてあの子のロボット、急に動きが……」
川端もシャークナイトの動きの変化に気づいたようだ。
「お嬢ちゃん、気になるかいぃ?あの元気くんはうちのショップ大会の常連優勝者なんだがぁ、その勝ち方はさっきのような攻撃を素早く躱してからのカウンターで決めることが殆どだぁ。もうわかるかいぃ?」
「えーっと……長期戦に慣れてない?」
「ご名答ぉ!」
元気くんはわざと隙を作り、機動力で避け、カウンターでとどめを刺すという必勝コンボで勝負を決めてしまうため、避けられた後の対処法が確立していないようだ。シャークナイトの動きが散漫になる。
「悪いけど、この勝負、勝たせてもらうぜ!必殺!」
俺が必殺を叫んだ時、ラブリーワンを作った時の川端との会話を思い出した。
「ロボットの名前も決まったし、後は必殺技の名前だね!」
「そんなのまで決めんのかよ」
「ロボットと言ったらカッコいい必殺技も込み込みなんだよ!」
「そんなもんかねぇ……」
「何がいいかなー。相手のど真ん中を剣で切り裂くから……。思いついた!よーく覚えておいてよねっ!」
そして俺は叫ぶ。
「必殺!ハートブレイカー!!」
ラブリーワンはハートを書くように立ち回り、そのまま強烈な一撃を胴体に叩き込んだ。シャークナイトは真っ二つになり、ダメージモニターは一気にSからDへとなった。
「そ、そんな………うわぁあん!!」
ショップ大会初の敗北に元気くんは涙を流してしまった。すると、お母さんが俺を睨みながら元気くんに駆け寄る。
「なんて大人気ない!元気くん帰りましょうね。ふん!」
そう言って2人はショップを後にした。店内は複雑な空気が漂う。
「部員1号……。ちっちゃい子は泣かせちゃダメだよ?」
そんなこと言われなくても知っているんだよ。
「藤崎君、私は悲しいわ……。先生あなたをそんな生徒に育てたつもりはないわ!」
木山先生が追い討ちをかける。なぜ俺はこんなに責められなければならないのだろうか。
「うーん。まぁ色々あったがぁ、そのなんだぁ、藤崎綾二くん、優勝おめでとうぅ!!」
玉置さんが複雑な空気を破り、俺の優勝を讃えてくれた。川端と木山先生もとても喜んでくれた。
「やったやったやったー!!ありがとう!部員1号!!」
「すごいすごい!!本当に優勝しちゃうなんて!これは校長先生に報告しないとっ!」
そう言って木山先生は店を飛び出して行った。
「ということでぇ、お前たちのパーツ代はタダになったわけだぁ。よかったなぁ」
本当によかった。もし負けていたら一体どうなっていたことやら。
「改めてそのロボットはお前らの物になったわけだがぁ、これからどうするぅ?」
「どうするといいますと?」
川端は逆に聞き返す。
「ロボットバトルを始めたってことはぁ、甲子園を目指すんだろぉ?なら地区大会に参加しないとなぁ」
甲子園の名前が出ると、川端の疑問の顔が一変し、燃えるような熱い目になった。
「はい!私たちのロボットバトルはまだ始まったばかりですから!」
続く。
スポーツで有りがちな、スタミナ切れでパフォーマンスが急に落ちるというのを書いてみました。今後どんな展開を迎えるのかは次回のお楽しみです!
それでは今回も読んでいただきありがとうございました!!




