ラブリーワン!
まさかまさかの第3話。「やったれ魔法少女」にはない全くない部活という形での青春ストーリー。行き詰まった時にこっちを書くと気分が変わって、とてもいい感じに執筆が進みますね。
これからも両作品をよろしくお願いします!
それでは楽しんでいってください!
次の日の放課後―――
俺たちは早速、ロボットの製作に取り掛かることとなった。
「さぁ!ついにこの時が来たわよ!部員1号!!」
川端はどうやらこの日を待ちに待っていたようだ。きっと昨日の夜も遠足前日の小学生のように楽しみで眠れなかったタイプなのだろう。
「昨日は楽しみで全然眠れなかったよ!」
やっぱりでしたか。しかし、本当は寝たんじゃないかと思うぐらい元気である。
そんなこんなで製作を開始した。ロボックスセッターを起動し、先日購入したパーツデータはUSBメモリという形で保存されているので、それをパソコンにさし、読み込んでいく。すると、画面には購入したパーツが腕や足、胴体、など項目別で一覧表示してくれるようになる。そこからパーツを組み立て自分好みのロボットを完成させる。ロボックスセッターはパーツや出来上がりなどその全てを立体映像で見ることができるため、完成をこだわることができる。
俺は川端のイメージ通りの機体を作るため、川端と相談しながら、丁寧に組み上げていく。その製作には3日という時間を浪費した。時にはデータを家に持って帰って電話でイメージ情報をもらいながら組んだ日もあった。
そしてついに外装が完成した。ロボットの形が完成したら後はコアを入れてロボットは完成となる。コアとはその名の通りロボットの中心核であり、このコアによって、そのロボットがどのような動きを可能にするのかといった機動力などが決まってくるものである。だか、ここで事件が起きる。
「あとはコアを入れれば完成だな」
「ん?コア?」
「どうした?」
川端の顔を見ると冷や汗をかいているようだ。
「私、コア選ぶの忘れてた………」
「え、えぇええええ!それはまずいな。コアがないとロボットは動かないぞ」
「私なんでそんな大事なこと忘れてたんだろう……うぅ…」
川端はかなり焦っていた。
俺は本当に買い忘れたのかと、パーツを入れていた袋をもう一度よく確認することにした。すると、コアパーツが出てきた。
「おい、買ってあるぞ」
「あれ?私そんなコアパーツ選んだ覚えないんだけど……」
「なんだそれ?無意識に入れたんじゃないのか?」
「うーん、そんなことあるかなぁ……」
「まぁ何にせよ、あってよかったじゃないか。これで完成っと!」
俺はコアをロボットに入れ込み、ついにロボット同好会記念すべき一機体目が完成したのであった。外見は西洋の騎士といったような形であり、カラーリングはピンクを主体に白、青のトリコロールカラーとなっている。女の子という感じの機体にまとまった。完成した機体に川端はとてもキラキラとした目を向けていた。その姿はまるで新しいおもちゃを買ってもらった少年のようである。
その後、機体の動作確認を行う。この作業には可動域などの把握や動作不良があるかなどの確認の意味が込められている。この作業にも数日の時間を要した。
以前、優勝常連校がとある大会の1回戦である事件を起こしたのである。それは動作確認不足による自滅である。誰もが優勝常連校の機体にそんなことが起こるとは思っていなかっただけに、その事件はニュースにもなった。
ロボットという機械を扱っている以上、トラブルというものは起こりある可能性が必ずある。その要因を減らすことこそがロボットを作る上で大切なことだと俺は思っている。
こうしてついに全ての調整を終えたロボットが出来上がったのである。
「かっこいい!!かっこいいよ!部員1号!!」
「よかったな」
ここまで喜んでくれるなら頑張った甲斐があったというものだ。あとはショップ大会に出場し、勝てば一件落着ということになる。
「名前決めないと!」
川端は少年の眼差しでロボットに名前をつけようとしていた。
「何がいいかなー?かっこいい系かな?でも、見た目はピンクで可愛い感じだし、可愛い名前がいいのかな。部員1号はどう思う?」
「それは俺の機体じゃない。君の機体なんだから君が気に入る名前をつけた方がいいだろ。それにその名前が大会で呼ばれるんだからな」
「あ、今いい顔だった」
「え?」
「今すっごくいい顔してたよ?」
どうやら、大会のことを考えていると無意識のうちに俺も少年のような顔になっていたのかもしれないな。
「うーん、じゃあ、ラブリーワン!今日からこの子の名前はラブリーワン!!」
「どうしてその名前にしたんだ?」
「やっぱり可愛いって要素は入れたいからラブリーっていうのと、ロボット同好会の1号機だからワン!」
話によるとかっこよさと可愛さの混合ということらしい。
「ラブリーワンか。いい名前じゃないか」
「名前も決まったし、あとは大会で優勝するだけだね!」
「随分簡単に言ってくれるな。まぁ勝たないとお先真っ暗ではあるんだよな。はぁ…」
一か八かの大博打に思わず溜息が漏れる。
そして迎えたショップ大会当日―――
当日は木山先生も野外活動は顧問の引率が必要であるということでついて来てくれた。
「それで2人とも今回の大会勝てそうなの??」
「それはわかりません!でも、部員1号がきっとなんとかしてくれます!」
かなり他人任せだな。
ショップには大会参加者が既に集まっていた。こんな雰囲気も随分と久しぶりな気がする。
「おおぉ!待ってたぜぇ、お嬢ちゃん!」
「あ、店長!」
店長の玉置さんが俺たちを見つけて声をかけてくれた。
「いい機体はできたかぁ?今日は楽しみにしてるぜぇ」
そう言って玉置さんら運営に戻っていった。
「大会エントリー者が出揃ったんでぇ、ここいらでショップ大会始めていくぜぇ!!」
そして玉置さんの号令で、ついに大会が幕を開けた。
続く。
こんなところでムルシエラゴは一体何をやってるんでしょうね(笑)ムルシエラゴがわからない方は「やったれ魔法少女」を参照ください。逆に弱々しい木山玲奈を書くというのは、ちょっと変な気がしますね。やっぱり玲奈はツンデレじゃないとなと思いました。
それでは今回も読んでいただきありがとうございました!次回をお楽しみに!!




