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異世界平定奇譚   作者: 新樹 百佑
第四章 船出
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王都へ向かっちゃいます

 その頃、一矢の部屋をベティーナが訪ねていた。


「一矢殿、御気分はどうですか?」


「すこぶるオッケーです! イヤ~、さっきは邪魔しちゃってすいませんでした~」


 いつも通り明るい一矢でベティーナはホッとした。


 ただ少し、わざとらしさも感じる。


「一矢殿が謝る必要はありません。こちらこそ配慮が足りなく、申し訳ありませんでした」


 ベティーナは頭を下げる。


「それで今後の事なんですが……このまま王都へ向かおうと思います」


「良いのか? あんなに反対してたのに」


「はい、私達は先程の様に魔族を沢山殺してきました。何の迷いもなく。しかし、一矢殿の言葉で疑問を持ってしまったんです」


 一矢は静かにベティーナの話を聞く。


「卑怯かも知れないですが判断は上の者に任せようかと思います。……正直私には何が正しいのか分かりません」


「全然卑怯じゃないさ。多分政治的な話になるんだろうし、俺達が出来る事は話し合いの場を作るまでだよ」


 ベティーナは真っ直ぐ一矢の目を見る。


「しかしそれすら叶わぬ時は、魔族を王都に入れた罪を問われるかもしれませんよ?」


「それは覚悟は出来ているよ。多分エイミーもね。ベティーナは良いのか? 警備隊隊長なのに」


 ベティーナはハッキリと頷く。


「どんな処罰でも受ける覚悟です。共に行きましょう」


「よし……一緒に添い遂げよう!」


 一矢はベティーナに親指を立てて見せる。


「添いッ? 一矢殿! そう言う冗談はやめて下さい!」


「ハハッ、赤くなっちゃって。かっわいい」


「なっ! 何を言ってるんですか! ……それでは王都に向かう件、エイミー殿達にもお伝え下さい」


 耳まで真っ赤にしたベティーナは足早に一矢の部屋を後にする。


 一矢はそのままベッドに横になった。


『これで良いよ。小難しい事は俺の仕事じゃ無いし、ベティーナの仕事でも無いもんな。……やっぱり出たとこ勝負か』


 一矢は静かに眠りについた。


 次の日、エイミーが王都に向かっている事を知り、叩き起こされるまでは。

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