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神成り  作者: 甲羅に籠る亀


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9/12

9話

 ホテルで朝食を食べて、朝早くからイノシシのモンスターのダンジョンに来ていた。


 今回の目的のレベル上げの為にもより多くのイノシシのモンスターを倒す為にダンジョンの奥に向かって移動開始する。


 「隠れてたのか!」


 イノシシのモンスターが潜めるくらいの茂みがガサガサ音を出して揺れている。


 イノシシのモンスターが隠れていると思われる茂みと俺との距離は10メートルもない。


 それだけの距離じゃ昨日みたいに結界に衝突させてイノシシのモンスターを倒すことは難しいだろう。


 昨日の午後は街を回っても観光するところがなくてホテルでイノシシのモンスターの現れるダンジョンで活動しようかと考えていた。


 その考えている中にはイノシシのモンスターを結界に衝突させて倒す以外の戦闘方法もある。


 とりあえず俺は茂みを囲う大きめな結界を作り出してイノシシのモンスターを閉じ込めることにした。


 ブモォオオ!!


 とイノシシのモンスターが茂みからゆっくりとした足取りで出て来た。


 茂みから飛び出して走って結界に衝突するのではないかと思っていたが、イノシシのモンスターは余裕そうに結界に近寄って来ている。


 「このままだと壊されるぞ。」


 イノシシのモンスターは頭突きを結界に食らわせる。


 その威力は走ってからの突撃よりは低い威力だろうが、現在のイノシシのモンスターを囲っている結界は大きくてそこまで強度は高くない。


 このままだと結界が壊されてしまうだろうことは理解している。


 錫杖に魔力を集めて俺は結界を作ることにした。


 細い長いが強度の高い長方形の結界をイノシシのモンスターが動けないように複数組み合わせる。


 井の字の様な結界がイノシシのモンスターの頭と前足の後ろに2つ、後ろ足の前と後ろに2つの4箇所に結界を作り出した。


 イノシシのモンスターは前に移動することも後ろに下がることも出来ずに左右に身体を揺すっても結界は壊れない。


 「ふぅ、なんとかなったな。」


 あとは錫杖でイノシシのモンスターの頭を砕いて倒すだけ。


 茂みを囲う大きめな結界を解除してイノシシのモンスターに出た俺は錫杖を思い切り振りかぶってイノシシのモンスターの頭部を殴り始める。


 突進を得意としているイノシシのモンスターの頭蓋骨は相当硬いが、それでも何度も力の限り錫杖を叩き付ければ脳震盪を起こしたのかイノシシのモンスターから力が抜けた。


 そこから何度も何度も錫杖を力の限り叩き付けてようやくイノシシのモンスターは動かなくなってドロップアイテムに姿を変えた。


 「すごい疲れた。」


 結界を作って小休止することにした。


 これまで結界を使った戦法でモンスターに勝って来たのも、身体を動かして倒した経験が少ないのもここまで疲れた原因だと思う。


 次からは近い距離のイノシシのモンスターは結界で捕らえてから、イノシシのモンスターとの距離を取って結界に衝突させる形で戦おうと決めた。疲労が大き過ぎるから。


 休憩も終わりイノシシのモンスターからのドロップアイテムも回収した俺は結界を解除して移動する。





 歩いて進んでいればイノシシのモンスターと遭遇することがあるが、今日最初に戦ったイノシシのモンスターの時の様な近接攻撃で倒すことはなかった。


 「ふぅ、だいぶ奥まで来たな。」


 まだこのダンジョンの最奥まではたどり着いていない。


 ダンジョンは等級が上がれば広くなることが多い。等級が低いのにすごい広いこともあれば等級が高いのにすごい狭いダンジョンもあったりするが。


 とりあえずこのイノシシのモンスターのダンジョンはそこそこ広くてダンジョンの最奥まで10キロメートル以上はする。


 それでもかなり歩いているからイノシシのモンスターも数匹の群れで行動していることが多くなって来たところだ。


 「あぁ、今回は3匹もいる。」


 多めの魔力を集中させて結界を作らないといけないから同時に複数個の結界を作っても突進中のイノシシのモンスターは結界を破壊してしまう。


 ここは1匹ずつ結界に衝突させて倒して行こう。


 錫杖に魔力を集めながら音を鳴らして俺がここに居ることをイノシシのモンスターたちに知らせた。


 「よし気付いた。」


 あとは突進で破壊されない強度の結界を突進中のイノシシのモンスターの正面に作るだけ。


 タイミングを測って3匹の中で1番俺との距離が近いイノシシのモンスターの正面に結界を作り出す。


 「まず1匹。」


 結界に衝突して先頭のイノシシのモンスターは結界に寄り掛かる様にして動かない。


 残りのイノシシのモンスター2匹は今もこちらに向かって突進中だ。


 2匹の中で一番近くのイノシシのモンスターの正面に結界を作った。


 また結界にイノシシのモンスターは衝突して寄り掛かる様にして結界のところで動かなくなる。


 残りはイノシシのモンスター 1匹だけだが、イノシシのモンスターと俺とのその距離は10メートルを切っている。


 急がないとイノシシのモンスターの突進を受けてしまうことになる。


 焦る気持ちを持ちながらも俺は錫杖に魔力を集めていく。


 5メートル、4メートル、3メートルと段々と距離が近寄るごとにイノシシのモンスターの大きさ以上に身体が大きく感じながらもイノシシのモンスターの正面に結界を作り出した。


 すぐ近くでズドンと結界とイノシシのモンスターが衝突した音が響いた。俺の身体も衝突の衝撃で震えたほどだ。


 「動いてないよな。」


 結界に寄り掛かるイノシシのモンスターを見て動いていないことを確認した俺は結界を解除して一番近くのイノシシのモンスターのところに向かった。


 「死んでる。ふぅ、良かった。」


 まだ距離のある2匹のイノシシのモンスターを遠目から見たが、イノシシのモンスターが居ただろうそこには何もいないドロップアイテムに変わったのだろう。


 目の前のイノシシのモンスターがドロップアイテムに変わったら、残りの2匹のイノシシのモンスターのドロップアイテムを回収するとしよう。


 今はイノシシのモンスターが結界と衝突した際に発生した衝突音を聞いてイノシシのモンスターが近寄って来ていないかの警戒だ。


 幸いなことにイノシシのモンスターがドロップアイテムに変わるまでの間にイノシシのモンスターが俺のところまで近寄ってくることはなかったのだが。


 ドロップアイテムを3つとも回収してまたイノシシのモンスターを探しに行こうとした時にこちらに向かって突進中のイノシシのモンスターを見つけるのだった。

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