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神成り  作者: 甲羅に籠る亀


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5話

 ミスはあったけど、それでもウサギのモンスターたちを捕獲する事に成功した。


 「おっと、早いとこ倒しちゃわないと。」


 結界の維持に消費している魔力の減りがウサギのモンスターに攻撃される度にどんどん減りが早くなっていく。


 早いところウサギのモンスターを倒してしまわないと俺の方が先に魔力が無くなってしまうことになってしまうかもしれない。


 いつでも盾代わりの結界を作れる様にしながらも俺は一番近くの結界の元までたどり着くと、結界を解除してウサギのモンスターを倒しに掛かった。


 結界を解除する前に結界があるのにも関わらず、俺に向かってジャンプしたウサギのモンスターが結界に阻まれた瞬間を狙って結界を解除。


 結界がなくなればすぐに錫杖をウサギのモンスターに叩き込む。


 1回、2回、3回と叩けば叩くほどにウサギのモンスターは段々と動きが鈍くなった。


 そして鈍くなった瞬間に全身の力を入れた渾身の一撃をウサギのモンスターに与えて倒した。


 ウサギのモンスターが完全に動かなくなったのを確認した俺は辺りを見回して警戒しながら次の結界に捕らえたウサギのモンスターを倒しに向かう。


 最初の方で捕まえた事もあって結界を何度も壊そうとした様で疲れてぐったりとした姿をしている。


 それでも俺が近寄ればウサギのモンスターは威嚇する様な鳴き声を上げて牙を剥き出しにしていて可愛くない姿を晒していた。


 疲れていてもモンスターだ。


 このまま結界を解いても大丈夫だろうかと不安になるが、いつでも結界を作れる様にはしておきながら結界を解除することにした。


 「うわっ!?」


 案の定、ウサギのモンスターは俺が結界を解いた瞬間に飛び掛かって襲い掛かってきた。


 「いつでも結界を作れる様にして良かったぁー。」

 

 言葉に出しながら思い、結界に弾かれて地面に転がったウサギのモンスターを見ながらそう思う。


 疲れていたからこそあの一撃に賭けていたのだろうウサギのモンスターの最後の攻撃を結界で防いだ。俺は今はまだ動く様子を見せていないウサギのモンスターにトドメを刺す為に錫杖を振るっていく。


 何度も振るってダメージを与えて動きを鈍らせてから全力の一撃を繰り出してウサギのモンスターを倒した。


 最初は2匹同時に現れて焦ったが何とかなった。と安堵しながら周りの警戒を続けながらウサギのモンスターのドロップアイテムを拾っていく。


 「あ、これって採取する草だ。」


 ドロップアイテムを拾っている途中でポーションの素材にもなっている植物素材を発見する。


 確かこの植物素材は根っこが薬になる素材だったはず。


 引っこ抜いて土を払ってからリュックの中の袋に入れた。


 それからも俺はダンジョンの探索を続けた。


 ウサギのモンスターは見つけたら結界で捕まえてから倒し、薬草になる植物素材は覚えている限りの種類は見つけ次第採取していった。


 あれから2匹同時にウサギのモンスターが現れることはなかった。


 あの時は偶々だったのでないかと思う。


 それでも奥に進めば2匹同時どころか3匹や4匹同時にウサギのモンスターと戦わないといけない事もありそうだが。


 昼食を食べる為に一度ダンジョンに出て手に入れたアイテムの換金をした時に驚いた。


 スライムのダンジョンで手に入れたドロップアイテムや素材を売った時よりも多くかった。


 モンスターの素材の関係や植物素材にしてもここのダンジョンの方が数も種類も多かったという違いが大きいのだろうな。


 食事とトイレを済まして午後からもダンジョン探索だ。


 既に昼食分と行き帰りの電車賃は稼げたが、お金はどれだけあっても良い物だ。なるべく多く稼いでレベルを上げる為にウサギのモンスターを多く倒そう。


 そうこうしていると午後初めてのウサギのモンスターを発見した。


 今回からはウサギのモンスターの進行方向に結界を壁の様に作り移動の妨害を主にしようと思う。


 俺の方からも接近しながらもウサギのモンスターが駆け寄ってくる方向の先に結界を作った。


 走っていた目の前に現れた結界に衝突するウサギのモンスターは気絶したのか地面に倒れて動かなくなった。


 気絶したのなら早く倒さないと。


 そう思って俺はウサギのモンスターのところまで走って距離を詰めて行った。


 「こ、こんな事もあるんだな。」


 ウサギのモンスターが居た場所までたどり着いた。けど、そこにウサギのモンスターの姿はなかった。


 ウサギのモンスターがいた場所にはウサギのモンスターのドロップアイテムが落ちているだけで他に何もない。


 そして思い出す。


 ウサギのモンスターは勢い良く走っていた。


 早いスピードで走っていたウサギのモンスターの前に回避できない位置で現れた結界に衝突することになったウサギのモンスター。


 走行中の車が壁に衝突した事故の様な事になった結果がウサギのモンスターが消えていた理由なのではないだろうか。


 もしそうならこれは画期的な方法かもしれない。


 午前中はスピードを上げる前に結界で捕まえるのがほとんどだった。


 そのせいで結界に衝突しても気絶することは偶にあったが、ほとんどのウサギのモンスターは結界に衝突したダメージがあっただけだった。


 これからは固さを意識した結界を疾走するウサギのモンスターの前に出して衝突を誘発させる。


 これだけウサギのモンスターは結界に衝突して倒すことが出来るかもしれない。


 どうすればより効率が良いのかは何度もやってみないと分からないが、それでもこれはチャレンジしてみるべき事柄だろう。


 早速試してみようとウサギのモンスターのドロップアイテムを回収してから移動して探し始める。


 「あ、いたいた。」


 ウサギのモンスターを発見した。


 ウサギのモンスターはまだ距離的にこちらに気が付いていない様だ。

 

 こちらに気が付いてもらう為に錫杖を思い切り鳴らして俺がここに居るぞ!と知らせてみた。


 「気付いた。」


 錫杖を鳴らして気が付いた様で俺の方を見たウサギのモンスターは走り出した。


 まだまだトップスピードまでウサギのモンスターは出していない。


 まだ。


 まだ。


 ま、今だ!!


 ウサギのモンスターの進行方向に壁の様な形で固さを意識した結界を作り出した。


 結界が存在できる時間は短いが、その分だけ結界の強度を高めた効果があった。


 ウサギのモンスターは結界に衝突してそのまま弾かれて転がっていくのが確認できた。

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