4話
名前 白霧政宗
レベル2
ジョブ 結界術師レベル2
レベルアップしていた。
ジョブの結界術師の方も上がっている。
「あれだけ倒して2か……。」
朝早くから来てかなりのスライムを倒した。それでも俺のレベルは1つしか上がっていないことに落胆する気持ちがある。
「弱いもんなぁー、スライム。」
接近戦を得意とするジョブでもないのに簡単に倒せるモンスターであるスライムをいくら倒せても経験値としては低いってことなんだろう。
このダンジョンでやって行こうと思ったのなら、塵も積もれば山となる。その精神でやって行かないといけないのだと思う。
「さっさと食べてまたスライム狩りをしないとな。」
ラップに包んだ家で作ったサンドイッチを早食いして食べ終わると、すぐに立ち上がってスライムを探しながら採取を行なっていくことにした。
スライムを見つけたら錫杖で潰して、採取予定の植物を発見すれば採取する。
そんな事を続けながらダンジョンの奥に向かっていると、一角を囲む様に鉄柵が建てられていた。
「結構奥まで来ちゃったんだな。」
この鉄柵の先にこのダンジョンを維持している要のボスモンスターか、それとも何かしらのアイテムをダンジョンの核にしているのかは分からないが、ここから先は通行止めでもし入ったのなら捕まる可能性がある。
もしモンスターかアイテムなのかは分からないが核になっているモノがなくなれば、このダンジョンは消滅してしまう。
「離れよ。近寄らない方が良いもんな。」
俺は鉄柵から距離を取ってまたスライムと植物系素材を探しながら歩いていくのだった。
俺はそれからもダンジョン探索を始めた初日と変わらない様な探索の仕方をして初級Gランクのダンジョンでレベル上げをしていた。
朝から夕方まで土日に2回のペースでのレベル上げをし、1回の探索で平均的に3千円くらいのお金を稼いだ。
1ヶ月ほど続けたダンジョン探索も飽きてきた。
この1ヶ月で上がったレベルはメインもジョブも含めて4レベルしか上がっていない。
このままだと全然成長できない。
それにスライムを潰して植物素材を採取するだけの生活は飽き飽きしていた。
だからこそ朝一番の電車に乗って俺は初級Fのダンジョンに来ていた。
家から2番目に近い討伐者協会が管理しているダンジョンで出てくるモンスターはウサギ系のモンスターが現れる。
ここでは食肉用のドロップアイテムや回復薬を作る為に必要な植物素材が採取できるからこそ管理されている様だ。
ウサギのモンスターは素早いはずだから、今回は結界でウサギのモンスターを捕まえてから戦闘に入ろうと思う。
「あまり変わらないね。」
スライムのダンジョンと同じ様な景色である草原で、ダンジョンの出入り口を見つけるのは迷わずに出来そうだ。
「電車代くらいは取り戻したいし、すぐ移動しよう。」
帰りの分も含めて稼ぐ為にも移動を開始してから5分も経たずにウサギのモンスターを発見した。
既にウサギのモンスターは俺のことを気が付いている様で耳がピンと立っている。
まだ動いていない状態で結界を作れば捕まえられるだろうが、それだと結界を素早く作り出す練習にならないのでウサギのモンスターが向かってくるのを待つことにした。
結界を作るのを待つだけで俺はウサギのモンスターに接近する。
「動いた…………いまッ!!」
ウサギのモンスターの大きさからしたら3倍くらいの大きさの結界で捕まえる。
初めてだからここまで大きな結界でウサギのモンスターを捕まえたが、今後はここから結界のサイズを小さくして最終的にはウサギのモンスターが身動き取るのも苦労する様なサイズの結界で捕まえられる様になろうと決めた。
結界を破壊しようと暴れ回るウサギのモンスターをどうやって倒すかを決めないといけない。
ウサギのモンスターの動きは思いの外早い動きをしていてスライムの様には行かないだろう。
結界を解除するタイミングを測ろう。
結界を解除してすぐに錫杖で一撃をウサギのモンスターに与える。
一撃でも与えれば動きが鈍って倒しやすくなるはずだ。
暴れるウサギのモンスターの動きが止まった瞬間を待つ。
暴れ続けて疲れて動きを止めた瞬間。
「いま!」
俺は結界を解除して急いで全力の力を振るって錫杖をウサギのモンスターに叩き付ける。
肉を打ち骨が砕ける感触がした。
ウサギのモンスターを見れば足が折れたのか足を引き摺る様にして俺のことを警戒している。
ウサギのモンスターの長所と言える後ろ足の骨が折れて飛び跳ねることは出来ないのだろう。
敵意を見せながらも逃げるタイミングを測る様な仕草をしているウサギのモンスターの背後に壁になる様に結界を作り出した。
背後に下がれないウサギのモンスターは下がれなくて動きを止めた。
その瞬間に錫杖を振り上げてウサギのモンスターの頭部を全力で殴り、ウサギのモンスターは動かなくなった。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…………倒せたー……。」
スライムとは違って実際の生き物の兎に近いモンスターを倒し終わって安堵する。
息を整えながら錫杖に付着した血液に顔を顰めてしまうも、付着した血液も霊装の錫杖を消してまた錫杖を呼び出せば元通りに綺麗になる。
「あとは人型のモンスターでも躊躇わずに倒せる様ならこれからも討伐者として活動できそうだ。」
ウサギのモンスターがドロップした魔石と毛皮をリュックに仕舞って探索を再開する。
それからもウサギのモンスターを発見すれば結界を使って一度捕まえてから倒し、スライムのダンジョンで見つけた植物素材や初めて見た植物素材を採取したりもした。
そうして探索を進めていると2匹のウサギのモンスターが群れているのを見つけた。
「2匹……急いで結界を作れば捕まえられるか?」
まだウサギのモンスターたちが気が付いていないのを確認しながら錫杖に魔力を送りいつでも結界を作り出せる様にしておく。
「来た……まずはお前……よし!次は、あっ!!」
2匹同時に駆け寄ってきたウサギのモンスターの内、距離的に俺に近かったウサギのモンスターは1発で捕まえられたが、2匹目を結界で捕まえようとした時に失敗してしまった。
「ならもう一度!!」
結界の大きさをウサギのモンスターの2.5倍くらいの大きさの結界で捕まえた。
「ふぅー焦った。」




