悪役令嬢はヒロインと仲良くなってはダメなの?
あれからたくさんの月日が流れ、もうすぐわたくしは魔法学園に入学する。
大体の乙女ゲームは、学園が舞台よね…
悪役令嬢に転生、なんて、知識がある人以外、いなくない!?
なぜわたくしが選ばれたのかしら。
とりあえず、桁違いのオーラを放っているであろうヒロインを入り早く見つけて、わたくしが敵ではないことを教えなくてわ!
ヒロインをいじめたら、断罪されるのが王道…よね?
でも、悪役令嬢はお友達を作ってはいけないのにヒロインと仲良くしてもいいのかしら?
ヒロインには嫌われたくないけど、レオニス殿下には嫌われたいのよね。
ヒロインと仲良くしつつ殿下に嫌われる方法ってないかしら?
殿下に嫌われる方法は、
…やっぱりヒロインをいじめる?
それでは断罪されてしまうわ。
プライドの高い傲慢チキな姿を見せる?
そんなんで清いヒロインと仲良くなれるの?
…なんて考えているうちに、入学の日は訪れた。
ー入学式当日
レオニス殿下はやはり新入生代表で、挨拶をしていた。
わたくしは邪魔しまいと殿下を避け続けていたのだが、数分後、手を引かれ、「いい機会だから私達の婚約を公表しよう」とエスコートという名の挨拶回りをさせれた。
それからというもの、リリアーナ様よ!麗しい!などと噂されるようになり、嬉しいはずなのに、少し寂しい?という不思議な感情に浸っていた。
それにしても。
ああ〜すっかり疲れましたわ。
ーぐうう〜
突然わたくしのお腹がなり、我慢できず会場のお菓子をそれはもう爆食いしました。
「…っふふふ」
後ろから笑い声がする。
レオニス殿下だろうな…
は、恥ずかしいっ!
「そんなに食べて大丈夫ですか?リリアーナ様」
「…ごきげんよう、殿下。こう見えてわたくしの胃袋は大きいのですよ。
ご安心くださいませ」
「そういうことではないのだが…
私は公爵令嬢であり王太子の婚約者が公共の場でお菓子を爆食いしていていいのかと聞いている」
と肩を震わせながらボソッと呟いた殿下の言葉が、私の耳に届くことはなかった。
ああ〜美味しいわ!
いくらでも食べられる!
なぜみんな殿方しか見ないのでしょう?
お菓子の方がよっぽど…ん?
ふと、時間の流れが遅くなった気がした。
来ている服が上等でなくても感じ取ってしまうようなただ者ではないオーラを纏った、それは可愛らしいご令嬢が、会場に足を踏み入れたのです。
美しく長い金髪の髪はふわふわと巻かれ、風に揺れ、光に反射して絹のように輝き、サファイアのような青い瞳が水に濡れた宝石のように煌びやかな少女。
ゲームを知らなくてもわかるわ。
この子こそ、ゲームの主人公。
名前さえわからないけれど、彼女がレオニス殿下よりも余程、わたくしのこれからの人生を大きく決める人物であることは、直感が教えてくれた。
どうか、彼女と良好な関係を築き、破滅フラグを一つ、回避できますように…!




