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前世の友達とゲームのシナリオを夢に見る!?

夢を見ていた。

…ここはどこ?

犬小屋?

いいえ。知っている。

ここは、前世飽きるほど通っていた友達の家だわ。


「えぇ、そんなことも知らないの?

もっと興味持ってこーよー!」

友達が言う。

「私、乙女ゲームとか興味ないから。

人気なのはちゃんとわかってるから許して!」

「まあ、いいけど!

それより聞いてよ!

私ね、裏ルート攻略できたのよ!」

「裏ルート?最近のゲームはすごいのね」

「やるつもりないならネタバレしていいよね!

実はさ、このゲーム、悪役令嬢ルートがあるのよ!

悪役令嬢リリアーナを攻略するの!

一番人気ルートなのよ!

それはそれはリリアーナが可愛そうでさぁ。

実はあの令嬢…」


そこで夢は終わってしまった。

前世でこんな会話をした記憶は、うっすらとある。

なんでもっとちゃんと、聞いておかなかったのだろう。

まさか悪役令嬢(多分)に転生するなんて思ってなかったけど、第二の人生の運命に関わる大切なことなんだから、最後まで夢見させて作戦考えさせてよ〜!

…。

わたくしに何かあるというの?

これから何かが起きるの?

なんでこんな所で目が覚めるのよ〜

嫌な予感がするな。


ー後日

「やあ、リリアーナ!」

「お義兄さま!」

義理のお兄様である、アレクシス・アルディスが、私の家を訪れた。

お義兄様は、本当に優秀で、いつも冷静で、公爵家の跡継ぎ。

すこ〜し怖いところもあるけど、そこを含めて素敵な方だと思う。

…ほんっとにお顔が美しいわ。

彼も攻略対象なのかしら?

「リリアーナ、魔法学園に入学したんだって?

おめでとう!

婚約者のレオニス様も一緒かい?

よく頑張ったね。」

お義兄様は昔からこうだった。

わたくしが転んだ時は真っ先に駆けつけてくださったし、勉強で褒められた時は自分のことのように喜んでくださった。

少し厳しいところはあるけれど、

わたくしにとって自慢のお兄様なのよね。

「ええ、殿下も一緒ですわ!」

…そういえば、なぜそんなことを聞くのだろう。

私が入れて殿下が入れないなんてこと、あるはずないのに。

なんて呑気に考えていると。

お義兄様は突然深刻な顔をし、暗く低い声で言った。

「リリアーナ、後で話がある。

大事な話だ。

我が家の命運に関わる。」

「…え、えぇ、わかりましたわ。」


ーそれからまた数日後

お義兄様から、毎日のように手紙が届くようになった。

内容は全部あまり変わらない。

レオニス殿下とアイリスのこと。

この二人の関係を、とても気になっているように感じる。

…まさか、アイリスが魅力的すぎてお義兄様も恋をしてしまったのかしら!?

それで今一番近い存在のレオニス殿下に嫉妬しているとか?

そうなのだとしたら、もっと素直になればいいのに…

あの時も、レオニス殿下とアイリスについて、よく聞かれたな。

手紙を机の引き出しへしまおうとして、

ふと違和感を覚えた。

『王太子殿下のご様子は?』

『アイリス・リーヴェル嬢とは親しいのか?』

『最近、二人でいることは多いか?』

……そういえば。

お義兄様はいつもこの二人のことばかり聞いてくる。

わたくしの学園生活については、ほとんど尋ねない。

なぜかしら。

そう思った瞬間、背筋を冷たいものがなぞった。

ーチクリ。

胸が痛んだ。

どうしてなのか理由は分からないけれど、嫌な予感が最近ずっとしている。

止まっていた運命の歯車が、もう時期動き出すような、そんな予感が。

けれど、その理由を考える前に、

「リリアーナ様!

お茶会の準備が出来ました!」

と、サラの声が聞こえた。

「まあ!次のお茶会のお菓子は何かしら!」

と、わたくしの思考は別の方向へ飛んでいった。


その頃。

王宮ではレオニス・グランディアが、使者に出していたユリウスから一枚の報告書を受け取っていた。

「アルディス公爵家について、新しい情報です。」

レオニスは静かに目を通す。

そして、穏やかな笑顔を初めて消した。

「……なるほど。」

「これは、思っていた以上に厄介ですね。」

報告書の最後には、短くこう記されていた。

―アルディス公爵家嫡男アレクシス・アルディス。

―近年、正体不明の組織との接触が複数回確認される。

この世界の影で、何かがゆっくりと変わり始めいていることに、まだ誰も気付いていなかった。

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