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よろしくお願いしますm(*_ _)m
翌朝、早めに目が覚めた私は朝食の前に、新しく買った剣を慣らしておこうと考えて、昨日アルと行ったユール草原へと向かった。
目を閉じて私に剣を教えてくれた家庭教師を思い浮かべる。
そして頭の中で家庭教師のリーナと対峙して、お互いに剣を構える。
「…ふっ、やぁっ、はぁっ!」
私の苦手な左側からの攻撃を連撃してくるリーナを剣の刃を合わせて一つ避け、その後の攻撃を自分の狙われている肩の位置を少しずらしてまた一つ避け、連撃が止んだ瞬間、今度は自分の攻撃に入る。
リーナの首を狙い、剣を横に振る。
しかしリーナはそれを当然のように剣で受け止めると、弾かれた衝撃で後ろへと反る私の身体を狙って剣を振る。
私は後ろへと飛んでそれを避け、すぐさま前へ足を踏み込み、攻撃へと切り替える。
そしてリーナの胴体へと剣を振る。
そんなことを30分ほど続けた私はふと、木の影から誰かの視線を感じた。
閉じていた目を開け、私はその視線を出している先を見る。
見えたのは犬のような尖った二つの耳につり上がった鋭い目、犬のような四本足をした魔物だった。
私を見ている生物からは魔力を感じるので、魔物なのは確かだ。
というか見た目は完全に、私の想像していたフェンリルそのものだ。私の気のせいなのか…?それとも、もしかしたら私はまだ夢を見ている?
たとえ、夢の中だとしてもこんなチャンスはなかなかな来ないと思う。チャンスが来たら行動するのが一番いい、というのは私のこの世界に来てからの経験論だ。
この機会を逃すのは勿体ないよね。
そう思いに至った私は、私を見つめたまま木の影から一向に動かないフェンリルらしきものへと近づいていく。
とうとう、私が少し手を伸ばせば届く距離まで近づけた。
距離が近くなったため、私を見つめる生物の身体全体を見れたのだが、やっぱりその姿はフェンリルにしか見えない。
しかし気になるのはなぜ、私を見つめたまま動かないのかということだ。私が動くと、フェンリルの目も動くので意識があるのは確実だ。
「……」
「……」
フェンリルが私を噛み殺そうとすれば、すぐに出来るくらいまで近づいて、私を見ているフェンリルの目を私も見つめる。だが何も言わないし、動かない。
どうすればいいんだろう。身体に触ってもいいだろうか。出来れば、その毛並みを撫でさせてもらいたい。
「あ、あの…身体に触れても?」
私はこちらの言葉を理解しているかもわからないまま、フェンリルにそう問いかけてみた。
「あ、あの…」
もう一度声を掛けてみたが、何か反応する様子はない。
「…失礼します」
とうとう我慢出来なかった私は一言そう断りをいれてから、フェンリルの頭にそっと手を置いた。
「……」
それでもフェンリルは何も反応を見せない。この子はいったい何がしたいのだろうか。
しかし流石はフェンリル。毛並みはつやつやでさらさらだ。しかもフェンリルの身体は暖かく、凄く気持ちがいい。
いつか、フェンリルの身体によしかかって寝たりもしてみたいと思う。安眠が出来るのは間違いないだろう。
読んでくれてありがとうございます。




