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よろしくお願いしますm(*_ _)m
「ここだ」
昼食を食べ終わってアルに案内されたのは、街の外れにぽつんと立つ、一軒家だった。
確かによく見れば、武器屋と書かれた看板が立てられている。
しかし、その看板以外には大して武器屋らしいものが見当たらない。普通はもっと試し斬り用の藁人形や、剣の材料の鉄なんかが置いてあるのではないだろうか。それになぜわざわざ、こんな人気のない場所で店をやっているのだろう。
地球でファンタジー小説を嗜んでいた私はこういう店には実はすごい鍛冶師がいるというテンプレ的な設定を考えるが、実際に自分がその店に行くとなると普通に不安になる。
「初めて来た時は俺も驚いた。だが中は普通に武器屋だから安心しろ」
「は、はい…。お邪魔します」
店の外見に驚いて固まってしまっていた私は少し緊張しながらも店の中へ足を進めた。
「え…」
中へ入ると、いくつもの武器がガラス張りのケースに入れて飾られていて、確かに武器屋のようだった。
「いらっしゃい!おう、お前さんか。ひさしぶりじゃねぇか、元気だったか?」
私が飾られている武器を眺めていると、カウンターの奥にある扉からタンクトップ姿の薄く髭を生やしたおじさんが出てきた。
どうやら、この方がここの主人のようだ。
「ああ、前に来た時からだいぶ時間が空いてしまった。悪かったな」
「いや、謝ることはねぇ!それだけ俺の剣を大事に使ってくれてるってことだろ。で、今日はどうした」
「ああ、実はティナというんだが、このティナに剣を見せてやって欲しいんだ」
アルはそう言って私をおじさんの前へと呼んだ。
「あの、ティナと言います。えっと、使うのは剣です」
「おう、俺は鍛冶師兼ここの店主のゼールってもんだ。よろしくな、ティナ」
「あ、はい。よろしくお願いします、ゼールさん」
ゼールさんは名乗った後手を出してきたので、私はその手を握ってそう言った。
「で、アル。お前さんが連れてきたってことはこいつを試していいってことだよな?」
ゼールさんは口元をにやつかせて、アルに向かってそう言った。
「もちろん、それで構わない」
「そうか。なら、この嬢ちゃんが泣き帰ることになっても後悔すんなよ?」
ゼールさんの言葉にアルは何も言わず、私の方を見た。
「付いてきな嬢ちゃん、嬢ちゃんが俺の武器を扱う資格があるかどうか試してやる」
ゼールさんはさっき自分が出てきた扉を開けて、私を呼んだ。アルは私の方を向くと、無言で頷いた。
「…はい!」
これはこの人に勝たないと武器を売ってもらえないパターンか。今私は剣を持っていないから、魔法だけで戦わないと。
しかし負けるわけにはいかない。
これはアル様に私の力を見せるチャンス。ここで私の力を見せれば、私を部下にしてくれるかもしれないのだ。
「よし」
自分の頬を両手で叩いて気合いを入れた私は扉を抜けて、ゼールさんの後をついて行く。
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