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よろしくお願いしますm(*_ _)m
「……」
「……」
一向に人も魔物も、何一つ来る気配のない静かな草原で、ティーナとアルフォンスは無言でお互いの仕事に専念していた。
普段はユール草原という名のついたここには必ず何人かの冒険者が薬草を取りに来ているし、ラビットホーンという兎に角が生えた姿の素早い動きが特徴的な魔物が出てくる。
しかし今日は、ティーナとアルフォンスが着いた時から約二時間、ずっと二人以外誰もいなかった。
「あの、お腹空きませんか…?」
静かなだだっ広い草原で、ついにティーナが口を開いた。
「ああ、もう昼か…」
アルフォンスが俯いていた顔を上げて、太陽の傾き具合を確かめてから、納得したように言った。
「はい。…あの!よかったら、一度街に戻ってご飯にしませんか?」
私は立ったままで手に力を込めながら、勇気を振り絞ってそう尋ねる。
「そう、だな。薬草もこれだけ集めれば足りるだろう。一度戻るか」
私の言葉にしゃがんだまま頷いたアルは立ち上がった。
そして、摘んだ薬草もアルが立ち上がったのに伴って、ぷかぷかとアルの肩くらいの高さに浮いている。
「それ、どうやってるんですか?」
私は、まるで生きているようにアルの傍を浮いている薬草に興味があった。
「ああ、これは魔力で浮かしてるんだ。俺はよくこうやって物を運んだりするんだが、ティナはやった事がないのか?」
「はい、初めて見ました…。凄いですね、そんな方法があるなんて、思いつかなかったです…」
私はだいたいのものはブラックホールに入れて終わりだからなぁ…。
そんなことを思いながら、アルの話に耳を傾ける。
「そうなのか。この方法は珍しいのか…?俺のぶ、友人に教えてもらった方法なんだが」
絶対今、部下って言おうとしてたよね。
やっぱり、魔王なだけあって部下もいるんだ。そもそも部下って魔族なのかな。
魔族はこの国がある大陸ではないところに居ると聞いたことがある。実はバレていないだけでこの国にもいるんだろうか…?
そんな疑問が出来つつ、アルの話の続きを待つ。
「やった事がないのなら、ティナもやってみたらどうだ?」
「え…私がですか?そんな急に出来るものなんですか?」
「魔法を使えるなら大丈夫だろう。魔力を使う感覚はわかるな?」
「はい、それは大丈夫ですけど」
「そのいつも使っている魔力を外に出すイメージで使ってみろ」
外に出す…。赤ちゃんの時にやっていた感じでいいんだろうか?
「こう、ですか…?」
私は記憶を思い出しながら、魔力を使う。
「そうだ、そのままその魔力を薬草に向けて使うんだ」
「えっと…」
アルに言われた通りにすると、さっきまでアルが浮かせていた薬草が上がったり、下がったりと移動した。
「そうだそのまま出す魔力の一定に…」
そんな感じでアルに教えて貰いながら、私達は街へと向かった。
道中、練習がてら私が薬草を魔力で運んでいくことになり、街まで行くのに、普通の2、3倍の時間が掛かった。
読んでくれてありがとうございます。




