21/37
21 鳥の定め
私は鳥だから
空を飛んでゆかないといけない
翼を持たない貴方を残して
終わりの見えない
遥か彼方まで
飛んでゆかないといけない
私の心は陸の上
貴方に触れて
それだけで満たされているのに
この翼が誇らしいのは
貴方にこの さざ波の様な翼を
綺麗だねと 褒められたから
貴方は知っていた
初めから 私が飛び立つ定めと
貴方と離れるくらいなら
この綺麗な翼を真っ黒にして
全部 むしり取ってしまいたい
あの空には
貴方の温もりはない
冷たく澄んだ空気の中を
孤独に飛んでゆくしかない
飛び立つ定め 翼を持った者の定め
貴方を残してゆく定め
貴方の褒めてくれた翼だから
私は その言葉だけで
飛び立ちましょう
この陸を離れて
はるか遠くの空の果て
海の上を行くときも
雲の中を飛ぶ時も
雨に打たれて凍える時も
貴方の言葉を忘れない
貴方の温もりを忘れない




