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ハーレム厳禁異世界転生 転生したら恋愛経験で強化されるチートを貰ったのでゼロから頑張ってみる  作者: オザキイチロウ
3章

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3章⑧

 ここで俺の前世についてちょっと詳しく話させていただこうと思います。といっても全然面白くないのでさらっとだけ。

両親は、俺が小さい頃はすごく優しい人たちでした。そう、優しかったんだ。よく行きたい所へ連れてってくれたし、誕生日ともなれば盛大に祝ってくれた。

でもいつからか変わってしまった。一体何があったのかは分からない。たぶんどっちかの浮気があったんじゃないかな。こういうのでよくある事業の失敗とか、仕事が上手くいかなくて、というのではなかったと思う。だってうち、会社を経営していたわけじゃなかったし、少なくともずっと食うには困らなかったから。病院代も最期まで出てたし。

とにかく、俺が物心ついてから少しして二人は、互いを非難することだけに心血を注ぎ始めた。そこに俺は要らなかったし、居なかった。むしろ相手の血までも憎くなったのかとにかく積極的に遠ざけられた。あるいは相手の悪口を聞かされるだけの、ただのモノにされた。

その後やがて俺の病気が発覚し入院生活が始まるも、両親の態度はやっぱり変わらず。むしろそれから別居でもしたようで、俺と面会中の相手と偶然顔を合わせるのが嫌になったか、気づけば俺と会う事だって無くなっていた。それからの顛末は転生する時に話した通りだ。

最初は自分を責めていた。俺のせいで、俺が居たから両親が喧嘩するようになったって。俺が悪いから放置するようになったって。だって小さい頃はさっきも言った通り優しかったからね。何かまずい事をしちゃったのかと思ってた。

でもよくよく喧嘩や悪口の内容を聞いてみればそんなことは無くて、次第に考えなくなっていった。まぁ、辛いから考えたくなかったっていうのもあるんだけど。

それで、見捨てられることへの恐怖が無くなったと勘違いしていたんだ。あと転生してから、傷は殆ど癒えたのかと思っていた。思い出すことなんてしばらく無かったから。

だけど、確かに残っていたみたいです。目まぐるしい日々で運よく目を逸らせていただけだった。そして今日、偶然開いてしまった。しかも、好きな人の言葉によって。いや~、これからどうすっかね?気まずいよ。マジで。ほんとに。


 アレは、依頼が終わった後の事でした。つまり今日が休日です。特訓は基本休日の前の日、依頼が終わってからやってたのでね。

そして今日はなんと、聖女様に会う日なのでした。いや~なんたる偶然。だから昨日の今日で休めません。最高です。というわけで、なんとか這いずりながらエクエス大聖堂へとやってきました。あ、這いずるって比喩ですからね。本当に道を這いずりながら移動してませんから!

……ちなみに一日経っても全然まだキツいです。主にベアさんを傷つけちゃっただろうことが。

だってあれから色々考えてみたけどやっぱり彼女全然悪くない、気がする。いやどうなんだろう。まだ答えが出てません。というよりも、答えにずっと確信が持てない。

確かに、都合がいいからで俺を選んだことにはちょっと憤りを感じるかも?だって、だってそんなの身勝手じゃないか。とはいえそんなこと言ったら俺も俺で勝手に傷ついて勝手に気まずくした。嫌な事実を自分から掘った挙句ね。でもだからってあんな言い方――。

ほらね。考え始めるといつもこんな風になってしまう。だからあんまり考えないようにもしてみたけど、結局モヤモヤする。でもなんでモヤモヤするのかって結論が出てくれない。八方ふさがりです。

っていうかそれはそれとして、明日はどうすればいいんだろう。サボっちゃおうかな。でもそしたら多分家に誰か来るよな。しかも、唯一場所を知ってるからって理由で彼女が来る可能性は高いと思う。だとしたら猶更気まずい!最悪誰か案内するだけかもしれないけど、万に一つでも鉢合わせちゃったりしないか?例えばちょうど俺が外に出たりしててとか。

う~んダメだ。考えるとどんどん悪い方向に向かってく。ならせっかくだし聖女様に色々聞いて貰っちゃったりしようかな?俺らの事情を知ってるわけじゃないし、俺らの中の誰かと会うわけでもないだろう。なら相談相手としてちょうどいい。でも流石にそれは不敬かな……。だったら女神様に愚痴る?

う~んでも、ど、どうしよう。一回自分の中で整理つけてもいいかな。それがいい気もしてきた。だってこんなの話すなんて迷惑じゃないか?ただでさえ忙しい方だし。うん。きっとそうだ。だから聖女様と会う時は一旦隠して――

「あぁバンさん!良かった。ちょうどあなたにお願いしたい事があったの!」

「へ?聖女様?」

 そうしていつの間にか彼女が居る部屋の前へと来た時、急に扉が開き、中から明らかに焦っている様子の聖女様が飛び出してきた。

「あのね?わたくしが運営している孤児院で飼っている猫ちゃんが迷子になったらしくて、でもわたくしが外へ出ると騒ぎになってしまうから誰か探してくれる方を探してて」

「え、は、はい」

「だから、あの、わたくしとのお話は良いから引き受けてくれないかしら。冒険者の方に頼みたいのだけれど、教会からお金をお出しすることはできなくて、そうなると、報酬無しで申し訳ないのだけどあなたぐらいにしか頼めなくて」

「と、とりあえず落ち着いてください。一度座りましょう」

「ダメなの!だってあの猫ちゃん、以前から具合が悪かったそうでね?ちょうど今日予定がついて、わたくしが癒す予定だったの。だから、死期を悟ってこうなったのかもしれなくて、時間がもう無いかもしれなくて!」

「へっ」

「でも、孤児院の子たちはずっとわたくしが直してくれるって期待していたみたいでね?だから、あの子を治せなかったらわたくし、えぇと……」

 話を聞けば、とても急を要する事態であるようだ。肩の辺りが強く掴まれている。今にも泣きだしそうな顔つきは、前回の落ち着いた様子とは程遠い。きっとそれだけ、彼女にとっては重要な事柄なのだろう。

「だからね?バンさんっ。本当に申し訳ないのですけれど、探してきて頂けないかしら?」

「分かりました」

 なので、とりあえず受けることにした。正直めちゃくちゃ断りづらかったからっていうのは否めないけどね。でもせっかく頭がごちゃごちゃしてるんだし、一旦何からしらの仕事をこなすのは悪くない気がした。やってる間は何も考えなくて済むかもしれないし。あるいは探す時間で色々と整理がつく可能性もあるし。つまり色々と、都合が良かったのだ。

「本当!?あぁ、ありがとうバンさん。ありがとうございます女神様……」

「それでえぇと、その子の特徴とかって……」

「あぁっ!すぐに用意するわね!」

 そうして俺は、子供たちが描いたその猫の絵や特徴を書いたメモ。孤児院への地図等々を持って外へと繰り出すのだった。でも、すっかり失念していることがあった。ここ王都エクエスって、長い長い歴史の中での度重なる増築が原因で滅茶苦茶に広いのだ。

今週は総文字数が10万になるまで一旦高頻度で更新していく予定です。

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