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先生と禁断の恋、始めません。  作者: 五月雨恋
高校3年1学期

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35/50

第35話 GWの自習

 世間は今ゴールデンウィーク。もちろん私も連休中である。

 いつもならパパが意気揚々と旅行計画を立てるんだけど、今年は受験生だしって事で旅行は無しになった。なんとなくパパが寂しそうに見えたので「ママと二人で行ってきても良いよ」と伝えたのだが。


「子どもの受験はチームプレイだ。同じ苦しみを分かり合わなければならない」

 

 とか何とか行って我慢をしていた。……や、別に私は旅行に行けなくても苦しくならないんだけど。

 一家の大黒柱にとって、年1度の家族旅行はご褒美なのかもしれない。パパ、いつもありがとう。


 そんな訳で私は今日も自室の机に向かう。物を置く場所でしかなかった学習机は、去年あたりから本来の性能を大いに発揮している。

 人間という物は変われるものなのだな……と思いつつ、スタンドミラー越しに自分と見つめ合った。……む、ちょっと肌荒れてるか? 受験期間のケア用品だし、高い物をねだってもいいよね? パパ。


 黙々とワークを進める事小一時間。何周したか分からない古文のワークを終えて一息つく。ちなみにこの参考書は「三山(みやま)先生の推し」らしい。そのせいか終わらせるたび、先生の「どうだ、良いだろう?」というセリフが映像付きで頭に再生される。


「……布教活動されてる気分」


 三山(みやま)先生の推しを、私は本棚にねじ込んだ。


 次に何をすべきかと迷い、机の上に参考書を並べてパラパラとページを捲る。英語か数学か、さらに言うならどの部分を重点的にするべきなのか。……強いて言うなら数学ⅡBあたりなんだろうけど。分かってはいるのに、手を出したくない気分。


 迷えば迷うほど、頭に浮かんでくるのは三山(みやま)先生の顔なのだった。


「直近で、自己採点したテストとかあるか?」

「ノート見せてみろ」

「どこが苦手か分からないから、試しにこの小テストやってみて」


 こういう時――三山(みやま)先生が近くにいたら、こんな感じで寄ってきて進むべき先を速やかに提示してくれるのに。先生モードに切り替わった先生の横顔はちゃんとした頼りになる大人で――。


「……何考えてるんだろ、私」


 先生の顔を頭の隅に追いやる。気を取り直し、学校の鞄から()()()()()()()()()を引っ張り出したけれど。

 やっぱりそのプリントも、三山(みやま)先生が作ったもので――手書きのコメントも先生が書いた字、だった。


 私は苦手な数学ⅡBのワークをガッと開いて、黙々と勉強を進める。苦手一覧表のⅡBの欄には青いボールペンで、こう書かれていた。


 「柊がよく逃げるやつ」


 ……逃げてないし。

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