表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
先生と禁断の恋、始めません。  作者: 五月雨恋
高校2年3学期

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/50

第29話 お花見②

 「おぅ、ハヅキチも一緒か。朝から大変だな」


 二人、両手を合わせてスリスリしながら話していると、ミカのパパがやってきた。座布団を小脇に抱え、鍋と風呂敷を持っている。……今日もパンチの効いた見た目だなぁ。なんていうか、面識がなければ目を逸らす系?


「おはようございます。コンちゃんもお疲れさまです」

「いや俺は元々朝早ぇからな」


 そう言って、コンちゃんは鍋を座布団の上にゴスッと置いて蓋を開く。

 

「これ、なんです?」

「聞いて驚け。これは――」「おでんだよー♪」


 パパが蓋を空けると同時にミカが声を被せる。コンちゃんの顔が阿修羅になった。……やっぱり、顔怖いなぁ。

 

「コンちゃんが作ったんですか?」

「あたりめえよ。金剛乗(こんごうじょう)家は、おでんもガチだからな」


 ミカパパこと金剛乗(こんごうじょう)勝利(まさとし)は、器に盛りつけた大根の上に……からしを絞った。


 * * *


 熱々だったおでんは、良い感じに温くなってきた。コンちゃんが風呂敷から日本酒を取り出したころ、田中(ハゲ)率いる野球部三人がやってきた。


「ミ、ミカと……(ひいらぎ)。おっす……」

「おっはよー!早いねー!今何時? まだ7時前だよ!!」


 私もチクワをモグモグしながら、手を挙げて応える。野球部たちは何故か、いつになくよそよそしい。

 いやなんで? ……あ、そういう事か。ちょっと待って。まだチクワが口の中にいるから。普段より咀嚼を早めて……飲み込む。


「こちら、ミカのお父さん。おでんを差し入れてくれました」

「おう坊主。俺のことはコンちゃんで良いぞ!」

「初めまして!田中秀人(しゅうと)です! ミカさんのクラスメイトっす!!」


 田中(ハゲ)は、ホっとした表情とともに、元気な挨拶をしていた。


 

 一通りの自己紹介が済むと、コンちゃんは「男が三人もいりゃ安心だ」と一升瓶片手に立ち去ってゆく。その背中を見送っていると――


「俺ら、(ひいらぎ)達がヤバいオッサンに絡まれてるって思ったわ」

「へー。そんな中声かけるとか、やるじゃん」


 田中のジョリジョリの坊主頭を撫でると、ミカもノってきた。二人で、ジョーリジョリ。

 残りの男子二人も寄ってくる。

 

「え、俺らも撫でてよ」

「坊主じゃないからなぁ……」


 田中は「坊主にしてて良かった」と、真っ赤な顔で微笑んだ。


「てか、なんでこんなに早いのー?」


 撫でるのに飽きたミカが田中の頭をペシペシ叩きながら言う。


「え?だって時間おかしくね? こんな早朝から場所取り一人とか、普通に無茶じゃね?」

「つーか、元々俺ら三人で場所取り行こうぜってなってて。ミカの方が早かったけど」

「……お、お前らぁ~!!」


 感極まったミカが野球部三人をまとめて抱きしめる。青春ドラマか何かみたいだけど……ミカの彼氏、ピータンが見たら発狂しそうだ。

 

 私は鼻にツーンとしたカラシの辛みを感じながら上を見上げる。


 桜は、まさに満開だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ