船でタイラント帝国へ出航では
アレをウルに任せて、コレをここに付けて....
前書き担当 ラフィーヌ
現在、俺はヨットよりやや大きめの船にいる。
船尾という船の後ろの所の左右に、ラフィーヌ特製錬金術のブースターと呼ばれる加速エンジンを取り付けて、欲しいと頼まれたためである。
このブースターは20~30cmほどの筒状のものが何本かが束ねられた形で、この筒の先からきっとエネルギー元となる何かが出るのことにより加速させる力を生み出すのだろう。
見た目は車のマフラーのようでもある。
問題は、どのように付けるのかだが、驚くことに、これの取り付けはとても簡単なもので、このブースターをつけたい所へ近づけると魔法陣が2つ現れ、片方はブースターに、もう片方は船の方にへと向かいくっ付く。
そして、それら魔法陣がゆっくりと回転を始めながらお互いを引き寄せ合い始めたのだ。
回転の速さに比例して、引き寄せる力が強くなっていく。
ついには、手を離してもブースターが落ちる事がないほど強くなっていた。
この様子は異なる極を引きつける磁石に似ていると言えるだろう。
「ラフィーヌ!!言われた通り、ブースターを付けたぞー」
「ちゃんと両方につけたー?」
ラフィーヌの言葉を聞き、すぐに応えようと思ったが念の為に、もう1度左右をしっかりと見て確認する。
右に付いているか。
左に付いているか。
....よし。
「きっちりしっかりと両方に付いてるよー!!」
「オッケー!なら早く戻ってきて」
「はーい」
俺は言われるがままに、船の舵を握っているラフィーヌの所へと向かった。
そこには既に、今回の出発するメンバーが揃っていたのだ。
「たむー。全員が揃っているか確認して」
「はいですよー!ウルと、ラフィーヌと、アリアと、レンヤと、私...の5人ですよー!!」
たむちゃんは1人ずつ顔を見ながら、指で数えて確認をする。
その様子を見て、ラフィーヌは「全員揃っているわね...」と呟いた後、口を大きく緩め、気合いの入った声を上げる!!
「さぁ!!出航よーーっ!!」
響くラフィーヌの声が木霊を繰り返す。
その、声と同じに甲高い音がなり始めたのだ。
まるで何かを吸い込むかのような、吸収をしているかのような甲高い音.....
ーーーッッ!!
瞬間ーーーッッ!!
巨大な揺れと共に周囲の景色が次々と移り変わる!!
正面から訪れる確かな強風!!
リズムを刻むかのような揺れ!!
これら全てを含む理由はただ1つ。
船が進んだのだ。
しかし、ただ単に発進したのでは、これ程まで大きな事を起こせれないだろう。
では、何故このような大きな揺れや、強風が?
そう、その原因は、ラフィーヌのブースターによるものだ!!
ラフィーヌの出航の合図と同時に起こった何かを吸収するかのような甲高い音。
これは文字通り、1度に強力な出航をするためにエネルギーを蓄えていたのだ。
「と、とんでもない速さだなー!ラフィーヌー!!」
「でしょ!?凄いでしょー!!!やっぱり出発は派手でないとー!!」
「ですが、この速さでラフィーヌは操縦出来るのですかー!!!」
両手を腰に当ててドヤァァ...!!
と自信満々な....
ってちょっとまてラフィーヌ!!
手を離したら危ねぇぞ!!
「その点は安心して!現在、自動操縦モードに切り替えているからー!!」
「そ、そんな事も出来るのか!?」
舵に目をやると確かにラフィーヌの手から離れていても勝手に動いている。
しかし、一体全体、どのような理屈なのだろうか。
場所の指定ができるような見た目をしていない。
本当に普通の舵の見た目をしているのだ。
それとも他のリモコンの役割をするものがあるというのだろうか。
.....と、気がつくと周囲には誰も居なくて。
「よくぞ、まぁ」
1人寂しく俺は愚痴をこぼして船の中へと続いてそうな扉へ向かう。
ドアノブを触れようとしたその時、俺の懐から懐かしい声が響く!
『 きゅー!!』
「おぉ!!ライム!!元気になったか!!」
この愛くるしい声!!
つぶらな瞳!!
たまりませんなぁ!!
ドラゴンとの戦い以来、全く姿を見ないもんだから久しぶりな感じだぜ!!
「きゅっー!!きゅっきゅっきゅーー!!」
「ん?どうしたんだ、急に?」
元気よく飛び出して来たかと思えば、瓶の中にすぐに戻っちまった。
いや、正確にはその瓶の中で震えている...?
風に対する耐性が無かったのかな...?
「ほー、中々よい眷属ではないか」
濃く黒い煙にも似たものが空を覆い尽くす。
視界は辛うじて何とか数メートル先が見えるくらいまでとなり、異様な静けさを生んだ。
まるで、周囲に俺以外がいないかのように...。
そんな状態の中で声を掛けてきた人物は、懐かしくも感じるが、この船に乗っている俺の仲間たちでは無いことを直感にて理解する。
「眷属?違うね、こいつはライム!」
「ライム?あぁ、そのスライムの事か」
「それより、いったい誰なんだお前は」
俺の考えが正しければ、ライムはこのフードを深く被った変な奴に対して怯えていた可能性が高い。
ライムの入っている瓶に目をやるとやはり震えている。
しかしその変な奴は、面白おかしいとでも言わんばかりに、嘲笑うかのに、1度鼻で笑い答える。
「ふっ、まさか貴様からそのような事を言われるとは思っていなかったぞ?」
「...!!その偉そうな喋り方。俺の夢にちょくちょく出てきた!!」
「そう、我だ。」
「いや、しかし、いったい何の目的で?」
「タイラント帝国には、我を楽しませてくれそうな物が沢山ありそうなのでな。....それに、我の事についての情報もな。」
「え?お前、自分の事知らないのか?」
「我の名前は...ディアウルス。しかし、それしか思い出せぬ。この名前も最近、思い出したものだ。」
何なんだこの中二病は。
「で、タイラント帝国で『 ディアウルス』って奴の情報を探せって事か。」
「その通りだ。我も自分の事が気になるのでな。我がいったい何なのか....。貴様は気にならないのか?」
「ん?何が?」
「貴様の本当の名前だ」
「俺の本当の名前....?」
そういえば確かに、こっちに来た時、俺の名前が分からなくなっていたな。
あれ...?
どうしてだろうか?
それに、よく考えてみればお金も持っていたし、言語も話せるし、字も読める。
神様がそのようにしたって言われたらそれまでだけど本当にそうなのだろうか。
「しっかりと考えておくのだな。」
俺が考えている事を気にすることなく、深くフードをかぶったディアウルスと名乗った奴は一言を告げた。
再び、黒く濃い煙のようなものが辺りを包んだ後、煙と共に消えた。
「んー。まぁ、いいや!とにかく、早くみんなの所へと行こ」
扉を開けると、5~8段の下への階段があったので1歩ずつ確実に降りていく。
すると、大きめのテーブルが中心にあり、その周囲にある椅子に、仲間たちが居座っていた。
「ようやくウルが来たですよー!!」
ふう、今日は朝に少し余裕があるので出しました!!
そーいえば、ウル、ラフィーヌ、ルシュタム、アリアの集合イラスト?を描きました!!
興味のある方はTwitterなどで!!
また、デザインが変わっていますw
次回は、船の部屋での会話かと...
ではっ、ゲ砂焼き鳥でしたっ!!




