鶏で目覚めて
今回から、第2章スタートです!!
"コックルデュルデュー!!"
「おわっ!?」
突然鳴り響いた怪音で叩き起こされた。
何事かと外を見ると、通りを一匹の鶏が闊歩している。どうやら怪音の正体はあいつの鳴き声だったらしい。
ふぅ、と溜め息を吐くと辺りを見渡す。
ふかふかのベッドしかない4畳半程の小さな部屋。木の壁と天井が朝の涼しさを直に伝えてくれる、居心地のよい空間だ。冬はきっと底冷えするだろうが。
それにしても鶏。俺のウフフな夢を中断させた夢は重いぞ。野生のやつだったら真っ先に丸焼きにしてやる。
俺と美羽が○○○している夢を……っ!!
「あら、起きたのね」
夢の続きを楽しめなかった事に悶えていると、サラが部屋に入ってきた。
──そう、ここはサラの家。先日助け出してくれたお礼にと、ここに住ませて貰えるようになったのだ。
木造の二階建て、中世ヨーロッパを彷彿とさせる作り。住み始めてまだ1日も経っていないが、実に住み心地がよい。
住宅街の一角だが、広いハルトーバの町を窓から一望できるというおまけ付き。
こんな家に住めて、俺って幸せ者だ……。
「ああ、お前の居心地いい家のお陰でな。ただ、外の目覚ましが唯一気に食わんが」
「? それより、朝御飯出来てるわよ」
「お、サンキューな」
「か、勘違いしないでよ! 自分の分の朝御飯作ったらいっぱい作りすぎちゃっただけで、あんたらの為に丹精込めて作ったんじゃ無いんだからねっ!!」
俺の中のオタク心はその台詞だけで腹一杯だ。
「それと、ミーニャを早く起こして。今日は昨日倒したビッグバイパーの買取り査定が出るんでしょ?」
「ああ、そういやそうだったな」
ビッグバイパーの買い取り査定というのは、昨日に遡る。
昨日のあの後、倒したビッグバイパーを売れないかと思い立った俺は町の兵士をギルドに連絡して呼んでもらい、町の商業ギルドに運び込んだのだ。
総勢15人+美少女3人に運ばれてきた巨大蛇を見て、ギルドの方々は大喝采。ギルド総出で解体作業に取り掛かった。
しかしビッグバイパーの解体は商業ギルド総出でも生半可な作業ではなく、明日の朝までには買い取り査定終わらせるからまた来てくれ、と言われて帰路についたのだ。
そして今朝。商業ギルドの方々の仕事が順調だったなら、ビッグバイパーの査定が出ているはず。
──というわけだ。
「オッケー。じゃあ、冷たい水でも注いで待っててくれ」
「全く……分かったわよ」
溜め息を吐いてサラが部屋から出ていくと、こっちはミーニャの部屋に。
通路を挟んで真正面のミーニャの部屋の前に立つと、部屋のドアを叩く。
「おーい、ミーニャ。朝だぞ、起きろー」
『……うー……にゃー……』
動画サイトで弾幕が飛んできそうな寝言だった。どうやらこの位では起きないようだ。
方法を変え、今度は直に声を掛けることに。
「ミーニャ、入るぞ」
ばん、とけたたましくドアを開けて中に入ると、ベッドの上に素っ裸のミーニャを発見。どうもこいつは肌の露出を多くしたいらしい。
「おい、起きろ。朝御飯が待ってるぞー」
「んー……朝ですカ?」
「そうだ。だから早く起きろ」
「むにゃ……あと3分待ってくださイ……」
「…………………………」
「…………………………」
「……時間だ、早く起きろ」
「1分も経ってないじゃないですカ……」
寝惚けながら突っ込みを加えると、ミーニャはもぞもぞと布団に潜り込んだ。
きっとこのまま寝ていればやり過ごせると思っているのだろう。
だが、そうはさせない。
思い立った俺はミーニャのある部位に目を付け、それを握り締める。
「ふぁッ!?」
その瞬間、ミーニャの身体がビクンと跳ねた。
ミーニャが感じている事を確認すると、俺はその部位──尻尾を愛撫し始める。
「な……なに……こレ……。こんなの……初め……ひぅッ!?」
「どうだ? これで起きる気になったか?」
「こ、こんな事に屈する私でハ……あぁんっ!!」
俺の指が尻尾をなぞる度、ミーニャは艶めいた声を上げる。
昨日、ガイドブックの《ラグナノヴァの種族紹介》の項を読んだ際、猫人の欄にはこう書いてあった。
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《猫人》
・太古の昔、猫と交わった人間から産まれた存在。人間の身体と知性、猫の身体能力と視力、柔軟さを獲得している。
基本的に女性体しか居らず、男性体しか居ない百獣人と交わることで子孫を残す。
獣人系種族全般に言えることであるが、尻尾が弱点であり、他種族に触れられると性的快感を覚え何も出来なくなる。
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つまり、それは人間から転生したミーニャも同じ事。他種族──人間である俺から尻尾を触られる事で、ミーニャは俺に対し成す術を失ったのだ。
「ほら、嫌なら早く起きろ」
「い……嫌でス……まだ寝たイ……ひぎぃッ!?」
「いい加減起きようよ、ねぇ」
「ま……まだ起きたク……無いのに……。……もう……らめェ……」
快感に悶えながらも、とうとう観念したのかミーニャは俺の足に手を伸ばしモールス信号を打ち始めた。
解読すると
──起きます。
それを理解すると同時に、俺は極上の指使いで最後の愛撫を施した。
「ふにゃあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁン…………っ!!」




