プロローグその3-小沢 美智子
私は机に向かって、勉強していたはずだった。
だが、気づけば、机と椅子ごと、どこかもわからない城の一室にいた。周りには
、私の知らない三人の人が。
「成功、だな」
「ああ。それにしても、過去の美智子もイケるな。あ、かわいいって意味だから
ね」
「ふざけが過ぎるぞ、ベリル」
三人はきょとん、としている私を見て、説明と紹介を始めた。見たところ、全員
、二十代前半ぐらいに見える。先程、ベリルと呼ばれた金髪で背の高い男性は、
「僕は、早手のベリル。まあ、あだ名、だけどね。そして、こちらの真面目そう
な奴が、円絶の秋久。そして、この黒髪ロングの絶世の美女が、」
ベリルさんの話の途中で、おいおい、と女性が割り込んできた。
「絶世の美女は止めろ、それにコンテストでは変幻使いに負けた、だろう?」
ベリルさんは、
「んじゃま、おあいこってことで。ってか、話の途中で、割り込まなーい。……
で、この女性は、空鐘のリン。ってか、秋久、君はいっつも無口なんだから、何
か喋れよ」
「変幻使いは、警戒しているぞ」
私は怖かったのかもしれない。私を別の場所に移動する、なんて、能力者の仕業
に決まっている。その、能力者が三人? とか思ってたら、いつの間にか、能力
の発動条件、空中に五角形を描く、を実行していた。
「ちょっと、ストップ、ストーップ! 今から説明するからさ。はぁ、これでも
僕と変幻使いは仲が良かったんだけどな。」
ベリルさんはがっかりした様子をみせた。私はおかしくて、笑ってしまった。そ
して、能力をいさめるため、空中に三角形を書いた。
「やっぱり、笑うと一段とかわいいな、変幻使いは」
この人、光秀に少し、似てる。その手のことになれていた私は、軽
く、あしらうことにした。
「私を口説こうなんて、一万年早いですよ?」
「あ……」
ベリルさんは、何を思ったのか、黙ってしまった。対して、リンさんと、秋久さ
んは、クック、と笑っている。リンさんが、
「こいつ、変幻使いに振られたの、何回目かしらねぇ」
「さすが、早手の。こっち方面も早いときたか」
ベリルさんは、顔を真っ赤にして、
「今のは、カウントに入らないだろう? うー、うるさい、バカ、死ねっ!」
と、物を二人に投げ始めた。秋久さんは、おっと、能力を使うのは、なしだぞ。
と、逃げていた。……私は素直にこう思った。この人達、面白い。
私はわからないことを聞いた。ここはどこで、何の目的で私をここに呼んだの
かを。窓から外を見ると、雲か、霧かが見える。高い所なのだろうか?
ベリルさんは、移動式の椅子とテーブルを持ってきてくれ、紅茶をついでくれた
。
「ここは、君にとって、未来の天使界だ。そして、僕達が君を呼んだ目的、とい
うのはあと一年後に現れる、魔王を、永久に追放する、スキル、アンチデビルス
トーンを完成させるためさ」
私には、まだ、最大の疑問が残っていた。
「何故、私、なんですか?」
「それはね、僕達四人で、最上位能力者だからさ。僕達四人
でなければ、アンチデビルストーンは完成しないことが検証されている。中でも
君は、この時代では、最強と呼ばれる能力者、変幻使いのミチコ、とは、君のこ
とだよ」
「え~~!」
私は、ただひたすらに、驚いていた。
一週間に一度は更新できるよう、努力したいと思います。
なぜか、筆者、キムチにはまっております。
辛さとすっぱさが生み出す絶妙のハーモニー。
……それはともかく、お次はようやく、主人公の出番です。
そう、あの方、です。




